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『宇宙戦艦ヤマト』 新作アニメ製作権利をカラーが取得|放送50周年上映会で庵野秀明監督より発表

『宇宙戦艦ヤマト』 放送50周年記念上映会スペシャルトークショーレポート|庵野秀明さん、出渕裕さん、氷川竜介さんが上映された映像へのこだわりや当時の思い出話を披露! そして、庵野さん&出渕さんの関わる新たな作品についても……!?

1974年10月6日19時30分より放送されたTVアニメ『宇宙戦艦ヤマト』。本作の50周年を記念して、劇場初公開となる幻の8mmフィルム版(※劇場版とは異なるTVシリーズ総集編)を上映するイベントが、放送開始からちょうど50年後にあたる2024年10月6日(日)19時30分より新宿ピカデリーにて開催されました。

上映後には50年来の『ヤマト』ファンを公言する庵野秀明さんをMCに、『宇宙戦艦ヤマト2199』で総監督を務めた出渕裕さんとアニメ・特撮研究家の氷川竜介さんを加えた3名によるスペシャルトークショーが実施。本稿ではこのイベントをレポートします。

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宇宙戦艦ヤマト
西暦2199年。 地球は謎の星間国家ガミラスの攻撃を受け滅亡の危機に瀕していた。遊星爆弾による放射能汚染は地表全土に広がり、地下都市に逃れた人類を刻々と蝕みつつあった。地球防衛軍も敗退し希望の全てを失った時、惑星イスカンダルの女王スターシャからのメッセージが届く。イスカンダルには地球の滅亡を救う放射能除去装置コスモクリーナーDがあるという。イスカンダルの技術「波動エンジン」を搭載した宇宙戦艦ヤマトは、人類の夢と希望をのせ14万8千光年の彼方へと旅立っていく。作品名宇宙戦艦ヤマト放送形態TVアニメスケジュール1974年10月6日~1975年3月30日日本テレビほか話数全26話キャスト沖田十三:納谷悟朗古代進:富山敬島大介:仲村秀生森雪:麻上洋子(一龍斎春水)真田志郎:青野武徳川彦左衛門・佐渡酒造:永井一郎アナライザー:緒方賢一デスラー:伊武雅之スターシャ:平井道子ナレーター:木村幌スタッフ企画・原案・プロデューサー:西崎義展監督・設定デザイン:松本零士音楽:宮川泰SF設定:豊田有恒メカニックデザイン:松本零士 スタジオぬえ監修:山本暎一 舛田利雄 豊田有恒キャラクターデザイン:岡迫亘弘主題歌OP:「宇宙戦艦ヤマト」ささきいさおED:「真赤なスカーフ...

ファン垂涎の幻の映像が今回のイベントで上映に至るまで

まずは庵野さんが会場に集まったファンへ感謝を述べ、出渕さん、氷川さんもご挨拶。早速トークへと移っていきました。今回のイベントでは庵野さんの要望によってTVアニメ『宇宙戦艦ヤマト』第1話が放送された当時と同じ時間での上映が実現したそうで、なんと曜日まで日曜日で一致しているのだとか。

その後は今回初上映となった8mmフィルム版が話題の中心に。TVシリーズの再編集版という点は1977年公開の劇場版と共通しているとのことですが、こちらは再編集版とはまた違った編集がなされているという貴重なもの。ライターの小林治さんから未開封のフィルムがあるとの連絡を受け、デジタル化されたのだそうです。

庵野さんが当時は高くて買えなかったと発言すると、氷川さんから当時は1本12,500円だったとの情報が飛び出しました。また、上映では光学トラックなども見られる状態になっていたのだとか。この他にも様々なこだわりをもって上映にこぎつけたようですが、庵野さんは実現しなかったものの8mmフィルム映写機特有の“カタカタ”という音もあえて入れようと考えていた模様。

TVシリーズの話題が展開された一幕では、庵野さんが第2話のヤマトの主砲と森雪の台詞「とても立派でしたわ」に痺れたことを暴露。『ヤマト』の沼に嵌められたのは友永和秀さんの作画が大きいとも語ると、これには出渕さんも共感を示していました。また、そんな友永さんは当日会場にいらしていたそうです。

他にも作品に対するツッコミどころに関するトークやあの当時に放送されていた作品たちを引き合いに出しつつ様々なトークが繰り広げられ、ここで初めて劇場公開となるノンテロップ版のオープニング映像を上映することに。

この映像はずっと残っていないとされていたものだったそうで、第1話と第2話と21話以降のバージョン、加えて21話以降の映像にメインタイトルの起き上がる部分と氷川さんが保存していたカットを追加した映像を見ることができました。庵野さんは倉庫で見つけた時には感無量だったとのこと。


 

庵野さん&出渕さんによる新たな『ヤマト』!?

