
春アニメ『彼女、お借りします』第5期・雨宮天インタビュー|千鶴と麻美が激突、ハワイアンズ編後半の見どころとは
世界累計発行部数1,500万部を突破した大人気作品『彼女、お借りします』(原作:宮島礼吏/「週刊少年マガジン」にて連載中)。そのTVアニメ第5期が、2026年4月10日(金)よりMBS、TBS、CBC“アニメイズム”枠ほかにて放送中です。
『かのかり』の愛称で親しまれている本作は、主人公・木ノ下和也と“レンタル彼女”である水原千鶴をはじめとするヒロインたちが織りなすラブコメディ。今回のTVアニメ第5期はハワイアンズ編の後半として、第4期ラストでの水原千鶴と七海麻美との衝撃的なやり取りから続く、目の離せない展開が描かれます。
そんな第5期の放送を記念して、水原千鶴役の雨宮天さんにインタビューを実施。第4期の振り返りから第5期の注目ポイント、和也のこと、共演者とのエピソードまでたっぷりとお聞きしました。
やられっぱなしだった千鶴も今回はやり返します!
──『かのかり』関係のときは赤い衣装を着ている印象ですが、本題に入る前に今回の衣装のコンセプトを教えてください。
水原千鶴役・雨宮天さん(以下、雨宮):先日の「AnimeJapan 2026」では、ハワイアンズ編ということで(劇中での)水着のときの髪型や館内着に寄せた衣装でしたが、今回は“彼女モード”の千鶴の髪型、デートっぽいワンピースにしていただきました。ワンピースには小花柄が入っていてハワイアンズ感も出しているんですよ。千鶴のときは毎回赤い衣装ですが、衣装さんが“ハワイアンズに寄せたもの”、“彼女モードに近いもの”、“部屋着の千鶴に寄せたもの”などバリエーションを出してくださっていて。毎回ちょっとずつ変化がありますので、過去のインタビューや映像などと見比べてもらえると嬉しいです。衣装さんは「もう赤のワンピースがない!」と言っていましたけどね(笑)。
──では、作品のことを詳しく聞いていきます。第4期もすごい展開となりましたが、特に印象に残っているシーンを教えてください。
雨宮:やはりハワイアンズに着いたら麻美さんがいた、あの瞬間です。シンプルに「怖っ!」という気持ちと、ちょっと「待っていました!」という気持ちもあって(笑)。それまでの話数でも麻美さんと会話するシーンはありましたが、こうやって視聴者側の予想を裏切ってグッと距離を縮めて来る感じが、すごく麻美さんだなと思いました。彼女はなにかイベントを起こしてくれる約束の存在ですし、第3期でだいぶ麻美さん不足だったこともあって、このシーンは印象的でしたね。
──劇伴も敵が登場したような感じでしたからね。
雨宮:不穏ですよね。もちろん、先の展開は知っていましたけど、やはりオンエアの(劇伴も入った)完成版での麻美さんは違うというか。原作のときは初見ですし、アフレコは自分の芝居に集中していましたから、ある意味、一番無防備な状態で観られるのがオンエアなんです。無防備で気が緩んでいるところにドカンときました。しかも、あおさん(悠木碧さん)が演じる麻美さんの声のトーンはゾクッとしますし、癖になっちゃう感じもありますよね。第4期は麻美さんの怖さを改めて味わいつつ、それでいて水着回ではギャグシーンも盛り込まれていたので、すごく濃かったなと思います。
──麻美さんの怖さは第4期最終話のラストシーンも印象的で、第5期の展開が気になるものでした。いま言える範囲で第5期の見どころをお聞かせください。
雨宮:正直、第4期を見ていて麻美さんの考えていることが私にはよくわからなくて。千鶴の罪悪感を煽るような“良い人ムーブ”でくることもあれば、第4期の最終話で千鶴をレンタルしようとしたシーンは完全に“悪”な感じで。そんな麻美さんの引きで終わってからの第5期はハワイアンズ編の後半にあたり、第4期以上に刺激的になっていきます。麻美さんは“良い人ムーブ”の皮を破ってラスボスとしての存在感をみせてきますし、第4期ではやられっぱなし感のあった千鶴も仕返しのターンにはいる部分がありますので、ぜひ楽しみにしてもらいたいです。
──千鶴は第4期でかなりメンタルをやられていましたからね。
雨宮:そうなんですよ。あの状況なのに、みんな一緒にプールで遊んでいるときは仲良い風にするのがすごいなと思って。私だったら、とっとと東京に帰りますね。あれはなかなかきつかったです。
──ラブコメ的な楽しさに関してはいかがでしょうか?
