10周年は通過点！　MADKIDはもっと成り上がっていくーーFLOW、仲村宗悟さんを迎えた「Future Notes Fes -ANNIVERSARY SPECIAL-」レポート

仲村宗悟さんは会場をファンキーな空間に

2番手に登場したのは仲村宗悟さん。最初の「Oh No!!」はファンキーなナンバーで、歌いながら頭を打ち抜いたり、天井を眺めたりと様々な仕草を見せながら軽快に歌い踊る。「皆さんの声、聞かせてよ」とサビフレーズの歌唱をオーダーする場面も。

歌い終わり、「いい熱気だね」と気持ち良さそうに話し始めると、最前列の男性が仲村さんを初めて見たと知って、「これからも来てくれるね」と問いかけると、うなずく男性とすかさず握手。MADKIDとの出会いは「アニサマ2023」だったと明かし、「共通のスタイリストから『いい子たちだから絶対に友達になれるよ』と話を聞いてて。そして『アニサマ』で最初から友達みたいにMADKIDの楽屋に入っていって、『おしゃべりしようよ』って（笑）。10年も続けられるって最高だね」。またFLOWについても「めっちゃ聴いてたし、高校の文化祭でも歌ってたからね！」と興奮気味に話した。

そして歪んだギターの音色にのって、「WINNER」と曲紹介して、「クラップちょうだい！」。ファンキッシュなミディアムナンバーで、ファルセットなど使いながら華麗に歌う。サビメロは「一緒に歌って」と要求して、会場の歌声を、両腕を広げて浴びると、「最高だね」。バラードナンバーの「オブラート」ではピンスポットに照らされながらギターの演奏のみで歌い、2コーラス目からはバンドサウンドに。「らららら」の会場の合唱も加わって、しっとりした空気が会場中に漂う。

MCコーナーになると「3日前に腰をやっちゃって。ついさっきまで痛かったけど、MADKIDとFLOWのおかげだよね。ステージに上がったら痛くなくなっちゃった」と話す仲村さん。ここまで腰痛を感じさせないパフォーマンスだったからビックリ。加えて、「バチバチの対バンに呼んでもらえるありがたさ。今年は対バンをたくさん行うので、よろしく！」と呼びかけた。

仲村さんが「奇跡だ」と曲名を叫んで、「クラップしようか」と言うと、前曲のふんわりした空気から一転、アップテンポなナンバーで熱気を取り戻す。歌いながら下手から上手に移動して「来てくれてありがとね。出会えてよかった」。アウトロになり、バックライトの中で輝く笑顔が素敵。

「それじゃラストの曲行こうか」と「JUMP」のイントロ。自然とお客さんの腕と「オイ！　オイ！」の声が上がると仲村さんは嬉しそうな表情を見せる。サビ前になると「跳べ！」。そしてラストの「まだまだその先へJUMPしようぜ」では、両足を広げて大きくジャンプ。全曲歌い終わると「MADKID、後は頼んだ。サンキュー！」とさわやかにステージを去っていった。

トリのMADKIDはアップダウンの激しいセットリストで会場を揺さぶる

トリを務めるのは、もちろんMADKID。出囃子と共に、YOU-TAさん、LINさん、SHINさん、KAƵUKIさん、YUKIさんが次々と登壇。衣装はACDCのTシャツやボーダーシャツなどそれぞれ違うが、全員の背中には「FUTURE NOTES FES」の文字が。そのまま「V」字編成で並んでから1曲目の「SIN」へ。初っ端から激しいビートとダンスが炸裂。5人の音色や高低が違う個性的な歌声が響き、LINさんのラウドなラップでは場内から歓声が上がった。

2コーラス目のDメロ前、斜めに並んでからYOU-TAさんのボーカルソロから客席のシンガロング。音源よりも荒々しいボーカルはまさにライブならでは。YUKIさんが「まだまだいけんだろ！」と叫んで「Critical Point」へ。更に激しいダンスロックからKAƵUKIさんの高音パートになると、空気が一瞬変わる。5人が円状に並んで渦巻きのように回りながら、LINさんのラップという演出もカッコイイ。5人が複雑なステップを見せながらエネルギッシュに歌うのも迫力満点だ。

MCゾーンに入り、SHINさんが「たくさんの方がお祝いに来てくれてうれしいです。ありがとうございます」とお礼を述べた後、メンバーを見ながら「よく10年やってきましたよ。俺は途中から入ったけど、続けてくれてありがとう。そしてアクセル（MADKIDファンの呼称）のみんなもありがとう」。KAƵUKIさんは「活動歴としては仲村さんとは同じくらいで、FLOWさんに至っては20周年ってすごいね。俺たちが歩んだ道をもう1回やってるなんてすごい」。

YOU-TAさんも「FLOWさんと対談させていただいた時、KOHSHIさんが『続けることが一番大切だ。そして難しい』とおっしゃっていて。俺たちは一度も解散を口にしたことはないし、これからも解散する気がないんでよろしくお願いします！」。

次に歌う「ふたつのことば」はMADKIDとして珍しいミディアム調のさわやかなナンバーで、KAƵUKIさんのやわらかい歌声に合わせて、振りもなめらかに。2コーラス目のLINさんのラップパートも語りかけるような優しい歌い方から高音へ。全体的に高音パートが多かったり、追っかけパートもあったりと、歌声のハーモニーの美しさも感じられる。

ほっこりしながら見ていると、LINさんがYOU-TAさんにちょっかいを出している仕草を発見。これは振り付け、それともアドリブ？　アウトロできれいな円を描いた。次は急にアップテンポになり「FLY」を歌い始める。力強く歌ったり、LINさんのデスボイス風のラップがあったり、MADKIDらしい猛々しさやトガッた部分はありながら、曲名のように広がりを感じさせる。