『映画 ギヴン 海へ』公開記念インタビュー連載第7回:佐藤真冬役・矢野奨吾さん|「いつまでも隣にいたいなって思わせてくれるふたりです」真冬から見た上ノ山立夏と吉田由紀の存在について
TVアニメ『ギヴン』や『映画 ギヴン』、OAD『ギヴン うらがわの存在』を経て、『映画 ギヴン 柊mix』の後編となる『映画 ギヴン 海へ』が2024年9月20日(金)より上映スタート! 今作では、『ギヴン』という物語の最終章が描かれていきます。
そんな『映画 ギヴン 海へ』の公開を記念して、アニメイトタイムズでは公開日のカウントダウンと共にメインキャストの方々へ連載インタビューを実施しました。
映画公開まであと1日。連載第7回(最終回)は佐藤真冬役・矢野奨吾さんのインタビューをお届けします。自身が演じる真冬に感じた成長や真冬から見た上ノ山立夏と吉田由紀の存在などを教えてくださいました。
前回はこちら
真冬から見た上ノ山立夏と吉田由紀の存在
――『映画 ギヴン 海へ』が公開となりますが、映画2部作の前編『映画 ギヴン 柊mix』の物語
を振り返ってみて、いかがでしょうか。
佐藤真冬役・矢野奨吾さん(以下、矢野):柊mixでの真冬は、高校卒業を目前にして、これからの人生と向き合いはじめる葛藤が描かれていました。
真冬がプロになるかを迷う理由は明確で、プロになって音楽に人生を捧げることを選んだら、立夏との関係が終わってしまうかもしれないという恐怖があったからです。
そんな真冬とは裏腹に、幼馴染の柊や玄純は将来に目を向け着実に歩みはじめていて。真冬はまた自分だけが置いていかれるような焦りや不安、疎外感だったりを感じていたと思います。
――『映画 ギヴン 海へ』におけるお芝居はどのようにアプローチしていったのでしょうか? 『柊mix』とのアプローチに違いなどがありましたら併せてお聞かせください。
矢野:柊mixと同様に、真冬は自分の選択が、立夏と音楽のどちらかを手放すことになるという恐怖を感じていると思います。台本を読み、立夏のことが好きであればあるほど、音楽が大切であればあるほど、真冬の葛藤にリアリティを持たせられると思いました。
だからこそ、違うアプローチではなく、これまでと変わらず、立夏と音楽が好きだという気持ちを大切にしながら収録に臨みました。
――『ギヴン』といえば、キャラクター同士の関係も魅力の一つかと思います。真冬から見た、上ノ山立夏と亡くなった幼馴染で元恋人・吉田由紀の存在についてどう感じられていますか?
矢野:音楽を残してくれた由紀、音楽の中に由紀がいることを教えてくれた立夏。真冬を暗闇から引っ張り出してくれたふたりです。いつまでも隣にいたいなって思わせてくれるふたりです。どちらも掛け替えのない大切な人です。
――2019年よりアニメが放送され、原作最終巻までのストーリーがTVアニメ・OAD・映画で展開されてきました。始まりから終わりまでの物語を通して、真冬の成長や変化、人柄など演じていて感じたことをお聞かせください。
矢野:立夏たちとの幸せな時間も、いつかは過去の出来事になって、少しずつ記憶から忘れ去られていく。だからこそ、この一瞬を、生きた証を、音楽に残そうとしています。
真冬は、繊細で臆病な子です。その印象は今も変わっていないけれど、今の真冬は、立夏と音楽、どちらからも逃げることなく、正面からぶつかって、共に歩んでいく選択をしています。真冬は、少年から大人になったんだなと強く感じています。
――改めて、原作・キヅナツキ先生の作風の魅力を教えてください。
矢野:誰かの人生を描くってすごいことだと思います。ギヴンからは、人だったり、ものだったり、何かを「好き」になることが、どれほど尊いことなのかを教えてもらえたように思います。
好きがあるから嫌いが生まれるし、嫌いがあるから好きにもなれたりするわけで、決して綺麗な側面ばかりじゃないけれど、「好き」という感情が、生きていく上でどれだけ自身の支えになっているかを、あらためて気づかせてくれました。
――それでは最後に、矢野さんイチオシのシーンや注目ポイントを教えてください。
矢野:立夏と真冬、ふたりのシーンです。僕がお芝居をしていて一番楽しいなと思っているからです。
内田雄馬くんとの掛け合いは、僕が何を考えなくても、立夏として真冬の手を引いて、いつも自然体の真冬を引き出してくれます。立夏にだからみせる、真冬の表情がたくさんあると思います。
[文/笹本千尋]
作品概要
あらすじ
一方、メジャーデビューを決めた鹿島 柊と八木玄純のバンド「syh〈シー〉」。
一時的なサポートギターとして加入していた立夏は、柊から託されたある曲を完成させようとしていた。
そんな中、立夏のもとに真冬から「あいたい」と連絡がくる。
ただならない雰囲気を感じた立夏は真冬のもとに駆けつけるが、真冬の音楽を拒むような態度に気づいてしまう。
立夏への想い、音楽への想い。
さまざまな気持ちの前で戸惑い、立ち止まってしまう真冬。
そんな彼に声をかけたのは、世界的に活躍するヴァイオリニスト・村田雨月だった。
キャスト
(C)︎キヅナツキ・新書館/ギヴン製作委員会