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『シンカリオン チェンジ ザ ワールド』石橋陽彩×梶裕貴スペシャル対談

陽彩君はお芝居の熱量や真摯に向き合う姿勢が印象的な素晴らしい座長だなと感じています──TVアニメ『シンカリオン チェンジ ザ ワールド』石橋陽彩さん×梶裕貴さんスペシャル対談

ジェイアール東日本企画・小学館集英社プロダクション・タカラトミーの3社が原案となる『シンカリオン』シリーズの最新作、TVアニメ『シンカリオン チェンジ ザ ワールド(以下、シンカリオンCW)』。

仮面の男・工部レイジとERDAの激闘が続き、物語が大きく動き出しています。

今回、本編で相対する主人公・大成タイセイ役の石橋陽彩さんと、仮面の男・工部レイジ役の梶裕貴さんのスペシャル対談が実現! 本編と同じように、世代を超えて受け継がれる想いに溢れるインタビューをお楽しみください。

 

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シンカリオン チェンジ ザ ワールド
かつて、突如として現れた正体不明の敵・アンノウン。「超進化鉄道開発機構」通称「ERDA(エルダ)」は、対抗手段として新幹線が変形するロボット「シンカリオン」を開発し、脅威に備えていた。「何かを守れる、カッコイイ人に…僕は…」中学2年生の大成タイセイは、2年前に失踪した姉の手がかりを求めて、進開学園中等部に転入する。その矢先、10年ぶりにアンノウンが出現。偶然にもタイセイがシンカリオン運転士として高い適性値を持つことが判明し、闘う決断を迫られることとなる。アンノウンの正体、そして目的は何なのか…。闘いの末に見えてきた真実とは…。少年たちの決意と成長の物語が、今、始まる―。作品名シンカリオンチェンジザワールド放送形態TVアニメスケジュール2024年4月7日(日)~テレビ東京系にてキャスト大成タイセイ:石橋陽彩フォールデンアカネ:小野賢章九頭竜リョータ:土屋神葉ビーナ:集貝はな青梅マイ:本渡楓浜カイジ:田中正彦高輪カドミチ:小林親弘津川アガノ:村井雄治岩見沢ソラチ:渡辺紘落合ミヨシ:石井未紗川越タンゴ:斉藤次郎大成イナ:喜多村英梨魚虎テン:藤原夏海五稜郭シオン:田澤茉純最上ガンマ:石黒史剛仮面の男:梶裕貴海風ツクモ:畠中祐西大路ヤマ...

 

陽彩君はお芝居の熱量や真摯に向き合う姿勢が印象的な素晴らしい座長だなと感じています

──以前、梶さんは「シンカリオン 923ドクターイエロー」のおもちゃのナレーションを担当されていましたが、ついに主要キャラクターとして『シンカリオンCW』に参加された感想はいかがですか?

 

 
梶裕貴(以下、梶):以前のナレーションに関しては『新幹線変形ロボ シンカリオン(以下、シンカリオン)』が世間で非常に話題になっているタイミングでお話をいただいたので、シンプルに、そんな作品にお声がけいただけたことを嬉しく思っていました。

でも、やはり声優としては「アニメ本編に出てみたい」という気持ちが当然あって。実は、前作『新幹線変形ロボ シンカリオンZ(以下、シンカリオンZ)』のオーディションでは「スマット」役を受けていたんですが、残念ながらご縁がなかったんですよ。なので、そんな流れがあっての今回、いよいよ念願叶って参加させていただくことかでき、心から幸せに思っています。

ただ、僕が演じるレイジは途中から登場するキャラクターなので、作品や現場への入り方の難しさも感じてはいました。

──梶さんがおもちゃのナレーションを担当された『シンカリオン』を石橋さんが見ていたのは中学生の頃ですかね?

