音楽
スフィア 15周年記念シングル制作秘話|声優4人の個性が光る軌跡と挑戦の裏側

ファンと共に歩んだ15年、スフィアが繋いだ「Shining days, shining stars!」の物語|15周年記念シングル インタビュー

 

4人の個性的な歌声。それが合わさり唯一無二のスフィアとなる

──楽曲を作ったのは黒須克彦さんです。

寿:次は、黒須さんの神エピソードも話していいですか?(笑)。この曲を上げてくださったとき、フルで5分20秒ちょっとあったんです。それを見たときに、せっかくの15周年だから、5分15秒で終わるようにならないですかね?という相談をしたら、やってくださったんです。ただ、減らしたら当然どこかが削られるので、MVの監督的に欲しかった後半のチャイムの音が消えてしまったんですね。「こういう演出で撮りたいから、チャイムの音は欠かせない!」、でも私たちは「15秒を取りたい」となり、どちらの気持ちもわかるとスタッフ陣は頭を抱えながら、黒須さんにもう一度話してくださったんです。それが初日の私のレコーディングのときで、黒須さんが私のもとに来て、「何とか全部入れましょう! やりたいこと全部やりましょう!」と言ってくださって!

CD形態ではということになるんですけど、きっちり5分15秒にして、チャイムの音もしっかり残してくれたんです。みんなのやりたい想いを最後まで諦めずにやり抜いてくれた黒須さんは、本当に神だなと思ったし、頭が上がりません!

高垣:MVだと曲の前後を入れて、余韻を残したりするんですけど、「一応、5分15秒も作ったけど」と監督も言ってくださったんです(笑)。でもMVは、入り方とか余韻があってもいいので、それは長くても大丈夫ですと伝えました。

寿:そのあたりも“挑戦跋扈”したよね(笑)。

──みんなが、やりたいことを尊重してくれるのがいいですね。ちなみに挑戦で言うと、ソロバージョンを入れるというのも、含まれるのですか?

高垣:それに関してはスタッフさんから提案いただきました。

豊崎:今回は15周年の渾身の1曲です!みたいな感じで、カップリングが入らないんです。この1曲を大事にした1枚を出そうというところもあったので、プロデューサーの関根さんをはじめとしたバンダイナムコミュージックライブチームが中心となり、それぞれのソロバージョンを入れることになりました。

──ソロバージョンは、ソロ用に録ったわけではないんですよね?

豊崎:はい。歌い分けもレコーディングのときは決めていなかったので、全員が1曲を歌って、それを4人の歌割りにして合わせていく感じでした。

戸松:今思い出したんですけど、その歌い分けを、今回は自分たちで決めたんです!

 

 
豊崎:「Ding! Dong! Ding! Dong!」という曲は4人の個性がすごく出ていて、ソロパートもそれを意識して歌っていたから、たとえば私だったら、ウィスパー成分を強くして全編歌ったほうがいいですか?という相談をしていたんです。でも結果、スフィアとしてのみんなを大事にしようというところで、スフィアの豊崎愛生として歌うことになりました。だからソロでやってきた自分の個性を出すというよりは、スフィアの私としてひとりで歌ったバージョンが入っているイメージです。

高垣:ただ、ソロが入るというのは意識していて、たとえばこれまでのスフィアのレコーディングでは、「ここはちょっと私は薄味にして誰かに補ってもらおう」とか、どこか計算しながら歌っていたんですね。

レコーディング前に歌割りが決まっていないことのほうが多かったけど、ここは誰っぽいよなとか、ここは多分ひとりじゃないだろうなって考えながら歌っていたんです。でも今回はソロが収録されるので、4人の声があれば圧が出るだろうと思っていたところも、ひとりで頑張らなきゃダメじゃん!って考えました。だから、スフィアの高垣彩陽で歌っているんだけど、またちょっと気持ちの持ちようが違ったんです。

戸松:すっごいわかる!

