『息できないのは君のせい 5』発売記念! 澄谷ゼニコ先生(『息でき』作者)&否田先生(『ディアマイキラーチューン』作者)、楽器フェチな2人の対談をお届け!!
ビーボーイP!にて好評連載中の、澄谷ゼニコ先生による日常系BL『息できないのは君のせい』。待望のコミックス5巻が、本日2024年9月19日に発売となりました!
それを記念して、同誌連載中の『ディアマイキラーチューン』作者・否田先生と、両担当編集を交えたスペシャル座談会を実施。お互いの作品の大ファンだという澄谷先生と否田先生に、その魅力を語っていただきました!
記事内掲載のコマには、お2人がそれぞれの作品に向けた「推しコメント」も♥ ぜひ一緒に、両作品を振り返ってみてください!
作家紹介
澄谷ゼニコ
2018年『おとぎの孫』(スクウェア・エニックス刊)で商業デビュー。2020年より『息できないのは君のせい』を連載開始。『息でき』の略称でファンから愛されている。シリーズ累計60万部突破、コミックス5巻まで発売中。
否田
2021年にX(旧:Twitter)へ投稿した創作BL『TLR』が話題となり、『ディアマイキラーチューン』として連載化し、商業デビュー。2023年に発売したコミックスは発売即重版の人気作に。現在、続編を連載中。
人気作家同士の豪華対談を全文公開!
――普段から交流のあるお二人ですが、お互いの作品を知ったきっかけは何ですか?
澄谷ゼニコ先生(以下、澄谷):『ディアマイキラーチューン』の連載化前、否田先生がXに漫画を上げていらっしゃった時に読みました。
否田先生(以下、否田):えーー! そんなに初期から見ていただいてたんですね。嬉しい……。
澄谷:ビボピーで連載化すると知ったときは、めちゃくちゃ嬉しかったです(笑)。
澄谷先生担当編集・S(以下、担当S):連載化の告知が出た時に、ゼニコさんから「実はファンで……」と言われたのを覚えています。
否田:私はビボピーで連載化のお話をいただいてから、ビボピー作品を調べたのがきっかけです。その時に出会った『息できないのは君のせい』が自分の癖に刺さりました!
澄谷:照れますね(笑)。
否田先生担当編集・A(以下、担当A):そんなお二人が同じ雑誌で連載してくださって嬉しいです。
――お互いの作品を初めて読んだときの感想を教えてください。
澄谷:「上手いな!」です。特にライブの描写がとても良くて、縮こまりました(笑)。
否田:同じような言葉になりますが、「うめぇ~~!」です(笑)。ゼニコ先生のアナログ感のある絵のタッチが好きなんです。
▼ビボピーコミックス『ディアマイキラーチューン』澄谷ゼニコ先生推薦帯イラスト・コメント
――お互いの作品の好きなポイントを教えてください。
澄谷:個性豊かなキャラクターです。春隆くんや姫宮さんはもちろん、バンドメンバーの皆さんも可愛くて。
推薦帯を描かせていただいた際に、否田先生がpixivに上げていらっしゃる顔のパーツをまとめた画像を見たのですが、「骨格や目元の特徴まで、こんなに細かく決めているんだ!」と感動しました。
描き分けがすごいんです。楽器に細かい傷が入っているところなんかも最高ですね。
否田:恐れ多いです……。『息できないのは君のせい』は、キャラクターごとの葛藤や個性の掘り下げが丁寧で、読者として共感できる苦悩などが多い点にも惹き込まれます。実は妹もファンなんですよ!
澄谷:ありがとうございます! すごいこと聞いちゃったな(笑)。
――お互いの作品で好きなシーンやセリフを教えてください。
▼『ディアマイキラーチューン』第5話より
澄谷:このコマ、すごく好きなんですよ! 続編2話目にも緑茶が写るシーンがあって、そこも好きです。キャラクター性がわかりやすくていいなと思います。
否田:キャラクターの好みを考えながら描いているので、注目していただけて光栄です。
担当S:ゼニコさんもそういったところを考えて漫画を描かれているので、他の作品を見ていても目が行くんですね。
▼『息できないのは君のせい』#02より
否田:志筑くんのこの2コマがめちゃくちゃ好きなんです!
