声優
朗読劇「Nのために」湊かなえ×本渡楓の対談が到着

朗読劇「Nのために」原作者・湊かなえ先生×杉下希美役・本渡楓さんによるスペシャル対談が到着

2023年10月14日(土)と15日(日)に上演される、湊かなえ先生の同名小説を原作とした朗読劇「Nのために」。

このたび、湊先生と主人公・杉下希美役の本渡楓さんによるスペシャル対談が到着しました。

また、プレゼントキャンペーンとチケット一般発売の情報も公開されています。

湊かなえ先生×本渡楓さんスペシャル対談

朗読劇「Nのために」に臨む心境

ーー小説やドラマでも人気を博した『Nのために』が、今回は朗読劇として生まれ変わります。公演を前にどのようなお気持ちですか?

湊:いろいろな物語の表現方法がある中で、朗読劇というものを、実はまだ想像できていないんです。演劇とも違うので、どのように感情を込めるのか、どんなふうに朗読するのか、想像がつかないから楽しみです。

朗読会は見せてもらったことはありますが、演者一人ずつがそれぞれの役を演じられて、ステージでパフォーマンスとして朗読をするという形式は初めてなので、全然想像できなくて。立って読むのか、座って読むのか、どんな風に向かい合うのか、目を見て会話するのか、それぞれが前を見て読むのか、全く未知の世界です。また新しい物語の一面を見せてもらえるんじゃないかなと期待しています。

ーー本渡さんは、普段お仕事で触れることの多いアニメ作品と、今回のような朗読劇で違うと感じる部分はありますか?

本渡:違いばっかりです。たとえば、テレビアニメに声を当てるというお仕事だと、まずアニメーションの画があって、それに合わせた時間でセリフを言ったりします。「このセリフは1秒で言わなきゃ」「ここは5秒で言うんだ」といった感じです。それに対して朗読劇はお客さんが受け取る情報が少ないといいますか、お客さんに委ねられるところが多いと思っています。

声と音楽と舞台の演出があって、そのような場で私たち声優陣ができることは、声で年齢や心情を表現したり、セリフとモノローグの違い、登場人物が発言している言葉と心の中で思っていることの違いを出せるかというのを考えながら演じています。朗読劇ってなまものなので、一度きりであって、ご一緒する役者さんたちとの掛け合いなどで毎回違ってくるのも楽しみの一つだなと思っています。

湊:モノローグとセリフを読み分けるということですが、特に『Nのために』は、登場人物それぞれが「あの時ああしていました」と本当のことを言わずに、誰かを守るために嘘をついているので、心の中で思っていることを表すモノローグと、嘘や隠し事が多いセリフを読み分けするのは大変ですか?本音と建前がパキッと分かれている部分をどんな風に表現されるのかなと思って。

本渡:台本を見た時に、モノローグの大切さが際立っていて、これはちゃんと分け切らないと成立しないなと思いました。まだ自分の中で緊張もありますが、今先生がおっしゃったような、モノローグと実際口に出して相手に伝えるセリフとの感情はほとんど逆なので、そこはそんなに難しくはないのかなと思いました。

嘘は嘘の気持ちで嘘を吐いて、それによって心の中で苦しんでいる様子は、素直に演じていけばそうなるのかなと思います。モノローグって、人にかける言葉ではないので、そこの距離感とか相手に向かっていない感じとかを表現していこうと思ってます。それにしても今回はモノローグが多いです(笑)

主人公・杉下希美(Nozomi sugishita)という人物

ーー物語は杉下希美の証言から始まり、ある意味この『Nのために』という物語への誘導役としても描かれています。お二人にとって、杉下希美という人物はとのような存在ですか?

湊:希美は、気持ちは外側に向いているけど、内には野心を秘めている人です。島を出たい、自分の可能性を試したいという熱い気持ちはあるけれど、だけど自分が第一じゃなくて、大切な人とか他人のためにその情熱を使ってる人が杉下希美です。

本渡:そうですね。朗読劇の台本も、先生の小説も、実写も見させていただいて、自分なりに希美像を作り上げている途中なのですが、ものすごく真面目な子といいますか。いろいろな経験の上でできた自分の目標や「こうありたい」というものがあって、意志は固いけど、それが自分の中でしがらみみたいになっているのかなって思ったりもして。とはいえ、物語の中ではいろんなシーンがあって、純粋に楽しんでいるシーンもあるんです。

なので、絶対にこう演じようというのは決めずに、そのシーンごとに希美ちゃんの気持ちに寄り添えたらいいのかなと。あとは、それぞれのキャラクターとの心のすれ違いとか、一方通行であったり、見て見ぬふりをする気持ちとか、そういうところを大事にしていこうかなと思います。

ーーご自身と杉下希美が似ている部分はありますか?

