映画
『青ブタ』原作者・鴨志田一が『ランドセルガール』の物語で表現したこと/インタビュー

『青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない』原作・鴨志田一先生インタビュー|「相手との関係値で自分の立ち位置が決まっていくという立体感が『青ブタ』で描きたいことのひとつ」

この作品はなるべく地に足のついたものにしたかった

――楽しみにしております。咲太たちの両親が描かれることはこれまでほとんどなかったかと思いますが、ふたりのキャラクターを作っていく際のお話をお聞かせください、

鴨志田:やたら頑固であったり厳しかったり、妙にベタベタしてくるとか、そういうキャラクター性をなるべく排除して、どこにでもいるお父さん・お母さんになるよう意識しました。そうすることで咲太がお父さんと会っている時は息子に戻れるし、お母さんに会いに行くときは当たり前過ぎてすれ違ってしまう。そんな普通さを一番大事にしています。

――主人公の親の人柄や家庭環境が少なからず描かれることは意外でした。

鴨志田:作り手側の勝手な都合ではあるのですが、彼女を家に連れてくるにも苦労があるので、物語を進める上で親って邪魔になってしまうんですよね(笑)。

一同:(笑)。

鴨志田:ですが、この作品はなるべく地に足のついたものにしたかったんです。味付けとしてキャラクター性を出すことはありますが、根っこでは両親がいて自分が存在しているという当たり前があった上で物語を描いています。『青ブタ』という作品が始まったから生まれた訳ではなくて、あの世界の中でおぎゃあと生まれて16、7年生きてきて物語が始まっていることを大事にしたかったんです。

――子を持つ親世代の方にも刺さる要素になりそうだなと思いました。そういった方にも楽しんでもらいたい気持ちもあるのでしょうか?

鴨志田:そうだったら良いなと思いつつ難しいことだと理解していたのですが、『おでかけシスター』公開直後のサイン会の際に、既に「息子と一緒に見てます」「娘が受験なのでハマっちゃいました」「お父さんと見に行きました」みたいな方がおられたんです。

意外と家族でご覧になってくれている方もいらっしゃって。その家では“青春ブタ野郎”という単語が当たり前になっているのだと思うと嬉しいです。全国各地でそうなってくれたら良いなと思います。

――素敵なお話をありがとうございます。これまでアニメ『青ブタ』を彩ってきたED主題歌「不可思議のカルテ」について、鴨志田先生の印象も伺いたいです。

鴨志田:あの曲は凄く不思議ですし、似ている曲に出会ったことがないといいますか。TVシリーズの時は各エピソードのヒロインが歌う形で、歌い手が変わるとまた印象が変わる。それでいて明るいような暗いような不思議な感じがあるので、思春期症候群と非常にマッチしていると思います。

なんて素晴らしい曲を作ってくれたのかと感謝していますし、僕はあの曲が裏にずっと流れているテーマだという印象があります。「この曲が流れると『青ブタ』だな」っていう気持ちになりますので、ファンのみなさんもきっとそうなんだろうなと。

 

――ありがとうございます。最後に公開を楽しみにされているファンのみなさんへメッセージをお願いします。

鴨志田:TVシリーズから数えると長い時間が流れましたが、『ランドセルガール』をもってアニメ『青春ブタ野郎』シリーズの高校生編は完結となります。ぜひ咲太の行く末を見届けてください!

 

作品情報

「青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない」

12月1日(金)より全国の劇場にて絶賛上映中

「ランドセルガール」公式サイト
アニメ「青春ブタ野郎」シリーズ ポータルサイト
公式ツイッター(@aobuta_anime)

「おでかけシスター」Introduction

心揺れる少女たちとの切なくも瑞々しい思春期ファンタジー

原作は累計発行部数250万部を超える鴨志田 一の人気小説“青春ブタ野郎”シリーズ。
2018年にはTVアニメ「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」、劇場版「青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない」が公開。

可愛くて、切ない不可思議な物語が大きな反響を呼びました。
そして今、空と海に囲まれた街“藤沢”を舞台に新たな“思春期ファンタジー” が描かれます。

監督・増井壮一、脚本・横谷昌宏、キャラクターデザイン・田村里美、制作・CloverWorks、前作のスタッフが再集結し、かけがえのない“当たり前”が詰まった物語が幕を開けます。

「ランドセルガール」Introduction

青ブタ《高校生編》完結の物語

原作は累計発行部数250万部を超える鴨志田 一の人気小説“青春ブタ野郎”シリーズ。2018年にはTVアニメ「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」、劇場アニメ「青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない」が公開。可愛くて、切ない不可思議な物語が大きな反響を呼びました。