澄谷:こだわって描いたので嬉しいです。目つきの鋭いキャラクターは良いですよね。
▼『息できないのは君のせい』#20より
否田:この二人、可愛いんですよね。柴崎くんと淳子ちゃんはメインカップリングの起爆剤になる二人ですが、サブキャラでありながら個性的で、それぞれの考えを持っているところがあって。そこも『息でき』の見どころだと思います。
澄谷:嬉しいですね……。サブキャラが魅力的なのは『ディアマイキラーチューン』も同じだと思います。
担当S:お二人とも女子キャラを描くのがお上手ですよね。いづみちゃんや淳子ちゃんを見ていると、自分も前向きになれるというか。さっぱりした性格が魅力だと思います。
否田:どうせ描くならかわいい子を描きたいんですよね(笑)。
▼『ディアマイキラーチューン』後日談より
澄谷:サブキャラでいうと、司さんの他人に冷たくてドライな感じが好きなんですよね。「こういう人いるなー!」という感覚になります(笑)。
否田:司は基本、他人に興味がないんですよね(笑)。
――メインCP以外に推しキャラはいますか?
▼『ディアマイキラーチューン』第9話より
澄谷:もちろん楓さんです! ライブ中のかっこいい姿と、わんぱくな素のギャップが好きです。「これで40代なんだ……」と(笑)。
否田:ありがとうございます! 楓は自分でもたまに年齢設定を忘れそうになります(笑)。
澄谷:でも、「この年齢でこんなに元気なんだ」と思う人って、実際にいますよね。
否田:そうなんですよね。だから「別にいいか」と思いながら描いています(笑)。
▼座談会当日、楓推しの澄谷先生へサプライズでイラストをプレゼント!
▼『ディアマイキラーチューン』第8話より
澄谷:楓さんと姫宮さんの組み合わせもすごく好きで。8話の会話シーン、楓さんに恋愛相談をする姫宮さんがずっとモダモダしていて、すごく可愛いです。
否田:ここに司が入ったら、姫宮の恋愛相談をバッサリ切りそう(笑)。
澄谷:そういう女子高校生3人組、いそうですね(笑)。
▼『息できないのは君のせい』#23より
否田:三好くんが好きでーーす! 大声で言わせてもらいます(笑)。
三好くんの、実力があるからこその傲慢さがキャラクター性として大好きです。背が高いところも好きで、三好くんはドアを出入りする時にいつも頭をぶつけそうになっているじゃないですか。そういった細かな表現にこだわりを感じます。
澄谷:そういえば以前、否田さんが三好の絵を描いてくださいましたよね。Xでイラストを見つけた時、嬉しくて震えました(笑)。
否田:スピンオフ『恋できないのは君のせい』が始まると聞いて、嬉しくて……。
▼否田先生X(サブアカウント)より
――お互いに「ここは同じ!」と思うこだわりはありますか?