高垣:スフィアのレコーディングのときって、自分が思っていた以上に4人のバランスを考えてレコーディングをしていたんだなっていうのを改めて実感しました。

豊崎:これはめっちゃポジティブな意味でなんですけど、ソロバージョンを聴いたとき、4人だったらここはもうちょっと勢いが出るのに!とか思ってくれたら、それはそれでいいなと思っています(笑)。愛生ちゃん、やっぱりひとりだと勢い足りないなって思ったら思ったで、私は「そうなんですよ!」と言えちゃう。ネガティブな気持ちにならないんです。今回は、15周年のスフィアのお戯れのひとつみたいな感じで、楽しんでもらえたらいいなと思いました。

──そうは言っても、改めて4人の声の個性ってすごいんだなと思いました。

高垣:こうなっていたんだなという、スフィアの仕組みはわかるかもしれないですね。解剖図みたいな(笑)。

豊崎:長くスフィアを知っている方は、コアな楽しみ方ができるかもね(笑)。

戸松:玄人向けだよね。

寿:私たちも、それを聞きながら、「俺の歌い分け」みたいな感じで歌割りを決めていったんですよ(笑)。

高垣:これもこれまでやっていなかったことで、自分たちで歌い分けを考えようという話になったんだよね。あれは誰が言ってくれたの?

寿:私がレコーディングをしながら、「ここ彩陽が歌うと良いと思ってまーす」って話を菅原 拓ディレクターに話したら、「そこまで自分たちのイメージがあるんだったら、自分たちで歌割りも決めたほうがいいんじゃない?」と言ってくれて、それなら4人でやってみるかという話になりました。

で、やってみたんですけど、方向性はほとんど同じなんだけど、そのパターンもありだねというアイデアが出てきたんですね。でも、それを聴き比べる方法がわからなくて、自分のソロバージョンを各々のiPhoneで流して止めてを繰り返して(笑)。

高垣:2人で歌うところも「せーの」でボタンを押したんだよね(笑)。もっといいやり方あるだろ!みたいな。

──あはははは(笑)。めちゃめちゃアナログじゃないですか。

戸松:どんどんズレてくんだよね。何でだろう?とか言いながら。めっちゃアナログでやってました(笑)。

高垣:超原始的。でも面白かったなぁ。ここは誰がいいかのオーディションをやったりして。〈面白いよね〉を、4人分聴き比べたりもしたね。

戸松:「お~、いいねぇ」とか言いながらね(笑)。こんなに楽しかったのに、歌割りを自分たちで決めたことを、さっきまで忘れてました(笑)。

高垣:歌ったニュアンスで、この人が良いっていうのと、歌詞の意味的に、この人が歌ったほうがいいよねって場合があったんです。どちらかを選ぶか、いろいろと話し合った結果、歌詞の意味を優先しました。

──戸松さんは〈無敵〉っぽいですからね。

戸松:そうなんですよ。自分では分からないですけど、みんながここは歌ってほしい!みたいな感じで言ってくれたので、嬉しいなぁと思いました。

歌割りを決めるのも、ここまで続けてきたからこそだし、信頼関係があるから言ってもらえたことだと思うんです。これまでも「Music Power→!!!!」で、rinoさんと一緒に作詞をしたことはあったけど、それともまた違って、4人で、どこを誰が歌うのかを決めるのは楽しかったです。さっき話してくれたように、大きな違いはなかったけど、そう思ってたんだっていうことが知れたし、それぞれの性格が出ていて、面白かったです。

 

 
豊崎:スフィアってリーダーがいないので、時間はすごくかかるんですよ。このアナログな話を聞いてもらってもわかる通り(笑)。でも、個々の気持ちをマネージメントもランティスさんもすごく大事に掬い上げてくださるんです。

そうやって時間がかかるけど話し合いながら作ったから、それが思い出にもなったし、お客さんに届けるときの自信にもなったんですよね。4人で決めたことだから伝わるといいなって思うし、話したいこともいっぱいある。今回は特にその要素が詰まっているので、私たちの武器になっているなと思いました。

──リーダーなしでも、しっかりまとまるのがすごいですよね。

寿:愛生ちゃんもよく言ってくれるんですけど、4人が納得してやるのがスフィアなんです。もちろん大変だし、周りのスタッフさんが振り回されちゃうこともあるんだけど、その分、4人は絶対にやるので(笑)。だから全曲ライブもそうだし、今回みたくやりたいことを伝えられる。納得しているからこそ、やり切れるんだと思います。自分で言うのもなんですけど、4人はすごく真面目なので(笑)。