そして今、空と海に囲まれた街“藤沢”を舞台に新たな“思春期ファンタジー”が描かれます。

監督・増井壮一、脚本・横谷昌宏、キャラクターデザイン・田村里美、制作・CloverWorks、前作のスタッフが再集結し、かけがえのない“当たり前”が詰まった物語が幕を開けます。

Prologue

■『青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない』6.23公開
高校二年生の三学期を迎えた梓川咲太。
三年生の先輩であり恋人の桜島麻衣と、峰ヶ原高校で一緒に過ごせる学生生活も残り僅かとなった。
そんななか、長年おうち大好きだった妹の花楓は、誰にも明かしたことのない胸の内を咲太に打ち明ける。
「お兄ちゃんが行ってる高校に行きたい」
それは花楓にとって大きな決意。
極めて難しい選択と知りながらも、咲太は優しく花楓の背中を押すことを決める。
『かえで』から『花楓』へ託された想い。二人で踏み出す未来への物語。

■『青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない』12.1公開
三月に入り、三学期も残り1ヶ月。恋人の桜島麻衣の卒業式を迎えた梓川咲太。

七里ヶ浜の海岸で麻衣を待っていると、彼の目の前に子役時代の麻衣にそっくりな小学生が現れる―。

「おじさん、だぁれ?」

これは夢か幻か、不可思議な体験を思い返していた咲太のところに父親から電話がかかってくる。

「母さんのことなんだが、花楓に会いたいと言っててな」

それは、花楓に起きた出来事を受け止めきれず、長いこと入院していた母親から届いた「会いたい」という願い。

母の願いに応え、花楓と共に母親と会うことを決めるも久しぶりの対面の機会に緊張を隠し切れない。

そんな咲太の体には見慣れない傷跡が現れる。これは新たな思春期症候群の前触れか―。

Staff

原作 鴨志田 一(電撃文庫刊「『青春ブタ野郎』シリーズ」)
原作イラスト:溝口ケージ
監督 増井壮一
構成・脚本:横谷昌宏
キャラクターデザイン:田村里美
総作画監督:田村里美 大磯夏海
プロップデザイン:道下康太
美術設定:塩澤良憲
美術監督:大久保 聡
色彩設計:横田明日香
3Dディレクター 織田健吾:田中葉月
2Dワークス・特殊効果:内海紗耶
撮影監督:楊 暁牧
編集:三嶋章紀
音響監督:岩浪美和
音楽:fox capture plan
制作:CloverWorks
製作:青ブタ Project

「おでかけシスター」Cast

梓川咲太:石川界人
桜島麻衣:瀬戸麻沙美
梓川花楓:久保ユリカ
古賀朋絵:東山奈央
双葉理央:種﨑敦美
豊浜のどか:内田真礼
広川卯月:雨宮 天

「ランドセルガール」Cast

梓川咲太:石川界人
桜島麻衣:瀬戸麻沙美
梓川花楓:久保ユリカ
古賀朋絵:東山奈央
双葉理央:種﨑敦美
豊浜のどか:内田真礼
牧之原翔子:水瀬いのり

原作情報

原作小説"青春ブタ野郎"シリーズが累計発行部数250万部を突破!
待望の最新第13弾『青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない』が発売中!

電撃文庫刊「『青春ブタ野郎』シリーズ」著/鴨志田 一 イラスト/溝口ケージ
第1弾 青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない
第2弾 青春ブタ野郎はプチデビル後輩の夢を見ない
第3弾 青春ブタ野郎はロジカルウィッチの夢を見ない
第4弾 青春ブタ野郎はシスコンアイドルの夢を見ない
第5弾 青春ブタ野郎はおるすばん妹の夢を見ない
第6弾 青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない
第7弾 青春ブタ野郎はハツコイ少女の夢を見ない
第8弾 青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない
第9弾 青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない
第10弾 青春ブタ野郎は迷えるシンガーの夢を見ない
第11弾 青春ブタ野郎はナイチンゲールの夢を見ない
第12弾 青春ブタ野郎はマイスチューデントの夢を見ない
第13弾 青春ブタ野郎はサンタクロースの夢を見ない

「青春ブタ野郎」シリーズ特設サイト

 

拗らせ系アニメ・ゲームオタクのライター。ガンダムシリーズをはじめとするロボットアニメやTYPE-MOONを主に追いかけている。そして、10代からゲームセンター通いを続ける「機動戦士ガンダム vs.シリーズ」おじ勢。 ライトノベル原作や美少女ゲーム、格闘ゲームなども大好物。最近だと『ダイの大冒険』、『うたわれるもの』、劇場版『G-レコ』、劇場版『ピンドラ』がイチオシです。

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胃の上心臓
拗らせ系アニメ・ゲームオタクのライター。ロボットアニメ作品やTYPE-MOONの作品を主に追いかけている。

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(C)2022 鴨志田 一/KADOKAWA/青ブタ Project
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