石橋:ちょうど中学生くらいだったと思います。

──梶さんは、自伝で「今、小学生の子どもたちが、10年後、20年後に「あの作品見てた?俺大好きだったんだ?と“自分たちの世代の作品”として語ってくれる」と話していましたが、梶さんの声優デビューが2004年で、同じ年に石橋さんが生まれているんですよね。

梶:驚きですよね(笑)。少し前に『シンカリオンCW』の中入りがあったのですが、その時ちょうど陽彩くんが二十歳になるくらいのタイミングで。若いことは知っていましたが、自分が声優デビューした年に生まれた声優さんと会うのが初めての感覚だったので、にわかには信じられないというか(笑)。

 

 
「学生の時にあの作品を見てました!」とかには、だんだんと慣れてきましたけど、いよいよそんな世界線になってきたのかと思うと、ちょっと笑っちゃいますね(笑)。感慨深いです。そう考えると、『シンカリオンCW』での役の立ち位置としても、世代を超えて"ゼロからの橋渡し"みたいな関係性なのはエモいですね。

──石橋さんは物心ついた時から梶さんの声を聞いていた世代だと思いますが、今回の共演の印象や感想を教えてください。

石橋:最初に香盤表で梶さんのお名前を見かけた時に、本当に声が出るほど驚きました。

梶:どのくらいのタイミングで僕の出演を知ったの?

石橋:仮面の男が登場する直前なので第12話のあたりです。台本をパラパラとめくったら梶さんの名前が書いてあったので、驚きと同時に「とうとう共演できる!」という想いが沸き上がりました。

僕は中学・高校の頃からずっとアニメが好きなんですけれど、多くの作品に梶さんが出演されていて、僕にとって「声優と言えば」という方の一人が梶さんなんです。だから、収録現場で梶さんのお芝居を見たり、周りの方と接している時の梶さんの人となりから学ぶべき事がたくさんあって、僕も将来こんな人になれたらと思っていました。

 

 
梶:いやいや(笑)。そんな風に言ってもらえてありがたいですけど、ちょっと照れくさいですね。収録現場では、たっぷり時間をとって話せる機会があまりなかったので、もう少し話してみたいと思っていたんです。

僕が『シンカリオンCW』の収録に参加した時には、既にもう現場の空気感が出来上がっていましたが、陽彩君からしたら年上の先輩が多い中で、お芝居で引っ張っている背中はとてもかっこいいなと感じましたね。

石橋:そこまで言っていただけて嬉しいです。収録が進んでいくにつれて、梶さんとの掛け合いも多くなったじゃないですか。「僕の芝居は大丈夫かな?」とずっと心配だったので。それこそ僕からしたら「梶さんの芝居に恥じないようにしないと」と思っていました。

梶:そんな、とんでもない。僕個人の性格として、人見知りというか、一対多数が少し苦手なので。出来上がっている現場に途中から参加する難しさと緊張感がありつつ、後輩たちからは「さて、どんな芝居のアプローチするんだろう?」というような意識を感じていたので(笑)。

──「梶さんの背中から学ぼう」みたいな雰囲気ですね。

梶:自分への勝手なプレッシャーはありましたが、いざ現場に入ってみるとそんなものは杞憂で、スタジオに入った瞬間から良い雰囲気が出来上がっていたので、ただただワクワクするスタートになりましたね。

──アニメ業界的には主役の方が「座長」になると伺ったことがありますが、石橋さんは『シンカリオンCW』の座長を務めたわけですね。

梶:まさに。僕が参加するまでの収録がどんな雰囲気だったのかはわからないんですけれど、少なくとも僕が加わった時には、陽彩君のお芝居への情熱や真摯に向き合う姿勢がしっかりと周囲に伝わってくる、素晴らしい座長っぷりだなと感じました。

石橋:ありがとうございます。嬉しい……。

 

何も知らないからこそ、タイセイと同じ気持ちで未知の敵に立ち向かっていくお芝居ができたのかなと思います

──第26話・第27話は梶さん演じる工部レイジのメイン回でした。出演者と視聴者それぞれの視点で伺いたいのですが、この2話のようにここまで主役以外のキャラクターがメインになるのは『シンカリオン』シリーズを通しても珍しかったと思います。梶さんはレイジを演じていかがでしたか?