戸松:根は真面目なんです(笑)。

──今回のソロバージョンを聴いて、寿さんは力強い真っすぐなボーカルで、高垣さんは完璧な歌唱力とバランス感覚があって、戸松さんは元気をくれる歌声で、豊崎さんはすべてを包みこんでくれるようだったんです。ソロの個性もすごく出ていたと思うんですけど、4人のユニゾンも、すごく良かったんですよね。

高垣:ありがとうございます。やっぱりスフィアの声ってあるんだなと思いました。レコーディングはそれぞれだったんですけど、4人の声がミックスで合わさったときに、関根さんが涙ぐまれたそうなんです(笑)。関根さんは、私たちの担当になって一番歴が長く、初期の頃からお世話になっているんですけど。

戸松:(思い出し笑いしながら)関根さん、泣いてた(笑)。ひと言「スフィアだ~」って言いながら、泣いてた。

高垣:4人の声=スフィアだってなるんですよね。

豊崎:バンダイナムコミュージックライブさんは大きい会社なので、人事異動があったり、事務所の担当さんだって替わったりする。15年も活動していると、スタッフさんの出会いと別れを繰り返すことになるんです。その中でもスフィア歴が長いのが関根さんで、それこそ、秋葉原で私たちがお店周りをしたときに、ガードをしてくれて「サングラスかけてきました!」とか言っていたときから知っているんですよ(笑)。

高垣:SP風にしてきましたってね(笑)。

豊崎:強面に見えるようにティアドロップのサングラスを掛けてくれたときから見てくれている関根さんが「スフィアの声だ」と言ってくれたのは、ひとつの自信になるし、私たちの変わらない部分をジャッジしてくれたんだと思います。だからこそ、ほかのところでは挑戦できるんですよね。

──これも新たなことかもしれないですが、MVではファンの方が参加されていましたね。

高垣:これもアイデアをいただいて、「今までやったことがないので、15周年の記念だからこそ、MVにお客様を入れるのはどうですか?」と言っていただいたんです。全曲ライブ以降、ワンマンもやっていなかったので、ライブシーンで、ファンのみんなに囲まれるのも久しぶりでした。ただ、実際のライブとは全然違ったし、当日になってみないとわからないことが多すぎたんですけど、結果、めちゃくちゃ楽しかったです。

多分私たち以上にファンの方のほうが大変だったんですよね。でも、最後まで笑顔で頑張ってくださって。そもそもこのくらいの人数が集まってくれたらいいよねと言っていた2~3倍の方がご応募してくださったので、本当にありがたかったです。それだけの人が待っていてくれている、会いたいと願ってくれている、記念シングルを祝福してくれているんだと思えたので、今後のいろいろな活動に繋がるエネルギーになりました。

──そういう現場に取材に行ったことがあるんですけど、やっぱり笑顔が素敵なんですよね。

寿:自然と素敵な笑顔を見せてくれるんですよね。15周年で、だいぶスフィアでやりたいこと、やれたことが積み重なってきたんですけど、これはやったことがなかったので、まだまだやったことがないことっていっぱいあるんだなと思いました。それを実現できたことは夢のような時間でした。しかも選ばれし方々なのに、その中からさらに厳選されて、「ここで走ってください」とか、お芝居まで要求されたり(笑)。

戸松:あの集まってくるシーンは、選ばれし人たちの表現力の賜物です。

寿:上から降ってくる風船をどのように飛ばすとかも、皆さんの配慮がすごくて!