本渡:高みを目指したいところは希美と似ているのかもしれません。たとえば何か夢を持っている時に、「これには制限があるから君にはできない」と言われたとしても「いや、なんとしてもできる方法があるはずだ」と思うタイプですね。希美が窓清掃のリフトに乗ったみたいに、「重りをつければ50kg超えるじゃん」とか言うかも。自分がやりたいことをなかなか曲げられないという頑固なところはありますね。

湊:私は高いところが好きなので、希美と同じように窓拭きしたいと思うことがあって。大学生の時にアルバイトでビルの窓拭きの清掃会社に電話をして、「基本女性は取らないんだよね。50kgある?」「ないです」「じゃあダメだね」と言われて。

本渡:本当の話だったんですね!

湊:自分がやってみたかったことを希美に重ねてみたところはあります。他にも、私も瀬戸内海の島で生まれ育ったので、いつか島を出て行きたいなという気持ちもありましたし、そういう思いは希美と重なっているところが大きいです。

ーー他にもご自身のエピソードと物語が重なる部分はありますか?

湊:書く時は、希美がまずいて、周りにどんな人がいて、それぞれに対して誰を庇って誰に庇われているのかという関係性から考えていきました。なので、あまり他の登場人物に対して自分を重ねるところはなかったですね。

ただ、自分も大学生の時に古いアパートに住んでいて、同じアパートに住んでいた友達と、家にあるものを持ち寄って一緒に食べようということはよくありました。安藤の部屋にみんなで集まって、夜テレビをつけて思いがけない深夜番組とかを見ながらダラダラ話したりとか。そのようなシーンは自分の経験と重なっていたりするところはあります。

本渡:素敵ですね。

湊:自分が登場人物と同じくらいの年齢の時に一緒に過ごした人を思い描いて、自分だったら誰のことを守りたいかな、誰に助けて欲しいかな、誰なら本音を言えて秘密を共有できるかなとか、そういう感じで書きました。作品に触れる人にも、誰か別の人の物語ではなく、自分にとっての安藤は誰かとか、成瀬くんは誰かとか、同性異性構わずに、それぞれに特別な人がいたら幸せなんじゃないかなと。そんなふうに受け取ってもらえたらと思います。

本渡:声優って、人によって違うとは思いますが、自分の役の目線で物語を読むことが多いんです。今回でいうと、私は杉下希美ちゃんの視線で物語を見ていて。「この人はなんでこうしたんだろう」「あの人はなんでこうしてくれたんだろう」という感じで見てるんです。先生は、ゼロから物語を生み出していって、希美ちゃん以外の人のモノローグとかも書くじゃないですか。それは、どういう思考なんだろう、どうやって頭の中で切り替えができるんだろうと興味がありまして。

湊:そうですね。例えば、一人で全部のパートを演じる形式の朗読劇もありますよね。そうしたら、成瀬くんのセリフを読まれることもありますよね。そうすると、成瀬くんの目線になれますよね。そういうことです。

本渡:そういうことなんですね、納得しました。たしかに、過去に自分が全部の役をやるという時があったのですが、自分同士で喧嘩する時は気持ちが分かり合ってましたね。

湊:この人の時は今これが見えていて、この人のこれがこう見えていて、みたいな、その人の中に入る感じで書いてます。

本渡:それをずっと複数の作品でされているというのがすごいです。教えていただきありがとうございます。

物語としての『Nのために』の魅力、朗読劇に期待するもの

ーー様々な形で生まれ変わる『Nのために』という物語に人々が魅了される理由はなんだと思いますか?

