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『プリオケ』企画原案・金子彰史×プロデューサー・諏訪 豊【最終回カウントダウンインタビュー】

「夢を現実に変えてくれたスタッフ」「夢を真っ向から受け止めてくれた視聴者の皆さんがいてくださったからこそ今があります」──『プリンセッション・オーケストラ』企画原案・金子彰史さん×プロデューサー・諏訪 豊さん【最終回カウントダウンインタビュー】

2025年4月より放送が始まり、世代を超えて大きな注目を集めた“ポップソング・ファンタジア”『プリンセッション・オーケストラ』。2026年3月29日に放送される第48話にて、最終回を迎えます。

アニメイトタイムズでは、プリンセスとともに一年間を駆け抜けたキャスト&スタッフ陣にインタビューを実施。本稿では企画原案・金子彰史さんとプロデューサー・諏訪 豊さんが登場です。

金子さんが描く「大きな夢」。その夢を現実のものとした、諏訪さんとスタッフ陣。「歌って戦う」プリンセスたちのミューチカラはどのように生まれ、膨らみ、全世界へと届けられたのでしょうか。企画秘話から制作の奥深くまで切り込んだ『プリオケ』の裏側をお届けします。

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子どもと大人のどちらが見ても面白いと感じられる「普遍的」で「王道」な作品と正面から向き合いたい

──まずは改めて『プリンセッション・オーケストラ(以下、プリオケ)』での金子さんと諏訪さんの役割を教えてください。

金子彰史さん(以下、金子):自分は本企画の発起人になります。普段の脚本仕事よりも一段高い立ち位置で作品全体の方向性を決め込んでいく仕事になるのですが、もっとわかりやすく表現すると、率先して楽しそうなホラを吹く係、つまり「大きな夢」を描いて示す役割を担ってます。

諏訪 豊さん(以下、諏訪):肩書としては「プロデューサー」です。金子さんをはじめクリエイターの皆さんから頂いた夢に対して、それを実現するためにアニメスタジオやビジネス展開といった調整役を担わせていただきました。

僕は『プリオケ』という作品の草案が出来上がった状態から参加させていただいて、そこからこの作品を実現していく監督やアニメスタジオを検討したり、タカラトミー様をはじめとしたビジネスパートナー様へ協業のご相談をしたりなどといった各所との調整をする役割です。

あとは、レーベル(キングレコード)の音楽ディレクターも務めていますので、作品全体の音楽プロデューサーの菊田大介さんやElements Gardenの方々さんと一緒にどういった音楽を目指していくのかという打ち合わせの段階から、キャストの皆様のレコーディングからライブパフォーマンスまでのサポートも担当しています。

──この『プリオケ』という企画がどのようにして生まれたのか、改めて詳しくお聞かせいただけますか?

金子:キングレコードの某偉い人から、とあるタイトルについて相談を受け、その時交わした雑談の中から草案が誕生した経緯があります。ちょうど『戦姫絶唱シンフォギア』というテレビアニメシリーズを終えたタイミングだったので、次なる挑戦ということで放送帯を深夜から朝に移し、より広くレンジを想定した「全人類向け」作品と構想してみました。同時に、もっと脚本に寄り添った現場環境を構築しなければという考えがあり、当初から自分が執筆するのではなく、信頼のおけるライターを立て、ライターの個性や魅力を担保できるような体制づくりを念頭に置いて、立ち回ったりもしました。その後、詳細なイメージを固めた辺りで諏訪さんに合流してもらいました。

諏訪:『プリオケ』というプロジェクトは金子さんの言葉をお借りし、「全人類向け」と表現させていただいていますが、キングレコードにとっても「日曜日のあさのアニメ」を手掛けるのは初めてのチャレンジだったんです。そんな新しいチャレンジができるのであればと、社内に「是非僕にやらせてほしい!」と手を挙げさせてもらい、晴れて僕も合流となりました。大きなプロジェクトですが、若手に裁量を持たせてくれる優しい会社だと今でも思います(笑)。

──最初は相談を受けて草案を書かれたとのことでした。あえて分かりやすく「子ども向け」という言葉を使わせていただきますが、草案の時点から既に子ども向けという方向性でスタートしていたのでしょうか?

金子:全人類に向けるので、もちろん小さなお子さんも視聴対象ですし、一緒に見ている親世代にも掛け値無く楽しんでもらいたいという考えがあります。なので、子ども向けではあるけれど、子ども騙しにはしたくありませんでした。自分の原体験というか、子どもの頃、毎週毎話楽しみにしていたテレビ番組が、そういう作りになっていたからというのが影響しているのかもしれません。

──最初からそのようなオーダーだったのでしょうか?

