目指したのは“80、90年代のハリウッドのアクション映画”!?　完全なファンタジーではない、ありそうな世界観！『THE MARGINAL SERVICE』監督・迫井政行さん＆シリーズ構成・猪原健太さん対談【連載1回】

近未来を舞台にしたワケとキャラクターデザインのポイントは？

――舞台が「澁宿」という渋谷と新宿を掛け合わせたような地名で、時代設定も近未来ですがその理由は？

迫井：近未来といっても現代とほとんど変わらないけど、今の世界とは何か違う、パラレル的な世界にしようと。元々、深いテーマを表現しようという意図はなくて、コメディ寄りで爽快なアクションを描けたらいいなと思っていましたが、作っていく中で、現代の世相ともつながるようなテーマも猪原さんが組み込んでくださったので、完全なファンタジーではなく、ありそうな世界観でやりたいなと。

昔の映画も身近なところに不思議な世界感があるのが好きだったので、リアルから逸脱しないところで表現しつつ、バカバカしいことをキャラクターたちが一生懸命やっている姿を見せられたらいいなと思っていたので、それはビジュアルを作る上でも意識しています。

――今問題になっているトピックスも取り上げられているところに身近さを感じました。

猪原：最近のハリウッドじゃないですけど、「分断」というテーマもあって、≪境界人≫という設定を作った以上はそういう部分にも触れたほうがいいかなと。またちゃんとしたSFにするとハードルが高くなるので、「IF」なのか「SF」なのかわからない意味で、202X年にしてほしいとお願いしました。

――またキャラクターデザインがいわゆる「洋モノ」っぽいところも作品のポップさにつながっているように思います。

迫井：洋モノっぽさを狙ったわけではなくて。むしろ日本的なさっぱりしたデザイン感ではあるけれど、例えばアニメでは目を大きく描くのが主流ですが、今回はリアル寄りのデザインになっていると思います。難しい要望ではありますが、キャラクターデザインの小堺（能夫）さんも意識してやってくれました。

いよいよ放送される第1話の見どころをご紹介！

――キャストの皆さんが「この作品は外画っぽい」と口をそろえられていて、実際こじゃれた掛け合いやテンポ感など、まさにそうだなと思いました。

迫井：キャストの皆さんに最初にそうしたいとお話したわけではないですが、皆さん百戦錬磨の方々なので、雰囲気をつかんでくださるだろうなと思っていました。特に第1話はミステリー、サスペンスから入るので、こちらも外画や海外ドラマを意識して演出していたし、キャストの皆さんもナチュラルな演技をしてくださっているのを感じました。

――ではこれから放送される第1話の見どころのご紹介をお願いします。

迫井：僕らがワクワクしながら見ていたころの映画のテイストを今風に表現してみました。僕と同じ世代の方に響いてもらえたら嬉しいですし、若い方にも漂う空気感や掛け合いのテンポ、雰囲気など楽しんでいただければと思います。

豪華なキャストの皆さんにその雰囲気で魅力的に演じていただきましたし、絵も頑張ってそれぞれのキャラの魅力をうまく表現できたかなと思っています。『THE MARGINAL SERVICE』のキャラクターたちのドラマや成長を、シリーズを通して楽しんでいただければ幸いです。

猪原：あまり深いことを考えず、勢いで作ったつもりです。あとネタバレになってしまいますが、1話に1回は爆破を入れています。大なり小なり必ず爆発するので楽しみにしていてください。

――そして、毎回どの映画のオマージュが入っているのかを探したり、発見する楽しさもありますよね。

猪原：そこに関しては思いつくままに入れさせてもらった感じなので、声を大にしては言いたくないです（笑）。オリジナル作品ということで、書いている僕もどうなっていくのかわかっていなくて。

物語が転がったというより、無理やり動かして最終話にたどり着きました。まずは第1話をご覧になっていただき、最後にどう着地したのかまで見届けてください。

『THE MARGINAL SERVICE』作品情報

2023年4月11日より毎週火曜25:29から日本テレビ他にて放送開始！

放送情報

日本テレビ：2023年4月11日より毎週火曜25:29～
サンテレビ：2023年4月11日より毎週火曜25:30～
KBS京都：2023年4月11日より毎週火曜25:30～
テレビ愛知：2023年4月11日より毎週火曜25:30～
BS日テレ：2023年4月12日より毎週水曜24:30～
TVQ九州放送：2023年4月15日より毎週土曜 6:30～
AT-X：2023年6月9日より毎週金曜20:00～
リピート放送毎週火曜 8:00～／毎週木曜 14:00～

※放送日時は予告なく変更となる場合がございます。

スタッフ

原案：ジャパン境界人対策室
監督：迫井政行
シリーズ構成：猪原健太
キャラクターデザイン・総作画監督：小堺能夫
美術デザイン・メカニカルデザイン：石口十
境界人デザイン：橋本浩一とだま。
デザインワークス：あきづきりょう
グラフィックアート：荒木宏文
美術監督：E-カエサル渡辺幸浩
色彩設定：小島真喜子（studio.road）
撮影監督：花井延昌（アニメフィルム）
編集：定松剛
音楽：瀬尾祐介（a.k.a Starving Trancer/Xceon）
音楽制作：ジラフキックスタジオ
音響監督：髙桑一
音響効果：稲田祐介
音響制作：dugout
アニメーション制作：Studio3Hz