【今週の『ダンダダン』の話題】最新180話学校内に広がる陰謀と憎悪

マンガ誌アプリ「少年ジャンプ＋」で連載中の龍幸伸先生による漫画『ダンダダン』。宇宙人を信じない女子高生・モモと幽霊を信じないオカルトマニアの同級生・オカルンが数々の怪奇と遭遇しバトルを繰り広げる物語です。

本作は、おぞましい姿で恐怖を搔き立てる「オカルト」、モモたちが超能力や妖怪の力で痛快な戦いっぷりを見せる「バトル」、高校生たちの甘酸っぱい恋模様が描かれる「ラブ」という三つの要素で構成されており、読者はまるでジェットコースターのように感情を揺さぶられます。

更新日である火曜日、1月7日には最新180話が公開されました。前話では一連の事件の黒幕と思われる人物・サンジェルマン伯爵（三丈目先生）が、職員室で不可解な動画を視聴している様子が描かれ、「この先の展開を暗示しているのでは？」と読者の間で注目が集まりました。

本稿ではSNSに寄せられた反響や感想とともに、180話の内容や今後の展開について考察していきたいと思います。

※本稿には、180話のネタバレが含まれますのでご注意ください。

小さな悪意も見逃さない……思わぬ人物が毒牙に

黒幕が次に目を付けたのは読者も思わぬ人物でした。なんとそれは第1話でオカルンをいじめていた同級生・ハセです。女子からも高い人気を誇っていた彼は、冴えないオカルンを見下していましたが、第167話で描かれた体育の体力測定でオカルンに大負けしてしまいます。それ以降、自分を差し置いてオカルンがちやほやされることに苛立ちを覚えていたのです。そんな心の闇につけ込んだ黒幕は、彼を唆して小柄で妖怪の力を授けて手駒にしてしまいました。

読者からは「1話で出てきたヤツがここでフォーカスされるとは思わなかった」「小さな悪意に付け込んでくるの怖いなあ」「こんなに身近にいるのってオカルン結構ピンチじゃない？」「本当に捨てキャラがいないなあこの作品」など、予想外の登場人物に驚きの声が上がっています。

また、彼が手に入れた妖怪にも読者は注目。「あれってジャンピングババアじゃない？」「サンジェルマン伯爵がメルヘンカルタ戦で使ってたよね」「サンジェルマン持ってたし黒幕確定か？」とサンジェルマン伯爵を黒幕とする推察を強める読者が多数。その一方で、サンジェルマン伯爵（三丈目先生）は一度オカルンから能力を奪おうとして失敗していることから、「サンジェルマンはオカルンから能力奪えないこと知ってるから実は黒幕は別なのか？」と第三者の存在を予想する読者も。

私も、負けを認めたオカルンから能力を奪えず驚いている三丈目先生のシーン（第169話）を再度読み返してみたのですが、能力を奪えなかった理由は二つのパターンが考えられるように思えました。ひとつは単純にオカルンがターボババアに能力を返していて持っていなかったたため。もうひとつは、心から負けを認めていなかったためです。この時オカルンはしつこく話しかけてくる三丈目を追い払うために口先だけで負けを認めており、本心では負けたとはこれっぽちも思っていないように見えます。真実は一体どちらなのか……黒幕の正体と共に今はまだ謎に包まれたままです。

キョンシー使いの正体が明らかに

読者を驚かせたのはハセの登場だけではありません。なんと星子を襲ったキョンシー使いの正体は、雪白幸姫の属するE組の担任・足立だったのです。母の体調不良を口実に学校を一度抜け出してまで星子を襲撃しに行っていたのでした。

「キョンシー使いそっちかー」「この学校やばい奴どんどん集まってるやん」「見知った人間がどんどん敵に回ってるの結構危険な状況じゃない？」「どんどん敵が増えてるのがゾワゾワする」と読者からもモモたちの身を案ずる声が上がっています。前話では、三丈目が「バスケットボールという名称の起源は当初、桃を入れる籠（バスケット）をゴールに用いたことから」と書かれた不可解な動画を視聴している描写が登場していましたが、学校内に敵を増やしてモモを包囲するという意味なのでしょうか……。

また、足立が能力に目覚めた経緯も気になるところ。学校を抜け出すために母の体調不良を理由にしていましたが、私はあながち嘘ではないような気がしています。それほどのっぴきならない理由があってオカルト闇バイトに手を出してしまったのではないでしょうか。その理由が明かされることも今後の楽しみですね。

さらに、三丈目や足立にしきりに話しかけてくる男性教師に注目する読者も。一連の黒幕はサンジェルマン伯爵ではなく彼であると考える読者もいるようです。これまでも思わぬ人物が敵になったり味方になったりする展開で読者を沸かせてきた本作なので、その可能性も十分あり得そうです。個人的には、闇落ちしたハセがオカルンやモモたちとの戦いを経て更生し、仲間になってくれる展開を期待しています。