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- 逆井マリ
- 神奈川県横浜市出身。音楽フリーペーパー編集部を経て、フリーのライターとしてインタビュー等の執筆を手掛ける。
――授業の際にも「もっと大きく」とおっしゃられているんですか?
中尾:うん、そうだね。
原:中尾さんに「パワー!」って言われたことを覚えています。今でも迷ったらパワー出してみるかって思います(笑)。「なんか出てくるかもしれない!」って。
中尾:ちょっとまずいこと教えたかもな(笑)。
米内:でも出さなきゃ見えないですから! 感情表現のレッスンで「あいうえお」に喜怒哀楽の感情を乗せて喋るものがあるんですけど、そこでもパワーですから。喜びを自分の最大限で表現するんです。マックスから弱くするのはいつでもできますが、一度限界を知っておかないと、自分がどこまでいけるのかわからないので。
中尾:今でもそのレッスンはやっているよ。鏡に向かって「あえいうえおあお」って発声練習するのと一緒に喜怒哀楽を表現する。その時は私が「喜び」「怒り」「悲しみ」ってその都度指示して、ひとりずつさせていて。
米内:僕も授業で教える立場になってからは真似させてもらっています。
原:受け継がれてる!
中尾:今はそれが少し進化して、クレッシェンドでやっている。そうすると、みんな声に限界があることがわかるんだよ。私はその先が見たいんだよ。
原:声ではない部分でどう工夫をするか、ということですね。
中尾:そういうこと。それをさせるとね、面白いんですよ。
米内:みんな大声は出るんですよね。その先かぁ。
原:きっと正解があると思っているんですけど、本当は無いんですよね。ただ、何かやれば何かが出てくるだけですよね。
中尾:その通り。
原:今ならわかります。でもあの頃は「正解を出さなきゃ……」って思ってました(笑)。
中尾:最近はまだまだあって、感情だけじゃなくて色でもやるの。赤って僕が言って、その人の赤い声を出してもらう。これも面白いよ〜。
遊びの中で、イメージトレーニングと心の開放をしてもらってるんだけど、みんないろんなことをやってくれるの。答えがないから見てて楽しいんだよ。紫、ピンクとかね。遊びだから良いんです。遊びの中でイメージを膨らませて、心も体も開放していく。
米内:新しい発見がありますよね。現場でも抽象的なディレクションがありますから、そういうオーダーにも対応できるようになるのではないでしょうか。
――授業を受けている側も楽しそうです。
米内:そう、楽しいんです。台本と向き合ってお芝居をするのも大事ですが、こうやって自分を開放したり、知らないものを自分で発見する授業は楽しいですよね。
中尾:私自身、そういうものが好きだから、いっぱいやっています。「シアターゲーム」(演技力向上・訓練のためのワーク)もやっていますし、子供の遊びが一番役者の勉強になるんですよ。「だるまさんがころんだ」もブレスの稽古で使っています。「だるまさんがころんだっ!」って言うと、みんなが止まるじゃないですか。集団で息を合わせる訓練にもなります。
私の持論ですけど、息を合わせることができれば、外すこともできるわけでしょ? それが芝居としての“間”の概念になっていくんだよね。「舞台の上で息を合わせる」とはよく言いますけど、もっと上手な人は客の息まで感じることができるんです。それが名優です。だからブレスが一番大切だって私は思っています。基本的なものの中でも、息が全て。
――息が全て……ハッとさせられました。
中尾:昔は、生徒たちと公園に行って「だるまさんがころんだやるぞ~!」とか言ってましたよ(笑)。外で大きい声出してね。最近はできませんけども。
原:今は怒られちゃいそうですね(笑)。
中尾:大人が何やってんだ!って。しかも誰よりも声が通りますし。でも遊びの中に訓練があるなと思っています。それを見つけるのが得意だったし、好きだったんです。こういう遊びでウォーミングアップしたあとに授業をやっていく。まずは身体を動かす、というのも大切だと思っています。
[インタビュー:逆井マリ 編集・撮影:鳥谷部 宏平]
開催日 8月20日(日) 8月27日(日) 9月3日(日)
場所 東京都渋谷区笹塚1-52-18 BOF5笹塚
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①2023年8月20日(日)
②2023年8月27日(日)
③2023年9月3日(日)
いずれも13時20分集合、13時30分~15時30分に体験レッスン、
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神奈川県横浜市出身。既婚、一児の母。音楽フリーペーパー編集部を経て、フリーのライターとしてインタビュー等の執筆を手掛ける。パンクからアニソン、2.5次元舞台、ゲーム、グルメ、教育まで、ジャンル問わず、自分の“好き”を必死に追いかけ中。はじめてのめり込んだアニメは『楽しいムーミン一家』。インタビューでリアルな心情や生き方を聞くことが好き。