戸松:あれも巧みだった(笑)。

寿:皆さんの協力のおかげで素敵なMVが撮れました。思い出に集合写真も撮れたし、いろんなグッズを着てくれていて嬉しかったです。

戸松:デビューしてすぐくらいの、いにしえのグッズとかもあったよね(笑)。あと私たち、公式でうちわを出したことがあるんですけど、それを見たマネージャーは知らなくて、「あれは非公式かもしれない」と疑うという(笑)。改めて振り返ってみて色んなグッズを出させてもらっていたんだなぁと感慨深い気持ちになりました。

 

 

──とても面白い話をありがとうございます。最後に、2025年2月22日(土)と23日(日)に、立川ステージガーデンで『LAWSON presents スフィアライブ2025 「Welcome!!!!!」』の開催が決定しました。意気込みをお願いします。

寿:5年ぶりのスフィアのライブです。15年、一緒に積み重ねてくださった方も、まだ頑張ってるんだねと思ってくださった方もいると思いますが、そんな方々がこのライブで再会したときは、必ず笑顔になれるライブになったらいいなと思っています。

新曲は必ず歌いますので、いっぱい聴いてきてください。この曲を聴いたときに感じたであろう、「やっぱりスフィアってこうだよね」という安心感を、ライブでも感じていただけるステージにできたらと思っています。

高垣:ずっと応援してくださっている方も、久しぶりに聴くという方も、まだ生で聴いたことがない方も、みんな集合! 黒須さんありがとう!と思ったのは、「Shining days, shining stars!」で、チャイムの鐘の音を入れてくれたことなんです。一度目の鐘で私たちが集まり、二度目の鐘でファンのみんなが集まってくるMVになったので、そんな空間を、このライブで体現したいです。会える喜びを噛み締めながら、私たちにとってもみんなにとっても最高の2日間にしたいと思っています。

戸松:久しぶりのライブになるので、15周年、何なら本番は16年目に入っているので、そのときのスフィアで見せられるものを、エンターテイナーとして見せていけたらいいなと思っています。私たちも楽しみたいです!

豊崎:前回のシングルが「スクランブルデイズ」で、また会おうねと約束した場所が、このライブになればいいなと思っています。15年という時を経て、そしてスクランブルな日々を経て、皆さんとスフィアが、そして皆さん同士が再会する場所を作れるように頑張りたいです。

sphere portal squareというサイトをやっているんですけど、その会員様のことを5人目のスフィアと呼んだり、星の民と呼んだりしているんです。「Shining days, shining stars!」のshining starsは、皆さんのことだと思っています。キラキラする楽しい思い出になるように頑張りたいので、ぜひ会いに来てください。

 
[取材&文・塚越淳一]

 

LAWSON presents スフィアライブ2025 「Welcome!!!!!」

【日時】
<Day1>2025年2月22日(土)17:00開場 / 18:00開演
<Day2>2025年2月23日(日・祝)15:00開場 / 16:00開演

【会場】
東京・立川ステージガーデン

■チケット料金
全席指定
<グッズ付きチケット>¥12,000(税込)
<チケットのみ>¥9,900(税込)
※未就学児入場不可
※営利目的の転売禁止
※お一人様1公演につき4枚まで(複数公演申込可)
※出演者、演出およびステージの一部が見えにくいお席となる場合がございます。予めご了承ください。
※立川ステージガーデンの3階最前列は着席指定のお席となります。着席指定とは、公演中必ずご着席いただくお席となり、立見ではご鑑賞いただけません。

詳しくは公式サイトにてご確認ください。
スフィアポータルスクエア公式サイト

 

Shining days, shining stars!

【発売日】2024年11月27日
【価格】1,650円(税込)

≪収録内容≫
Tr.1 Shining days, shining stars!
Tr2.Shining days, shining stars!(Off Vocal)
Tr3. Shining days, shining stars! Minako main mix
Tr4. Shining days, shining stars! Ayahi main mix
Tr5. Shining days, shining stars! Haruka main mix
Tr6. Shining days, shining stars! Aki main mix

 
■メーカー特典
スフィア ニューシングル「Shining days, shining stars!」発売記念オンライントーク シリアルコード
・配布期間 【 2024年12月10日(火)23:59 】 まで
・応募締切 【 2024年12月10日(火)23:59 】 まで

詳細は下記にて
https://www.animate-onlineshop.jp/contents/fair_event/detail.php?id=111906

■封入特典
リリースイベント申込シリアル(初回)
※特典は無くなり次第、終了とさせて頂きます。ご了承下さい。

ランダムブロマイドカード5種(ソロ4・集合1 計5種)(初回)
※特典は無くなり次第、終了とさせて頂きます。ご了承下さい。

 

 

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