 

 
梶:1話丸ごと回想…というか過去回でしたもんね。ずっと仮面の男として登場はしていたので、ようやくレイジとしてたくさん喋れると思ったら、今度はタイセイたちがいなくて(笑)。

一番最初の収録時に「いずれは敵対するに至った理由が判明し、まだERDAにいた頃を演じてもらうことになる」と、なんとなくスタッフさんから聞いていたんです。

ただ、その過去話の分量がどれほどになるかはわからなかったので、その時に向けて違和感が無いような声にしておいた方が良いのか、それとも敵だとわかりやすい声を作った方が良いのか、収録前に確認しました。

その結果、意思の強さや恨みの感情が乗っている音の方が良いということで、今の仮面の男のベースが出来上がりました。とはいえ、その具体的な理由までは教えてもらえなかったので、この第26話・第27話を通して、僕もレイジが仮面の男になっていく流れを初めて知ったんですよ。なので、すごく衝撃的でしたし、自分としてもその後のレイジを演じる上で大きなヒントになった回だと感じていますね。

──第26話・第27話に関しては、石橋さんは視聴者として楽しんだ部分も大きいと思いますが、レイジのメイン回を見た感想はいかがでしたか?

石橋:そもそも第26話に関しては唯一台本を頂いていない回なので、何も知らない状態でオンエアを見るのが本当に楽しみだったんです。

第26話をオンエアで見た時は、やっぱり高輪先生が「シンカリオン 0」の運転士だったことに驚きました。シンカリオンは年齢が若くないと適性値の関係で強さを発揮できない設定が、高輪先生が運転する「シンカリオン 0」の動きがぎこちないところにちゃんと表現されているのを感じました。

 

 
第27話はBパートの収録から途中参加だったので、中学生時代のイナがどうして「ERDAに入れるってことで良いですか!」と言っているのか気になっていて。

第26話・第27話を通して見ると、最終話まで通じていることが多いように感じます。この2話を経て作品が変わっていくというか、仮面の男とは何者なのか、アンノウンは一体どこからくるのか、といった部分にも更に迫っていく流れは見ていて楽しかったです。

あと、鉄道好きの視点としては「新幹線E5系はやぶさ」などと比べてレトロな新幹線0系の運転台も注目していました。実際に走っている新幹線0系を見たことはないんですけれど、鉄道博物館で運転台を見たら色々なメーターやレバーがあって現在のものとは全然違うんですよ。

それがちゃんと「シンカリオン 0」の運転台に搭載されていたのはワクワクしました。鉄道好きとしても、視聴者としても、そして出演者としても、本当にたくさんの視点で楽しめる回だったと思います。

 

 

──梶さんがスタッフさんからレイジが仮面の男になる理由を詳しくは教えてもらっていなかったということは、石橋さんも同じく知らないまま収録に臨んだのでしょうか?

石橋:そうなんです。逆に何も知らないからこそ、タイセイと同じ気持ちで未知の敵に立ち向かっていくお芝居ができたのかなと思います。

梶:先ほどお話したように、僕はレイジの過去回があるらしいことは聞いていたので、陽彩君から「仮面の男ってどうなるんですかね?」と聞かれた時に、なんとなくそれっぽいことを言ったら驚かれてしまって。慌てて「いや、あくまで予想だけどね」みたいにごまかした記憶があります(笑)。なので、みんな本当に何も知らないのだとそこで気づきましたね。

──スタッフさんとしてはお二人の演技を引き出したくて、あえてお伝えしなかったのかもしれませんね。

梶:でも、僕はレイジ自身を演じるのだから、さすがにそれくらいは知っていても良いのかなとは思いましたけど…(笑)。

──この第26話・第27話くらいまでは、お二人の掛け合いはほとんどありませんでしたよね?

梶:ほぼ無かったと思います。仮面の男なんて、最後に一言「フッ…」と言って退場とか、イナから「何で?」と問い詰められても「お前は何もわかっていない」とだけ告げて、その回が終わってしまうことも多かったので(笑)。どこか自分の中では第26話・第27話になって、ようやく物語が始まった感覚がありましたね。

──収録でお二人が一緒になることは多かったんですか?

梶:『シンカリオンCW』は、基本的にみんなで集まって収録できている現場でしたね。なかでも第33話・第34話あたりは、本当にほぼ二人でぶつかり合うような回だったので、凄く楽しかったです。

石橋:第33話のあたりはレイジの過去が明かされるという点でも、とても重要な回になっていると思います。

 

 
梶:そうだね。僕の中では第35話もとても印象深くて。ERDAの創設理由や、アンノウンがどこからやってくるのか、どうして「シンカリオン」が存在するのかも、どんどん明かされていく重要なエピソードでした。

 

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