また違う「ライオン」に今日出会えたような気がしています──「ANIMAX MUSIX 2024 SPRING」で『マクロスF』の名曲「ライオン」をサプライズで届けた、その瞬間の熱量の高さ。終演直後のMay'n×中島愛にインタビュー

戦友であり、友だちであり。先輩・後輩でもあり？

──お互いを尊重し合っていた今日のステージにぴったりな言葉ですね。改めて、おふたりにとってお互いの存在がどのようなものなのか、言葉にしていただいてもいいでしょうか。

May'n：そうですね……。『マクロスF』の最初の放送が2008年なので、15年以上一緒にいるんです。私は唯一の戦友だと思っています。もちろんお友だちではあるんだけれども、私はそういう簡単な言葉で表現したくないというか。

『マクロスF』という偉大な作品で私たちはキャリアをスタートさせて、共にこの15年以上、ずっと一緒に音楽を続けている仲間であり、お互いを刺激し合うというか。「愛ちゃんが走ってるから、私もまだまだ走ろう」って思えるんです。別にそれを言い合うわけではありませんが、自然とそう思わせてくれるというか。そして、いつまでも皆さんが愛してくれている曲を歌わせてもらえているという、その使命感をきっと同じように覚えている。

私が自分の音楽人生に対して、『マクロスF』に対して思っている全てのことを分かりあえる人は、唯一、愛ちゃんだと思っています。

中島：全部、先輩のおっしゃる通りです。

May'n：あはははは！　たまにこうやって「先輩」って言うんですよ！

──中島さんにとってMay'nさんは先輩であり、部長でもあり（笑）。

中島：本当にそうです！　May'nちゃんの作るライブに絶大なる信頼を置いています。いつも自分の前を走っていて、永遠に背中を見続けたい先輩であり、ふたりきりになった時は友だちであり。でもステージに立つと、私は後輩のポジションだなという意識です。尊敬しているんです。

──今日は一緒に手をつなぐ一幕も。

中島：（May'nさんを見て）でも、今日手をつないだあとにすごい笑ってたよね？

May'n：あははははは。

中島：だからこれ、正解だったのかな？って。

May'n：私こうやってすぐテンションが上がっちゃって「初めての感覚だ！」ってなって、喜んでしまって。

中島：10年前くらいは、ここまでテンションの上がってるMay'nちゃんって見たことがなかったんです。まだクールだったよね。

May'n：ああ、本当？　でも確かに、シェリルとランカを意識していたのかも。

中島：そうそう、ふたりでいると「シェリルとランカにならなきゃ」って思っていたところが少しあったのかも。でも最近はどちらかというと……。

May'n：え、なになに？（笑）

中島：愉快なMay'nちゃんを出してくれるから「先輩、良いんですね」と。

May'n：後輩的にはどうですか。

中島：「ああ、愉快だなぁ！」って。

May'n：そのまま！（笑）というか、そもそも後輩っていう意識がまったくない。そうやって言ってくれるのはとてもありがたいことではあるけれど……。

中島：いやいや、後輩です。

──「ライオン」のあとは「Chase the world」。〈セカイへ〉という言葉で結ばれるこの曲で終わるのは、「ANIMAX MUSIX」を称えるためのセットリストなのかなと感じていました。そこはどのような意図があったのでしょうか。

May'n：MCでもお話させていただきましたが、今はアニメミュージックが世界中で愛されていることを私たちアーティストも、ファンの皆さんも当たり前のように知っている事実ですが、15年前は今ほどはまだそんなに知られていなくて。その時から「いち早く、世界に届ける音楽を歌っているアーティストがいるんだ。そしてそれをもっともっと届けたいよね」という熱量を「ANIMAX MUSIX」さんが私にいち早くぶつけてくれていました。

今は私自身アジアツアー中（May'n ASIA TOUR 2024「Prismverse」）で、世界中いろいろなところでライブをさせてもらっているのですが、変わらず世界に向けて音楽を届けていきたいと思い続けることができているのは、あの時「ANIMAX MUSIX」さんが教えてくれたおかげでもあるなってすごく思っています。

──最後までステージを見て、中島さんはどのような気持ちでしたか。

中島：やっぱりMay'nちゃんはずっとトップランナーだなって。アニメミュージックを世界に届けるというのは、先輩方が作ってくれた歴史があってこそだとは思うのですが、May'nちゃんはその中にずっといる印象があります。それは当時から思っていたことだったんです。「自分が先陣を切って世界にいってやる」というか、その頼もしさが「変わらないな」って。なんだか嬉しかったですね。カッコいいなって思いました。

──それは中島さんも一緒で、変わらないまま変わり続けている素敵なおふたりだなと思いました。

May'n＆中島：ありがとうございます！

[インタビュー・文　逆井マリ]