魅力的な“神さま”として成長するサクナヒメの姿を見守ってほしい――TVアニメ『天穂のサクナヒメ』サクナヒメ役・大空直美さん×ココロワヒメ役・衣川里佳さんインタビュー
2024年7月6日(土)より放送中のTVアニメ『天穂のサクナヒメ』。
原作となるマーベラスより発売中のゲームは、世にも珍しい“米作り”にスポットをあてた作品として知られており、豊穣神と武神の力を受け継ぐ「サクナヒメ」が、定命の人間たちと協力しつつ、荒廃したヒノエ島を開拓していく姿が描かれている。
最大の特徴は、稲作に対する圧倒的なこだわりの深さ。米の出来栄えに影響を与える変数が極めて多く、良い米を作るためには細やかに面倒を見てやらなければいけない。そのリアルさゆえか、SNSでは「農林水産省の公式サイトが攻略Wikiがわりになる」と話題になったほどだ。
TVアニメ版でもストーリーと稲作要素がバランス良く描かれ、さっそく話題になっている。本稿では、ゲームから続投するサクナヒメ役の大空直美さん、ココロワヒメ役の衣川里佳さんに注目ポイントやキャラクターの魅力を語っていただいた。
アニメ化は「絶対する」と確信していた
ーーおふたりは、原作から『天穂のサクナヒメ』に深く関わられていましたね。そんな作品がアニメ化するという報告を受けた際の、率直な感想を教えてください。
大空直美さん(以下、大空):声優にとって、自分が関わったお仕事のアニメ化に立ち会えるというのは、格別……格別なんです! なにかしらの形で一度でも演じると、キャラクターが思い出にグッと残るんですね。サクナ(サクナヒメ)は特に思い入れ深い子なので、続投させてもらえたのは本当に嬉しかったですね。
衣川里佳さん(以下、衣川):何目線という感じですけど、もうアニメ化は絶対するものだと確信していたんです。だって、稲作をあれだけリアルに描いて、アクションも相当作り込まれていて、ストーリーだってすごく感動できる。こんなゲーム、ほかに存在しないじゃないですか。
だから、アニメ化の報告をいただいた瞬間は「ようやく来た……!」という気持ちでした。しかも、私含め全キャストが続投ということで、それはもう嬉しかったですよ。
大空:ファンのみなさんの反応も嬉しかったですね。多くの方から「サクナヒメの声は大空以外考えられないです!」と声をかけてくださって……。声優として、それ以上に嬉しい言葉はありません。
ーーアニメ版で初めて『天穂のサクナヒメ』に触れた人に向けて、改めて各キャラクターの魅力をお聞かせいただけますか。
大空:サクナヒメは最初はぐうたらで、ちょっと生意気で、上から目線で偉そうで、あげく寝起きで水だの酒だのを要求して……。傍若無人な印象のある子なんですが、それは今まで苦労する必要がない環境で生活していたからなんです。
奥底には力強い根性があって、働かざるを得ない環境に放り込まれると、本来の頼もしさみたいな部分が見えてくるんですよね。そこから、強さも、優しさも、愛情も湧いてきて、どんどん魅力的な“神さま”として成長していくんです。ぜひアニメでもサクナヒメの成長を楽しんでいただけたら嬉しいです!
衣川:ココロワは基本的に内気な女の子ですが、友達のためなら言うべきことをしっかりと言える、芯の強さも持ったキャラクターです。嫌がるサクナを説得するシーンでは、親友として諭すように、サクナのために動いてくれましたよね。
ただ、自分自身のこととなると口数が少なくなって、なかなか前に出られない部分もあって……。サクナとは少し違った形で、ココロワも自分の中の壁を克服していく姿が描かれるので、一緒に成長を見守ってくれたら嬉しいです。
ーーアニメの中で特に印象的だったシーンを教えてください。
大空:注目はやはり第3話、田植唄のシーンです!
衣川:あっ、同じだ!
大空:良いよねぇ。足腰の痛みとか、単調さとか、実感しやすい田植えの大変さが、みんなの歌で楽しくなるの。ただ歌っているだけじゃない、歌も大事な知恵の1つなんだと思えたんです。心がひとつになって、大変な田植えがいつのまにか終わっていく様子が想像できて、なんだか感動しちゃいました。
衣川:歌と環境音だけで、観ている側も同じ感覚を味わえるのが良いよね。歌声が揃いきっていなくて、個性的な声がそれぞれ聞こえるのも素敵だなって。
ーー田植唄の収録はご一緒に行われたのでしょうか。
大空:実は原作でも田植唄はあったんですけど、サクナヒメの歌は録っていなかったんです。だから、今回はみんなの田植唄を聴きながら収録しました。みんなと一緒に、教えてもらいながら歌う感覚で楽しかったですね。