湊:やっぱり登場人物の全員が自分のためじゃなく、誰かのために行動を起こしているところが皆さんに支持していただけるところなのかなと思います。もちろん頑張ってる人を応援したいこともあるけれど、他人のために頑張っているからこそすれ違いが生じてしまう。「ああ〜本当はこう思っているのに」という感じで。

あと、登場人物の全員が全体像を知らないという点です。希美から見た事件は、他の登場人物とは見え方が違う。それぞれが真相を知らないし、他の人がどう思っているかは知らないんです。だけど、読者や視聴者、お客様は全体像が見えるから、それらが見えた上で「がんばれ、がんばれ」と見えない部分でもがいている人を応援したくなるんだと思います。

本渡:たしかに、非常にこの作品ならではのもどかしさといいますか、「言うんだ!今言っちゃえ!」という気持ちを何度も抱きました。でも、相手のためを思って身を引く、まさに『Nのために』という思いがあるんですよね。その人はそれが幸せと信じてやっているんだと思えるんです。そして、最終的に時を経てそれぞれの道を歩んでいきますが、その時の流れの中で登場人物たちはどう過ごしていたんだろうとか、見ているこちら側が想像を膨らませることが多かったと思うんですよね。

例えば、「あれって結局誰がやったんだろう」とか「なんでああしたんだろう」とか、そこは物語が終わってからも、ずっと胸に残っていて、今も心の中でいい感じに重たく残ってます。「どう過ごしているんだろうな」とか、「幸せだといいな」とか、物語に触れた人たちに何かを残してくれることが、きっとこうしてずっとずっと魅了されている一つの理由なのかなと思います。

ーー最後に、朗読劇『Nのために』を楽しみにしている皆さんに向けてメッセージをお願いします

湊:小説は自分の解釈で読みますし、映像はセリフがあって演技もあるけどモノローグは聞こえなくて。だけど朗読劇は、モノローグとセリフがあるので、その内面の本音と相手に向けて発する言葉の違いを一番感じられるんじゃないかなと思っています。また新しい『Nのために』の解釈ができるかもしれないので、これまで『Nのために』にたくさん触れてくださっている方も、何か新しい感動があると思うので、ぜひ朗読劇にも触れていただきたいと思います。

本渡:これまで『Nのために』に触れてきた皆さんがどのような感想を持ってくれるんだろうというドキドキとワクワクがあります。ご一緒させていただく皆さんや先輩方も安心感しかありませんので、自分なりにたくさん読み込んで挑みたいと思います。

もし初めてこの物語に触れる方がいたとしても、「わあ、これもっといろんな形であるんだ、小説や実写もあるんだ」といろんな形に触れてもらって、それが自分の人生にどう影響するのか、自分は誰のために何かできるかなとか、いろんな形で皆さんの心に残る朗読劇になればいいなと思っています!

湊:今日のお話で、より楽しみになりましたね。

本渡:頑張ります!ありがとうございました!

湊かなえ:ヘアメイク :帆足雅子(プランセット)
本渡楓 :スタイリスト:MASAYA (PLY)/ヘアメイク :横山雷志郎(Yolken)

プレゼントキャンペーン情報

朗読劇「Nのために」上演決定記念!来場者限定プレゼントキャンペーン

『Nのために』著者:湊かなえ先生×杉下希美役キャストの直筆サイン入り台本がもらえるチャンス! ご来場された方の中から抽選で各公演1名様にプレゼントいたします。

【キャンペーン対象者】
下記4公演のうち1公演でもご来場いただいた方は対象となります。
10月14日(土) ①14:00 公演/②17:45 公演
10月15日(日) ③14:00 公演/④17:45 公演

【プレゼント内容】
◼︎10月14日(土) ①14:00 公演/②17:45 公演 にご来場いただいた方
湊かなえ先生 × 本渡 楓さん 直筆サイン入り台本 各公演1名様

◼︎10月15日(日) ③14:00 公演/④17:45 公演 にご来場いただいた方
湊かなえ先生 × 渡邉美穂さん 直筆サイン入り台本 各公演1名様

湊かなえ×本渡楓 対談記念!フォロー&リポストキャンペーン

『Nのために』著者:湊かなえ先生×杉下希美役の本渡楓さんの直筆サイン入り原作本がもらえるチャンス!

応募期間:9月29日(金)12:00〜10月6日(金)23:59 まで

応募方法
①公式 X アカウント(@Nnotameni_read)をフォロー
②該当する投稿をリポスト

◼︎プレゼント内容:湊かなえ先生×本渡楓さん 直筆サイン入り原作本3名様

朗読劇「Nのために」チケット情報

一般発売決定

一般チケット:8,900 円(税込/全席指定)

