作品を通して実感した、声優業のクリエイティブな一面――最終回を迎えた『おでかけ子ザメ』を花澤香菜さんが振り返る【インタビュー後編】
かわいい子ザメちゃんが町内を散歩、小冒険するほっこり癒し系アニメ『おでかけ子ザメ』(原作:ペンギンボックス)の、最終回がついに今夜配信。
アニメイトタイムズでは複数回にわたってお話を伺ってきましたが、最終回の配信を記念して、全60話にわたり子ザメちゃんを演じてきた花澤香菜さんに再びインタビュー。後編となる今回は、全60話から印象的なエピソードを挙げていただきつつ、改めて子ザメちゃんの魅力を語っていただきました。
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全話の中で花澤さんのお気に入りエピソードは?
――全話の中でお気に入りのお話を教えてください。
子ザメちゃん役・花澤香菜さん(以下、花澤):映像を見返してきましたが、どのお話も良くて選ぶのが難しいので、思い浮かんだものからお話していきますね(笑)。まず第29話「冬のベーカリー」は、子ザメちゃんとパンという私が大好きなもの同士の組み合わせで、かわいいが詰まりすぎているので、イチオシです。
――あのお話は花澤さんがパン好きだから作られたエピソードですか?
花澤:ちゃんと原作にあるお話です。子ザメちゃんがパンを食べていたらかわいいだろうなと(ペンギンボックス)先生も思ったんでしょうね。私にとってはご褒美回みたいなもので、ただただ嬉しかったんです(笑)。
オーディションの原稿にあった印象的なお話は、第13話の「大公園」で、大きな滑り台をスベリ終わった瞬間にポワッとした表情でしゃべっているんですけど、ただかわいいだけではなく、おもしろ要素でもあるので、「どうやったら笑わせられるかな」と考えながらオーディションしたことをアフレコの時に思い出しました。
それと滑り台の背中に当たる部分がローラー式になっていて、最初は普通に録ったんですけど、子ザメちゃんは小さいからすごく揺れるんじゃないかと思って、「録り直していいですか」とお願いして、ちょっと声帯を揺らしながらやってみたら、それが採用されたので嬉しかったです。
あと第3話の「冷やしパイン」も好きで、出店のお兄さんに「じゃんけんで勝ったら、おまけでもう一本プレゼント」と言われて、じゃんけんするけど、子ザメちゃんが何を出したのかお兄さんがわからなくて、結局もう一本おまけしてくれて。かわいくて、何とも言えないおもしろさがあって、もらった子ザメちゃんのキラキラした瞳が印象的でした。
それと、かえるちゃんと、とかげちゃんが冬眠してしまうお話で(第19話「春になったら-前編-」、第20話「春になったら-後編-」)、全話を通してあの2話だけしんみりしていて、しかも前編の後、「この後、どうなるんだろう?」と気になるような構成になっていて、こういう見せ方もあるんだと思いました。