春アニメ『女神のカフェテラス』幕澤桜花役・青木瑠璃子さんインタビュー【連載第3回】｜「序盤の桜花は“反抗期の娘”のように見えるかも」

白菊さんは……結婚したい

――ご自身が演じるキャラクターについてお聞きしましたが、他のキャラクターの印象についても教えてください。

青木：みんな方向性が違ってかわいいですよね。アフレコでいちばん一緒に録る機会があったのは秋水。面白いのはもちろん、分かりやすくてスッキリした性格で、原作を読んでいてもいちばん好きだなと思った子です。（月島）流星ちゃんは色々と苦労してきた子で、自分のことを犠牲にしがちなんですよね……。原作を読んだときはもっとギャルっぽいと思いましたが、声が付いたらより真面目さも感じられました。声が付いたことで、いちばん深みが出たと感じたキャラクターだと思います。（小野）白菊さんは……結婚したい。

――まさかの求婚！

青木：でも、それくらい一途でかわいいですし、お酒を飲むと豹変するところも含めて一緒にいたら楽しそうです。（鳳凰寺）紅葉さんにはコーヒーを美味しく淹れる方法を教えて欲しいです。私、コーヒーが好きなのですが、いい豆や、タイマーがちゃんと出る秤を買ってきて自分で淹れてもなぜかイマイチで。あんな美人さんに、ぜひ教えて欲しいです。

――アフレコ時の掛け合いはいかがでしたか？

青木：一堂に会しての収録は叶いませんでしたが、数人の主要キャストと掛け合うことはできたんです。難しかったのはアドリブ。漫画で、セリフはないけれど後ろでキャラクターたちが何かをやっているときがあるのですが、アニメでのそのシーンはアドリブでセリフを入れることが多くて。桜花はだいたい秋水に絡まれていて、よく分からないことを言われているんですよ。

――よく分からいこと？

青木：例えば、「衣装にこういうことを仕込めないか」と相談されて「ミサイルはつめられないでしょう？」と答えるとか（笑）。難しかったですが、事前にキャスト同士で打ち合わせをしてアフレコに臨めたこともあり、すごく楽しかったですね。一緒に録ることができてよかったです。

――その他、アフレコ現場ではどんなお話をしましたか？

青木：今回、和氣（あず未）さん以外の方とはあまり共演したことがなくて。どんな方々なのかなと思っていたのですが、それぞれ真剣に台本と向き合う時間が多く、芯の通った方が多いなと感じました。空き時間には色々な話をすることもできました。小さい規模の悩みなどをキャスト同士で話した記憶があります。

完成品がどういう風になるのか考えるようになった

――本作への出演は挑戦だったというお話がありましたが、青木さんは様々なアニメ・ゲーム作品に出演されています。経験を重ねていくなかで、役者として成長したなと感じる瞬間はありますか？

青木：完成品がどういう風になるのか考えるようになったのは、成長した点と言えるかもしれません。アフレコ中って、基本的には無音のなかでお芝居をしているんです。そこに聞こえてくる音は声だけではあるのですが、このシーンではどういう音楽が流れるのか、SEはどんな音が鳴るのかなどを考えながら演じるようになりました。

――昔は目の前の芝居にがむしゃらで、そこまで頭が回らなかった。

青木：そうですね。掛け合うことでの空気感はもちろんですが、そこに、どういう演出がプラスされて「アニメ」になるのかと考えるようになりました。正解がない世界なので、なかなか「ここが成長しました」というポイントを挙げるのは、難しいですね……！

――演じる度に学ぶことはあれども、現場単位で求められることは違いますもんね。

青木：そうなんです。大きいお芝居のほうがよかったり、逆に生っぽいほうがいいときもあったり。最近はマイクの性能によって、がっつり近くで当てにいったほうがいいのか、ちょっと離れてもいいのかという差があることを知りました。ほんとうに、日々勉強ですね。

でも、今こうやってお話していて、いちばん成長したと感じるのは昔の自分の芝居を聞いたときかもしれないと思いました。当時も色々と考えたうえで芝居はしていますが、「今だったらこうは演じないな」と思えるようになったんです。どっちがいいか悪いかという話ではなく、芝居を聞いて違う選択肢を選べるようになったのが、いちばんの変化かもしれません。

――10年近く演じていらっしゃるキャラクターもいますもんね。

青木：そういうキャラクターの場合、初期の頃と基本的には同じように芝居することが求められると思うんです。でも自分のなかでの芝居への向き合い方は変化していて。キャラクターも物語のなかで成長していくので、そこに私の成長を乗っけてもいいのか、それは違うのかということを考えることもあります。それが難しくもあり、面白くもあります。最近は何十年も同じキャラクターを演じ続けていらっしゃる役者さんのすごさを改めて痛感していますね。