※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
※1公演につき、4枚までお申込みいただけます。

受付期間:9月30日(土)12:00~

チケットぴあ
イープラス
ローソンチケット

※チケットは先着販売となり、予定枚数に達し次第、受付終了となりますのでご了承ください。
※チケット一般発売は14日(土)昼の部・夜の部のみとなります。

機材解放席チケット発売決定

受付期間:9月30日(土)12:00~
受付はこちら

※機材解放席チケットの販売は、15日(日)昼の部・夜の部のみとなります。

配信チケット発売決定

配信チケット券売期間:9月30日(土)12:00~10月22日(日)18:00

◼︎配信チケット種類
1)2公演プレミアムチケット:7,200 円(税込)
※こちらの組み合わせからお選びいただく、2公演が視聴可能
①10月14日(土)昼の部・夜の部
②10月15日(日)昼の部・夜の部
③10月14日(土)昼の部・10月15日(日)昼の部
④10月14日(土)夜の部・10月15日(日)夜の部

2)シングルチケット:3,800 円(税込)
※10月14日(土)昼の部・夜の部、または 10月15日(日)昼の部・夜の部のうち、1公演が視聴可能

配信チケット販売
チケットぴあ
イープラス
楽天チケット
mahocast

視聴プラットフォーム:mahocast

朗読劇「Nのために」公演概要

イントロダクション

超高層マンションで起きた夫婦殺人事件。
現場に居合わせた4人の証言者。
全員の共通点はイニシャル「N」。
それぞれが語る「N」の正体がわかる時、究極の“愛”が明らかになるー。

『告白』『母性』など話題のミステリー小説を世に送り続ける作家・湊かなえ渾身の純愛ミステリー『N のために』。殺人事件を発端に「N」のイニシャルをめぐる4人の若者たちの証言が誘う想像を超えた結末は、読者に切ない感動をもたらし、たちまち大きな話題となりました。2010年の発行から累計発行部数100万部を超え、2014年には超豪華キャストでテレビドラマ化。その勢いは社会現象になったと言っても過言ではありません。

今なお、色褪せることのない珠玉の名作ミステリーが<朗読劇>という新たなエンターテインメントの形に生まれ変わります。杉下希美(Nozomi sugishita)、成瀬慎司(shinji Naruse)、安藤望(Nozomi ando)、西崎真人(masato Nishizaki)、野口貴弘(takahiro Noguchi)、野口奈央子(Naoko noguchi)ら N のイニシャルがつく登場人物6名を、アニメや舞台、ドラマなど様々な場所で活躍する 12 名の超豪華キャストが演じ、ピアノの生演奏が物語を彩ります。

超高層マンションに住む夫婦はなぜ、殺されたのか。そしてそれぞれが語る「N」の正体とは一体誰なのかー。

声と音楽が舞台で紡ぐ新たな『Nのために』に、是非ご期待ください。

ストーリー

超高層マンションの一室で、そこに住む野口貴弘・奈央子夫妻の変死体が発見された。現場に居合わせたのは20代の4人の男女、杉下希美、成瀬慎司、安藤望、西崎真人。全員の共通点はイニシャル「N」。それぞれの証言は驚くべき真実を明らかにしていく。「N」の正体がわかる時、究極の“愛”が明らかになるー。

公演日程

2023年10月14日(土)
【昼の部】開場:13:15 開演:14:00
【夜の部】開場:17:00 開演:17:45

2023年10月15日(日)
【昼の部】開場:13:15 開演:14:00
【夜の部】開場:17:00 開演:17:45

※公演日時・出演者は変更となる場合がございます。

会場

山野ホール(〒151-8539 東京都渋谷区代々木 1-53-1)
会場HP

出演キャスト ※出演者は変更になる可能性がございます

<10月14日(土)>
杉下希美(Nozomi sugishita):本渡 楓
成瀬慎司(shinji Naruse):島﨑信長
安藤 望(Nozomi ando):仲村宗悟
西崎真人(masato Nishizaki):寺島惇太
野口貴弘(takahiro Noguchi):岸尾だいすけ
野口奈央子(Naoko noguchi):内田 彩

<10月15日(日)>
杉下希美(Nozomi sugishita):渡邉美穂
成瀬慎司(shinji Naruse):安井謙太郎
安藤 望(Nozomi ando):小野塚勇人
西崎真人(masato Nishizaki):西山 潤
野口貴弘(takahiro Noguchi):板倉俊之
野口奈央子(Naoko noguchi):平野 綾

【演奏者】 松村湧太 ※両日出演

チケット料金

一般チケット:8,900 円(税込/全席指定)

※未就学児のご入場はご遠慮いただいております。
※1公演につき、4枚までお申込みいただけます。

公式サイト
公式Twitter(@Nnotameni_read)

(C)湊かなえ・双葉社/エイベックス・ピクチャーズ株式会社

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