声優
蒼井翔太が語る音楽ライブの作り方/インタビュー

声優・アーティストの蒼井翔太さんが最新ライブツアー千秋楽を振り返りつつ、WOWOW特集の見どころを語る/インタビュー

ツアーで印象深かった楽曲は「PSYCHO:LOGY」!

――このツアーの中で印象深かった出来事や楽曲などについてお聞かせください。

蒼井:どの曲も印象深いけど、やっぱり「PSYCHO:LOGY」ですね。『ポプテピピック TVアニメ―ション作品第二シリーズ』のOPテーマで、TV番組では歌わせていただきましたが、皆さんの前で歌うのはこのツアーが初めてでした。作品がすごくカオスで、「PSYCHO:LOGY」もいろいろなギミックを詰め込んでいるトリッキーな楽曲なので、トリッキーさを増幅させる奇妙な演出にしたくて。

オペラ風の歌唱から感じられる厳かさや、僕を囲んだコンテンポラリー風な振り付けで異様な雰囲気を出しつつ、両国公演の最後はポプ子ちゃんとピピ美ちゃんに登場してもらって、ポップで笑顔に終わる、みたいな。ポプ子ちゃんとピピ美ちゃんが来る前まではすごく不思議な空間だなと思ってもらえたらいいなと。

――サイバー感のあるダンスチューンに加えて、後方に流れる映像など、すごくカッコよかったのに、オペラ風の歌唱で異国感が漂って。確かに戸惑いました(笑)。ポプ子とピピ美は両国公演のみのサプライズだったそうですね。

蒼井:そうです。「ぜひ出演してもらえないでしょうか?」と相談したら「全然行けます!と二人が言っています」という気合が入った返事が届いたので、むしろ「ライブどうなっちゃうのかな?」と一抹の不安も(笑)。

――二人も出てきたら全開でしたね。曲に合わせながら踊りつつもスタッフを蹴り飛ばす仕草もあったり、暴れまくって。

蒼井:いつも通りでよかったです。たぶん当日はどの曲よりもお客さんが沸いていたと思います(笑)。まだ声出しはできない状況ではありましたが、思わず漏れ出た笑い声が聴こえた気がします。

――お客さんは声が出せない分、ペンライトを振ってのったり、想いを伝えようとしていました。

蒼井:皆さん全力でペンライトを振って感情表現をしてくださいましたし、マスク越しでも表情がわかるんです。その気持ちを伝えようとしてくれる気持ちがまた嬉しかったです。

最終日両国公演の模様が早くも3月26日に放送・配信!

――その両国公演の模様が早くも3月26日にWOWOWにてオンエアされることが決まった時の感想はいかがでしたか?

蒼井:嬉しかったです! 10年分の感謝を伝えるライブで、チケットが完売したことはとてもありがたかったんですけど、それでも見たかったけど見られないという方もいらっしゃったと思うので。もちろん見られなかった方にも想いを届けるつもりで歌いましたが、WOWOWさんでたくさんの皆さんに見ていただく機会ができて、しかもツアー後から約1カ月でお届けできるのは嬉しいです。

またこのツアーに参加してくださった方も、両国以外はスクリーンがなかったため、僕の姿や顔を近くで見られなかった方もいらっしゃったと思うので、隅々まで見ていただけたら。

――この放送で注目してほしいポイントやオススメの楽しみ方をお聞かせください。

蒼井:やっぱりセットリストです。懐かしい曲や最近歌っていなかった曲がたくさんあって、同じジャンルの曲があるとどちらを歌おうかと毎回迷っています。今回は絶対に皆さんが聴きたいはずという確信がある曲を詰め込んで、構成や流れも自信があるセットリストなので、何度見ても鳥肌が立ったり、楽しんでいただけるライブになったと思います。

――WOWOWはライブ中継などたくさんの一般音楽ファンにも視聴されているので、蒼井さんを初めて知る、曲を初めて聴く方も多いでしょうね。

蒼井:この放送で初めて僕を知ってライブを見た方はきっと驚かれると思います。楽曲の幅や曲ごとに変わっていく蒼井翔太像に、「えっ!?」という波が何度も来るんじゃないかな(笑)。この放送を通して、また新たな出会いがたくさん生まれたらいいなと願っています。

――また4月13日には同じWOWOWでファンの皆さんからのリクエストを交え、過去のライブを自らトークしながら振り返っていく『蒼井翔太 Live Archives ~SHOUTA & FAN's Selection~』という番組がオンエアされます。

蒼井:今までのライブの中で、好きだったシーンや印象的だった楽曲を、ファンの方からTwitterで募集させていただきました。もちろん僕自身で選んだ曲やシーンもあります。皆さんからたくさんのメッセージをいただいて、それを紹介させていただきつつ、過去のライブを振り返ることができる素敵な機会と時間をいただきました。

ライブについて「どう思っているんだろう?」とか僕が知りたかったことが皆さんからのメッセージを読んで知ることができたり、「狙っていた通りだぜ」とニヤリとしたり(笑)。「こういう感じ方をしてくれたんだ」という発見もあったし、「僕とみんなが感じていることって一緒なんだ」とわかった喜びもありました。

――現在に至るまでの「蒼井翔太の変遷」が各ライブを通して見られるのも貴重です。

蒼井:年輪や地層みたいに、1つひとつ違う層ができているけど、すべてが蒼井翔太を作り上げているパーツで、例え薄かったとしても重ねていくことが大事なんだなと改めて実感できました。

「蒼井翔太のライブの作り方」とは?

――ライブを作る時、コンセプトやセット、衣装などどのようにイメージされ、構築されるのでしょうか? 「蒼井翔太のライブの作り方」を教えてください。

蒼井:基本的にはその時々で僕がやりたいと思ったものを詰め込んでいくことを大切にしています。そして会議などでスタッフさんに僕のアイデアを説明する時、どれだけ想像させることができるか。しっかりイメージを共有できれば、全員一丸となってそのビジョンに向かって走っていけます。

僕とファンの皆さんの想いがシンクロしているところも大きいです。皆さんが今聴きたい曲や見たいライブを考えて、SNS等で書かれた皆さんの感想を見たり、スタッフさんからのアドバイスをいただいたり、みんなの意見を取り入れながらも、蒼井翔太が今やりたいことをいかに表現できるかが軸になっています。

――先ほどの写真撮影でもカメラマンさんと意見交換しているのを見て思いましたが、蒼井さんはどんなお仕事でも頭の中にちゃんとイメージがあって、それを言葉として伝えられるのが素晴らしいなと。まったく曖昧さがなくて。

蒼井:自分のアイデアを出す時はなるべく遠慮はしないようにしています。遠慮すればするほど、言葉が少なくなって、曖昧にしか伝わらないと思うので、最終的にどうなるにせよ、自分がしたいこととその理由はしっかり伝えたいです。

2022年に独立という大きな決断をして、新たな一歩を踏み出したので、言葉に出すことの責任を常に意識することで、周りの皆さんから信頼を得て、僕も皆さんを引っ張っていくことにつながっていくと思っています。今までと違って、僕が成長し、乗り越えなくてはいけない段階に来ているとも感じています。

 

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