他には出渕さんが『ヤマト2199』制作当時のことを話す一幕がありました。『ヤマト2199』は庵野さんが降りたから自分が総監督を務めたのではなく、昔から老後の楽しみで作れたら良いねとふたりで話していたため、決まった時は庵野さんへしっかり報告に行っていたのだそうです。

庵野さんは抜け駆けされた形になったため羨ましそうな雰囲気を醸し出してはいましたが、出渕さんはせめてオープニングだけは担当してもらいたかったので、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の制作中だった庵野さんに依頼したとのこと。

続いて『ヤマト』が影響を与えたであろう作品として『機動戦士ガンダム』が話題に上り、『ヤマト』の影響を感じる部分やそこに加えられたエッセンスを分析して、総監督である富野由悠季さんの物語構成の巧みさについてのトークで花が咲く場面も見られました。

トークが一段落したところで、庵野さんから今後の50周年にまつわる企画の数々が告知されていきました。1つめはスターチャンネルYouTubeチャンネルにおけるTVシリーズ第1話~第5話の上映、2つめは庵野さんがTVシリーズから9つのエピソードをピックアップしたセレクション上映の開催、3つ目は画集や全記録集といった貴重な資料の出版企画、4つ目は2025年3月に「宇宙戦艦ヤマト展」(仮)の開催となっていました。

そして5つ目として庵野さんより、株式会社カラーがボイジャーホールディングス株式会社の代表取締役・西﨑彰司さんから『宇宙戦艦ヤマト』をベースとする新作アニメ映像を製作する権利を付与されたと共に、株式会社東北新社から著作権の利用の許諾をいただいたとの報告がありました。

庵野さんはこれについて、「平たく言うと、僕が新作を作ることができるようになった」と一言。この発表を受けた会場からは温かい拍手が溢れると、庵野さんはこの日にファンのみなさんに直にお伝えしたかったと心境を語ってくれました。

作品の内容にはまだ触れられないそうですが、出渕さんも制作に参加しているとのこと。先ほどの話にあった老後の楽しみにふたりでとの約束が果たされた形になりましたが、出渕さんはまさかもう一度『ヤマト』に関わるとは思っても見なかった様子。また、既に展開中の『ヤマト2199』に端を発するリメイクシリーズとは別の物語を紡ぐ作品になることも明かされました。

最後に会場のみなさんと主題歌を合唱したところで本イベントは終幕に。50周年を迎えた記念すべき日に庵野さんによる新たな作品の展開も明らかになった『宇宙戦艦ヤマト』。リメイクシリーズとあわせてシリーズの今後に期待しましょう。

 

『宇宙戦艦ヤマト』作品情報

宇宙戦艦ヤマト

あらすじ

西暦2199年。 地球は謎の星間国家ガミラスの攻撃を受け滅亡の危機に瀕していた。
遊星爆弾による放射能汚染は地表全土に広がり、地下都市に逃れた人類を刻々と蝕みつつあった。

地球防衛軍も敗退し希望の全てを失った時、惑星イスカンダルの女王スターシャからのメッセージが届く。

イスカンダルには地球の滅亡を救う放射能除去装置コスモクリーナーDがあるという。
イスカンダルの技術 「波動エンジン」 を搭載した宇宙戦艦ヤマトは、
人類の夢と希望をのせ14万8千光年の彼方へと旅立っていく。

キャスト

沖田十三 : 納谷悟朗
古代進 : 富山敬
島大介 : 仲村秀生
森雪 : 麻上洋子(一龍斎春水
真田志郎 : 青野武
徳川彦左衛門 ・ 佐渡酒造 : 永井一郎
アナライザー : 緒方賢一
デスラー : 伊武雅之
スターシャ : 平井道子
ナレーター : 木村幌

(C)東北新社
(C)東北新社/著作総監修 西﨑彰司
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