澄谷:「楽器の細かい描写」ですね。
否田:私も、音楽を題材として扱う以上は丁寧に描きたい気持ちがあるので、作画資料ばかり見ています。
澄谷:分かります。ギターの演奏動画を見て、手元の動きや楽器の傷のつき具合を研究しています。
管楽器の場合は吹き口が違っていて、本人のこだわりが出る部分なのですが、これを考えるときりがないです(笑)。私自身の演奏経験も少ないので、暗闇の中を手探りで描いているような気持ちになることがあります。
▼『ディアマイキラーチューン』第2話より
――お二人の音楽経験について教えてください。
否田:私はギターがほんの少しだけ弾けます。もともと音楽鑑賞が趣味で、ロックをメインに、フォーク・歌謡曲・テクノ・HIP HOPなどを幅広く聴きます。
担当A:否田さんはライブにもよく行かれていますよね。
否田:とにかく生で見たいんですよね。自身がライブを体験することによって、ライブシーンの解像度を上げたい。運よく前方の席が取れた時は、ギタリストの手元ばかり見ています。
澄谷:私は中学時代に吹奏楽部でトランペットを演奏していました。トランペットは3本の指を使うのですが、サックスは10本の指をフルで使うし、キーの数が指より多いので、どこに指を置いてどの音が鳴るのかさっぱり分からない(笑)。
担当A:私もトロンボーンを演奏しますが、指を使わない楽器で、他の楽器の運指は全く分かりませんね……。
澄谷:トロンボーンは描き手に優しい楽器です(笑)。
音楽鑑賞の面では、ボーカロイドやアニソンをよく聴きます。一度だけボーカロイドのライブに行ったことがありますが、生演奏のバンドがついていて、映像のクオリティも高いので「そこにいる!」となります(笑)。
人混みが苦手でライブに行くことは少ないですが、ライブ映像を見るのは好きです。
担当S:ゼニコさんは時々、「この曲を聴きながらネームを描いた」とXに投稿されていますよね。
澄谷:SNSで見かけて良いと思った曲からキャラクターの関係性を想像したり、ストーリーを膨らませることもあります。
――攻・受を描くうえでの一番のこだわりは?
澄谷:攻受関係なく、身体の厚いキャラクターが好きです。
担当S:ゼニコさんは胸板へのこだわりが凄いですよね!
澄谷:自身の作品を見ても、それぞれ攻と受に共通する項目があまりないと思うのですが、総括してみると「包容力があって、攻を引っ張ってくれるような聖母受」が好きなのだと思います。
否田:私は「攻は可愛ければ可愛いほど良い」と思っています。シンプルに「見た目が可愛い攻」を求めているのかもしれません。
担当A:『息でき』『ディアマイ』のキャラクターで、こだわっているポイントはどこでしょうか?
澄谷:矢野は「睫毛」と「志筑よりも体格をいかつくしないこと」に気を付けています。逆に、志筑の体格は盛るようにしています。
否田:矢野くんもかなり身長が高いですよね。
澄谷:矢野は178cmあるので、華奢にしすぎないように意識しています。加減が難しいですね……。
否田:姫宮は「いかにガリガリに描くか」ですね(笑)。包容力のある受が好きで、攻よりも立場が上であるほど良いです。
年下攻も好きで、受よりも身長が低いとより嬉しいですね。
澄谷:全部分かります!
――『息でき』5巻について、おすすめポイントを教えてください。
否田:最近、どんどん矢野くんの色気が増してるなと思いながら読んでいて。どこを読んでも楽しめます!
担当S:周りのキャラクターを使って矢野の色気を高めるのがお上手ですよね。溜息をついただけで店長に怒られたりとか(笑)。
澄谷:1巻に比べると絵は上手くなっていると思うので、作画を見てもらえると嬉しいです。あと、梧桐の店に行く回は苦労しました……。店をヒキで描かなければならなくて、物品の量も多くて大変だったので、そこを見てください(笑)。
そして5巻は全体的に「女装」になりました。萌えを出し過ぎたかな。
否田:萌えは出し過ぎくらいがちょうど良いです。どんどん描いてください!
――コミックス発売に際して、澄谷先生から読者の皆様にメッセージをお願いします。
澄谷:いつも『息できないのは君のせい』を読んでくださり、ありがとうございます。おかげさまで5巻を発売することができました。相変わらず矢野と志筑のイチャつきっぷりが加速しているので、振り落とされないようについてきてください!
――ありがとうございました!
作品情報
『息できないのは君のせい 5』
コミックス大好評発売中!
[定価]790円(税込)
[サイズ]B6
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■X(@b_boy_p)
■特典・あらすじ情報
▼アニメイト限定セットもあり!
『ディアマイキラーチューン』
コミックス大好評発売中!
[定価]823円(税込)
[サイズ]B6
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