歌は何かしら、人に力を与えるものだと信じている――石川由依さんソロ音楽朗読劇『UTA-KATA Vol.2 ~歌売りの少女~』がCD&DVDでパッケージ化!! その魅力や公演の思い出を語る
パッケージ化されるCD&DVDについて
――リリースされる『UTA-KATA 旋律集 Vol.2 ~歌売りの少女~』は、公演で披露された楽曲をスタジオでレコーディングしたCDと、山梨 河口湖円形ホールでのステージを映像化したDVDを収め、さらに初回限定特装版のみ、河口湖公演のライブ音源CD2枚組も付きます。スタジオ収録音源は、ステージ版とどのように違いますか?
石川:公演時に「プレイボタン」というオーディオプレイヤーに楽曲を入れたグッズを販売したので、本番前に楽曲のレコーディングをしていたんです。ステージでは、伊藤真澄さんがひとりで演奏してくださっているので、ピアノ+αで構成されているんですけど、スタジオ収録音源では演奏も豪華になっています。
――スタジオ収録音源に比べて、ステージの朗読劇では歌が短めでしたね。
石川:朗読って途中で音を出せないし、咳払いもしづらい環境ではあるので、公演時間が長くなるとお客様も集中力が持たないと思うんです。だから楽曲は1番のみ歌ったり、一部カットして歌うなどして、「こことここをつなぎ合わせれば、ちょうど物語にはまってくれるな」とうまくアレンジしていきました。その感覚は、Vol.1を経験していたからこそわかったことだと思います。
一方スタジオ収録音源は、ひとつの楽曲として成り立つように、フルコーラスで歌っています。それに朗読劇ではキャラクターとして歌っていたのを、スタジオ収録では私として歌っているので、実際に劇場で聴いたものとは、雰囲気が違うものになっていると思います。
――ステージ上で演奏を担った伊藤真澄さんは、歌の伴奏だけでなく、朗読中もピアノの演奏で寄り添ってくれていましたね。
石川:劇中のBGMはお任せなのですが、けっこうアドリブで弾いてくださったりするんです。真澄さんが、私のお芝居を見ながら、こうした方がいいんじゃないかと、調整してくださるんですね。だから私も、絶大な信頼を寄せたまま、真澄さんの奏でる音楽に想いを寄せながら朗読をやらせていただきました。
真澄さんはピアノ以外にも、こんな楽器を使ったらいいんじゃない?と、おうちから楽器を持って来てくださるんですよ。なので、真澄さんの周りにあった楽器は、真澄さんがこの物語に合うのではないかと持ち寄ってくださったものなんです。
それによってより鮮やかになりましたし、私の好きな民族感も出してくれて、魔法のように物語を魅力的にしてくださっていました。
――収録されている楽曲の中でお気に入りの曲はありますか?
石川:全部いい曲なんですよ! 「いのちの伝唱~Song To Pass On Life~」はプロローグ感があって、どんな話が始まるんだろうっていうワクワクキラキラするような印象を受けますし、私が好きな民族調なので、好きな楽曲のひとつです。あとVol.1に比べると、Vol.2のほうがJ-POPに近い感じがしました。
「シチューはいかが?~Warm Dining~」もかわいかったですね。公演では、不思議ちゃんが歌っているのでかわいらしさが強く出ていて、スタジオ収録版は、歌のお姉さんのような感じで歌っていたりします。
「お月様の子守り唄~Moon Lullaby~」はタイトル通り子守唄っぽいですし、他にも元気をもらえる曲や感動する曲もあるので、音楽だけ聴いても、良いなって思ってもらえたら嬉しいです。でも本当に全部いい曲だから、どれが好きかと言われても選べないです(笑)。
――河口湖公演を収録したDVDの観どころは……?
石川:パッケージ化の話はずっとあって、いつの間にか公演から2年も経ってしまったんですけど(笑)、私は自分が映っている映像が苦手なので、心から「どうぞ観てください」ってなかなか言えないところがあるんです……。
でも、家が遠くて来られなかったり、天候の理由で公演が中止になってしまった会場もあったので、そういう方にも届けられたらいいなと思います。あと、伊藤真澄さんの演奏や、ステージ演出、会場の雰囲気など、色々なポイントに集中して観ていただけるのはいいなと思っています。