幼少期に憧れた、本の中の魔法の世界と現実の間を描きたい。表現者・山下大輝の第二章に新たなページが加わる――配信シングル「シークエル」に閉じ込められた魔法の力

さわさんの描く世界は「色から感情が伝わってくる」

──「シークエル」は、“続編”、“後編”、“続き”などの意味を持っていますが、このタイトルは山下さんから？

山下：いや、これも常楽寺さんがつけてくれたものです。すごく良いタイトルだなと思いました。これはドンピシャだなと、むしろ変える余地がないなと思いました。始まりでもないし、終わりでもない。自分自身が諦めなければ続いていくんだよ、と。

──アートワークについても改めて教えてください。イラストはさわさんが手掛けています。

山下：もともとすごく可愛いラフデザインをいたただいていたんです。そこから少しだけ年齢を上げて、中学生くらいのイメージにしてもらいました。僕はもともとの絵も大好きだったんですけども、絵のままで受け取ってしまうと「小学生の物語なのかな」と思われてしまいそうだから、中学生くらいにしてもらって。本当に素敵な絵を描いていただきました。さわさんは魅力的な女の子を描くのが得意なイラストレーターさんなんですよね。

X（旧Twitter）を見てもらうと分かるのですが、色使いなども素敵で……色から感情が伝わってくる感じがするんですよね。しかもキレイなだけじゃなくてアーティスティックというか。色の使い方や、モノの配置の仕方がおしゃれなんですよね。だからこそ、この世界観にピッタリだなと思っていました。多感な学生の女の子のいろいろな浮き沈みのようなものを淡い色使いで、顔だけからは出ない表情のようなものを描いてくれるんじゃないかなと思って、さわさんにお願いしたところ、快くオッケーをしてくださって「やったぜ！」とガッツポーズでした。感動しました。

pic.twitter.com/ENe0YP3agi
— さわ (@sion_0d1m) August 14, 2023

──動画編集はお馴染みのえむめろさんが担当されています。

山下：相変わらず素晴らしいんです。クリエイターさんの力をよりよく伸ばすのが、非常にお上手な方です。イラスト1枚をさらに魅力的に引き伸ばす、卓越した技術を持っていて。さわさんのイラストを脳裏に焼き付けられるような動画にするのは、やっぱりえむめろさんだよなと。

──このイラストを見たときに、この子はどういう表情をしているのかなと気になって。

山下：そうなんですよね！　そこはぜひ想像してもらえたらなと。

──現在は9月9日(土) に開催されるバースデーイベント「Daiki Yamashita Birthday Event 2023 DAIKING Festa Vol.2」を控えている最中です。

山下：1stライブから近かったので、きっと「何をやるの？」って思われているんじゃないかなと。実際僕自身も「なにやるの？」って思っていたし（笑）。

1stライブが濃い密度でできて大満足だったから……バースデーイベントはよりコアなファンの方に向けた、内輪的なイベントになると思うんです。だから不特定多数の誰かに向けてというよりは、プライベートなゆったりした感じがメインになるのかなと。トークや朗読、ミニライブといった構成になる予定ですが……せっかく来て「いつも通り」というのは嫌だなと思って。

それで今年のテーマはキャンプにして、朗読も“キャンプの中での出来事”にしようと考えています。朗読の脚本は、僕が「この人の描く、不思議なテンポ感のユルいギャグが好きだな」という作家さんがいて、その方に脚本をお願いしました。

──差し支えなければ、お名前を伺っても？

山下：実は、家の裏でマンボウが死んでるPさんにお願いしたんです。タカハシヨウさんという名前でアーティスト活動もされています。あの世界観がぶっ飛んでいて好きだったんですよね。それで朗読の脚本をお願いしたら快く引き受けてくださって。面白い朗読になるだろうなと思っています。

ミニライブではアコースティック寄りの生バンドでお届けできればなと思っています。せっかく1stライブでバンドで届けたばかりですしね。それともうひとつのチャレンジとしては、イヤモニを使わず、みんなと同じ空気を感じながら歌いたいなと。

──先日のライブでも外されていましたよね。

山下：そうなんです。イヤモニはちょっと苦手なところがあって。みんなの声を、自分の声を……骨で感じたいというか。

──骨！（笑）　骨の髄まで、皆さんの声を感じたいと。

山下：そうです（笑）。だから外しがちなんですよ。どうなるかはまだわからないですけどね。超難しかったらどうしよう、なんて思ってますけど「やる」って言ったからにはやります。そのミニライブは、今までのライブよりも膨らませたくて。歌を記憶に残せるように、ちょっとしたカバーも1曲ずつ入れる予定です。

──今日のお話を聞いて、早くも次のライブに期待が高まりました。このファンタジーがシリーズとしてまとまった時に、ファンタジーだけのライブ、というのも見てみたいなと。

山下：それはいつかやってみたいなと思っています。リアルバンドライブと、ファンタジーライブ。バンドテイストが好きな人、物語テイストが好きな人が、それぞれ選べるような2つのライブをできるくらいになりたいなと思っていて。そのためにはもっと曲数を増やさなきゃなと考えているところです。

──ちなみに「シークエル」の物語は続くんですか？

山下：どうなんでしょうか。この子の中では目的を見定められたので、一旦はこれで終わりで良いのかなと思っています。どちらかと言うと「ヒトコキュウノ」のほうが膨らませられるのかなと。「ヒトコキュウノ」は、ものすごい過去、ものすごい未来が「実はここに繋がってた」などの展開ができるんじゃないかなと思っていて。いつかまた、Eddaさんと一緒に作りたいですね。

[取材・文／逆井マリ]

デジタルシングル「シークエル」

作詞：常楽寺澪
作曲：石黑剛、常楽寺澪
編曲：石黑剛
ジャケットイラスト：さわ

各音楽配信サービスにて配信中
https://a-sketch-inc.lnk.to/Daiki_Yamashita_Sequel

「シークエル」Music Video
https://youtu.be/S3ZaHjxVdGg

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