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『はめつのおうこく』リレーインタビュー第4回:遠野ひかる

秋アニメ『はめつのおうこく』リレーインタビュー第4回:ユキ役:遠野ひかるさん│ユキの魅力は、自分の正義に向かって一直線に突き進んでいける強さ

10月よりTVアニメの放送がスタートした『はめつのおうこく』。アニメイトタイムズでは、作品の魅力に迫る出演声優のリレーインタビューを実施しています。

リレーインタビュー第4回は、リディア帝国保安局副局長・ユキを演じる遠野ひかるさんが登場。リディア帝国を蹂躙するアドニスを食い止めるため、決死の覚悟で魔法光子抑制装置を起動させたユキ。その代償として重い病に冒されてしまいました。

遠野さんは、帝国のため、兄のためにまっすぐ行動するユキをどのように捉え、どのようなアプローチで演じようとしたのか。ヤマトとの関係性と合わせて、たっぷり伺いました。

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はめつのおうこく
人類に知恵と安寧をもたらした存在――“魔女”。しかし、リディア帝国の“超産業革命(ギア・エクスパンション)”は魔法を凌駕する科学文明を生み出し、魔女は進歩を阻害する“敵”と見做されてしまう。かくして“魔女狩り”が始まった。魔女クロエに育てられた人間アドニスは最愛の師を奪われ、同族である人類への復讐を誓う。絶望を糧にした修羅は、殺戮の果てにいかなる“救い”を見いだすのか――。作品名はめつのおうこく放送形態TVアニメスケジュール2023年10月6日(金)~2023年12月22日(金)TBSほか話数全12話キャストアドニス:石川界人ドロカ:和氣あず未クロエ:白石涼子ヤマト:日野聡ユキ:遠野ひかるシロウサギ:谷山紀章スタッフ原作:yoruhashi(マッグガーデン「月刊コミックガーデン」「MAGCOMI」連載)監督:元永慶太郎シリーズ構成:鴻野貴光キャラクターデザイン:加藤裕美プロップデザイン:村山章子銃器デザイン:松田未来美術監督:栫ヒロツグ(鹿児島ラメカヒリム)美術設定:山口大悟郎(鹿児島ラメカヒリム) 三浦智(鹿児島ラメカヒリム)色彩設計:松山愛子(颱風グラフィックス)2Dワークス:矢崎宏幸CG監督:遠藤誠(トライスラッシュ)撮影監督:今泉秀樹(颱風グラフィックス)編集:木村祥...

副局長として、少女としての面が両立するユキ

――『はめつのおうこく』の原作をご覧になって、どんな第一印象をお持ちになりましたか?

遠野ひかる(以下、遠野):ただただ胸が苦しくなりました。目を覆いたくなる残酷なシーンがリアルに描かれているのもありますが、物語をどこから見るかによって捉え方や見え方が大きく変わるんです。どの立場のキャラクターにも言い分があり、一人一人に心を寄せることができるので、どこに目を向ければいいのか物語が進むたびに考えさせられ、感情がせわしなく動いていました。

――人間にも魔女にも理解できるところと信じきれない部分がありますよね。

遠野:そうなんです。正しいと思うところ、愚かだと感じるところが両者にあって、読んでいてずっと胸がざわざわしていました。

――遠野さん演じるユキは、人間側の人物です。どんなキャラクターだと思いましたか?

遠野:ユキは若くして保安局の副局長を務める、しっかり者でまっすぐな女の子です。兄さま(ヤマト)にしっかりついていく実力もあれば、兄さまを心から尊敬する少女の面もあって、そのバランスが面白いなと思いました。副局長としての面と少女としての面が両立するのは、残酷な世界で世の動きや大人たちに巻き込まれてきたからだと思いますが、その本心を突きつめていけば、「人々のため」に辿り着くのかなと思います。

――ビジュアルもかわいらしさとキリッとした部分の両方が感じられますよね。

遠野:そうなんです。ピンクのロングストレートに、兄さま譲りの太い眉毛、さらに赤丸ほっぺが乗っていて、本当に特徴的でかわいらしいデザインだなと思いました。デザイン面でいうと、あのテロンテロンの袖も好きです。国のために努めよう、しっかりしようという気持ちが制服から垣間見えると同時に、なんとなく背伸びしているようにも感じられて、すごくユキらしいなと感じました。でも、なんといっても一番の魅力は、自分の正義に向かって一直線に突き進んでいける強さですね。

――アフレコはどのようなアプローチで臨まれたんですか?

遠野:ドロカの表情がころころ変わるように、ユキもよくデフォルメされた表情を見せるんですが、シリアスな物語なので真面目な一面を強調して臨もうと思ったんです。でも、兄さまに甘えたところや等身大の不安感が少し強めに出てしまったみたいで。テスト(リハーサル)のあとに「もう少し“妹である!”という意志が見えたほうがいいです」と音響監督さんからアドバイスをいただきました。

確かに、ユキは世の動きに巻き込まれた少女です。でも、兄さまを心から信じているので、「どうしよう」という迷いや不安はないんです。アドバイスを参考にして、少女としての揺れ動きよりも、兄さまのために、正義のために突き進むんだという意志を前面に出すようにしました。

――第3話では、その強い意志が感じられました。

遠野:ここまで兄さまを信じて不安を見せずに突き進んできたユキが、魔法光子抑制装置に向かっていくときに初めて涙を見せました。自分ができることはこれしかない、危機を前にして病気だとか悠長なことはいっていられない。少女が抱えるにはあまり大きすぎるものを背負いながら、追い込まれていくのを見るのはとてもつらかったです。

――装置が与える影響をわかったうえで、それでもユキは起動しようとしましたね。

遠野:兄さまの「そちらは任せる」がユキにとっての答えだったんだと思います。きっと心の中でいろいろなせめぎ合いがあったと思うんです。でも、私の信じる道はこれだと。「兄さまは正しい」と刻まれているので、装置の影響を知って苦しそうにしても、その意志だけはブレないように演じました。

――その前のシーンではヤマトとの過去を回想していましたね。

遠野:ユキの回想もすごく好きです! ユキや兄さまにも当たり前の日常があり、守りたいものがある。この時点だとどうしてもアドニスや魔女側に肩入れしそうになりますが、ユキたちにもちゃんと地に足をつけた世界があると伝わっていたら嬉しいです。

――ユキやヤマトからすれば、その幸せな日常が危機に瀕していたわけですからね。

遠野:そうなんです。帝国の人にも大切な家族がいて、一緒に過ごしたかけがえのない時間がある。ユキたちからすればそれが脅かされているわけなので、やっぱり守らなきゃとなりますよね。本当に、何が正しいのかを問われるかような気持ちになりました。

――ユキの回想シーンは映像も面白かったです。

遠野:ハチマキして勉強したり、ランニングをしたりと、二人の私生活をもっと知りたくなりました(笑)。どこかでユキと兄さまの幸せなスピンオフをやってほしいです!

――遠野さんからご覧になったヤマトの印象はいかがですか?

遠野:兄さまの印象は、「どっしりと冷静に構えていて決して相手に隙を見せない人」ですね。それでいて余裕があるので、より存在が大きく感じられました。ヤマト役の日野(聡)さんとアフレコできたことで、そのお芝居から「これがユキのついていく大きな背中なんだな……」って感じられたのもよかったです。保安局局長としての圧を感じて、はっとさせられました。

(C)2023 yoruhashi/マッグガーデン・「はめつのおうこく」製作委員会
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