金子:今回の企画は、オーダーを受けての立案ではありません。自分の中にある理想や挑戦の可視化だったり、誰かと話をしていく中で明確になっていったものとなります。

きっかけになったキングレコードの偉い人との雑談も、受けた相談は全人類向け作品ではなく、男性向け、おそらくは深夜帯に放送するようなイメージでしたが、自分なりに煮詰めていった結果、「朝帯」で「全人類向け」というまったく違う方向性に落着したのが、今となってはびっくりしてます。

ここだけの話になりますが、一番初めに提出した企画書は、偉い人から相談されたタイトルそのままに、(仮)を付けただけのものになります。『プリンセッション・オーケストラ』というタイトルはかなり後になって決まりました。諏訪さんと自分の合作になります。

──『プリオケ』と名付けられる前の草案と現在とで、何か大きく変化した要素はありますか?

金子:逢空さん(シリーズ構成、脚本:逢空万太)が全48話まで書き終えた後に放送日時が確定し、51話分の枠があることが判明したので、急遽、総集編を3つ挟んで凌いだくらいですかね、変化らしい変化は。内容や精神性において大きな変化はないかもしれません。ただ、逢空さん、島崎さん(キャラクター原案・島崎麻里)、大沼さん(大沼 心監督)が合流し、SILVER LINK.の皆さんによって絵が動くようになり、キャストによって魂が吹き込まれた実際のフィルムは、こちらが当初に描いていた青写真を大きく超えてきたものとなります。精神性に大きな変化はなくとも、メガ進化はしっかり果たしてくれました。

諏訪:当初のプロットから完成形に至るまでに、大沼さんを中心としたクリエイターの皆様と脚本会議を重ねていくことで、第1印象よりもポップな物語になったと感じております。役者さんご本人の空気感や演技プランが加わった結果、最大の特徴であるシリアスさのある骨太な物語が根幹にありつつ、しっかりと笑えるフックもあるメリハリのある作品になったのは個人的に結構意外だったんです。

特にバンド・スナッチはその最たる例で、本来ならもっと敵然としたキャラクターになっていてもおかしくなかったのですが、演じていたキャストの皆様のパワーによって非常に愛すべき敵キャラとしての地位を確立したのは、初期構想からの分かりやすい変化かなと思います。

──大沼監督も第13話のバンドスナッチの女装回は一つの転換点というか、作品として弾みのついた回のように仰っていました。

金子:節目の後にあの内容ですからね。むしろ節目の後だからこそできたのかも?「プリオケ」はクールの境に「いい話」がありがちなんです(笑)。そこも逢空さんの妙味ですね。

諏訪:補足しますと、あの第13話は当初のプロットには存在しませんでした。脚本会議の場で、大沼監督から箸休め的なエピソードが欲しいというお話がありまして、どういうものが良いかという議論の中で、島崎さんから女装回というアイデアをいただき、そこにクリエイター陣が楽しく作れそうな空気感があったんです。

それを受けた逢空さんが、単に面白いだけでなく、しっかり次へと繋がり、最終回付近に引っ張るようなエピソードも入っているものを書き上げてくれました。たしかに箸休め的なエピソードではありますが、実は物語上でも非常に重要な役割を持つ、稀有なポジションの回になったのではないかと思います。

──日曜日のあさという時間帯で「全人類向け」に展開するにあたり、どのような点が肝になるとお考えでしたか?

金子:物語を描くうえで起伏は必要なので、山と同様に谷があります。主人公や周囲のキャラクターが涙を流す場面も当然あります。視聴を継続させるための牽引力として刺激は不可欠なんですが、それらを日曜日の朝ナイズにチューニングするよう留意しています。一言で言うと「明るさ」でしょうか。ただしそれは「お気楽」とか「能天気」ではなく、力強さを伴った「明るさ」であるべきと考えています。それこそが「元気」であり、本作の肝の部分、こだわりでもあります。

──これまでの物語を拝見していても、たしかに谷はあるけど、きっちりとポジティブな山も用意されているのは感じます。

金子:とてもありがたいことに、物語の彩りを「可愛い」「楽しい」だけで終わらせず、小さなお子さんには、いやもっと高めの年齢の方にも簡単には理解できないようなテーマに踏み込ませてもらえました。リアルタイムに腑に落ちなくてもいいんです。いつかどこかで何かを感じてもらえればという願いを込めています。

<次ページ:目線としては「アニソン的な格好良さを追求してほしい」が一つのキーワードになっています>
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