
「泣き活も笑い活も、すべて「霧尾ファンクラブ」でやってもらえたらありがたいなと思います」──TVアニメ「霧尾ファンクラブ」監督・外山 草さん【連載インタビュー第1回】
「『隣にいてくださる』『一緒に作れている』という安心感がありました」
──制作についてもお伺いしたいのですが、監督が発表された「多くのスタッフが、“霧尾ファンクラブ”ファンクラブ会員となり推し活(制作)しています!」というコメントが印象的でした。
外山:「霧尾ファンクラブ」という作品のファンが多い制作現場なんです。外部のアニメーターさんもファンだという方が多くて。さらにこの作品は、触れた途端に一瞬でファンになっちゃうパワーがありますから、とにかく愛があふれていたんです。
アフレコの現場も明るかったのですが、アニメの制作現場もやはり明るいんですよ。みんなニコニコしているんですよね。ラッシュなどを見ていてもニコニコして会話ができるし、修正点などの少し重い会話をしているときも空気は明るい現場なんです。僕のところに何かを伝えに来てくれるスタッフの方々も、いっつもニコニコ。悪いニュースでも良いニュースでも(笑)。そのニコニコに、すごく助けられてる現場です。
──勝手なイメージで恐縮なのですが「アニメ制作現場」と聞くと空気が張り詰めている印象があります。
外山:ピリッとする瞬間もなくはないのですが、結局みんな「霧尾ファンクラブ」のためにどう動くかが軸にあるんですよね。大好きな「霧尾ファンクラブ」を、アニメ映像としてどうやって届けるのか……積極性を持ってアプローチができる楽しさを強く持っているのではないかなと感じます。愛だなと思いますね。
──先生が毎話のアフレコにご参加されていたというのも納得な空気感だなと思いました。
外山:実を言うとシナリオ会議から出席いただいたんです。先生は上がってくるシナリオを見て、まず「面白い」って反応されるんです。
アニメはどうしても全12話という限られた尺の中で、原作を表現しなければいけない。だからどうしても省かなければならないエピソードが生まれてきてしまうのですが、理解を深く持ってくださっている方で、非常に前向きにシナリオを読んでくださいました。本当にありがたかったです。
我々の考えたシナリオをまず一回飲み込んでくださって、その上でアイデアやアドバイスをくださるので、非常に発展的な会議になりました。その先にあるアフレコも見据えたお話ができていた上でのアフレコだったので……もうなんでしょうね、実際は短い間でしたが、先生とは、なんだか長い付き合いのような(笑)。
原作者という、アニメ制作において最も高い場所にいらっしゃる方なのですが、常に隣の席にいるようでした。人間性も素晴らしい方ですから「隣にいてくださる」「一緒に作れている」という安心感がありましたね。
──改めて、愛がこのアニメを動かしているんだなと。
外山:そう、愛が地球を動かしてるんです。先生は、どう思っていらっしゃるかわからないですけどね(笑)。
アニメ化情報解禁日に合わせて
— 外山 草(トヤマ ソウ) (@swingzoo_Toyama) October 25, 2025
地球のお魚ぽんちゃん先生から
スタッフに差し入れをいただき
ました!しあわせのおいしさに
テンション爆上がりの一同!!
パワフルに制作邁進しています#霧尾ファンクラブ#霧尾ファンクラブアニメ#地球のお魚ぽんちゃん#サテライト pic.twitter.com/4202fb7w3K
──漫画とアニメでの作り方の違いなども含めて、“一旦受け入れる”ということは、実はハードルが高い思考なのではないかと思っています。
外山:とても懐の広い方です。原作の中には、アニメ表現としては難しい、アニメ向きではないシーンもある。そのシーンをアニメでも描きたいけれど、入れ込んでしまうとストーリーを中断させてしまう恐れがありました。具体的に言うと藍美が霧尾の妄想をするシーンなのですが、当初のシナリオでは外れていたんです。
先生も「流れがある」ということを理解してくださっていたのですが、僕はどうしてもそのシーンを入れたくて(笑)。このシュールな場面があるからこその「霧尾ファンクラブ」。そんなシーンも入っているというところがアニメ化した「霧尾ファンクラブ」の良いところ。そう考えて、なんとか入れてもらったこともありました。
「シーンを入れます」と先生に報告すると、大変喜んでくださって。とにかく僕たちの作業がスムーズにいくように、柔軟に対応してくださいました。
──漫画のコマとコマの間の一瞬なども、アニメで描かなければいけないポイントかと思います。本作においては、どのような意識で制作されましたか?
外山:冒頭にも申し上げたとおり、誰かへの想いを全員が持っています。一方通行のベクトルかもしれないその想いが、間によって表現できるだろうと思っていて。アニメを二巡していただくとおわかりになる、きっとわかっていただけるだろうなと思いながら、信じて作ってる部分もあります。
今ここで多くを言ってしまうとネタバレになってしまうので伏せ字を使ってほしいのですが(笑)、特に■■を気にしました。このとき、画面にいるキャラクターが■■しているのか。いわゆる行間を、とにかく拾うようにしています。これは本編を繰り返し見ていただくと、気づいていただける部分だと思います。
──想いを表現するための行間。
外山:行間というものは、見てくださっている方の深層心理や根底に打ち込むくさびのような表現ができるんです。本編において具体的に言ってしまうと、■■の■をしているのに■■を■■いない、とか。色々な気づきをしてもらえるような間を、コマとコマの間で表現できているといいなと思いながら作っていました。
