雨宮:第5期よりも第4期の方がウォータースライダーとか水着の紐を結び直すとか、ラブコメ的なシーンが多かったと思います。第5期にも恋愛的なドキドキ感はもちろんありますが、ラブコメよりもサスペンス&ドラマティックな面白さが強いかもしれないです。
麻美との言い合いは、まさに強敵とのバトル
──そんな第5期のアフレコはいかがでしたか?
雨宮:難しかったですね。PVで麻美さんが千鶴の胸ぐらを掴んで「馬鹿にするのもいい加減にして!」とヒロインとは思えない声で言っているように、第5期では千鶴と麻美が激しく言い合うシーンがあるんです。先ほど言ったように、千鶴も言い返していくので、気持ちの上で負けちゃいけないと思いつつも、感情的にただ言い返してしまうとキャットファイトになってしまいます。千鶴には千鶴の正義やいろいろ考えた上での主張、積み重ねた思いがあるから言い返すわけで、ただ言い合いをしたいわけではない。ただ守りたい一心なんですよ。キャットファイトではなくちゃんと思いを伝える。でも言い返す。その加減がすごく難しかったです。
こちらの気持ちがちょっとでも弱まってしまえば、麻美さんにすぐ飲まれてしまいますし、感情的になってわめいた瞬間に千鶴ではなくなる感じがして。千鶴は合理的で、ちゃんと理由を持って言うタイプ。そこは麻美さんともほかのヒロインたちとも違う千鶴の芯の部分なので、大切にしたいと思いました。私もまだそのシーンの完成した映像は見ていないので、ドキドキです。
──言い合うシーンでの悠木碧さんの演技は、想像するだけでもすごそうです。
雨宮:本当に少しでも集中を切らした瞬間に負けちゃいます。そのぐらいの勢いや怖さがあるというか。それでいて、あおさんの演じる麻美さんって、毎回ちょっとずつテンションが違うんですよ。言い合いも、全部をガンと勢いだけでいくのではなく、長いセリフの中で加減やテンポをいろいろ変えてくるんです。それをしっかり聞きつつも、感情的になったら負けなので冷静さは保ちつつ……みたいな感じで、本当に強敵とのバトルでしたね。千鶴を演じることに集中しすぎて俯瞰で状況を見られなくなるぐらい、圧倒される迫力がありました。
──第4期でも相当の迫力がありましたからね。
雨宮:そうなんですよ。それから、「AnimeJapan 2026」のステージで(東山)奈央さんが「2人ともトチらない」と言ってくれましたが、あおさんはテンポ感のすごい言い合いでも本当にトチらないんです。なので私もトチるわけにはいかないですから、すごく良いテンションでやれたと思います。それに、多少(映像と)ズレたとしても、私たちのお芝居を優先して「直すからいいよ」とそのまま採用してくださるんです。何回も録り直したシーンではないからこその、“生のヒリヒリ感”が伝わるんじゃないかなと思います。とにかく夢中でした。
──ちなみに、これまで様々な作品に出演されてきて、第5期まで続く長期作品に携わることはどう感じていますか?
雨宮:もちろんどの作品にも全力で向き合っていますが、長く続く作品であるほど、それだけ一緒に経験する場面が増えてパートナー感が出るといいますか、解釈が深くなっていくのを感じます。この作品でいえば、千鶴を演じるにあたり「彼女がなにを思っているのか」「なにを考えてこの言葉を言っているのか」といったことをすごく考えました。内面のすべてが原作に描かれているわけではないですから、描かれていない部分は自分で解釈して補完していくのですが、解釈を間違えないためにキャラクターとすごく向き合うんですね。
向き合っていくと、人間としても好きになります。特に千鶴は私にとって共感できるところの多いキャラクターですから。それと同時に、長くやっているとどのキャラクターも好きになっていくんですよね。例えば、私は瑠夏ちゃんのことが最初は少し苦手だったんですよ。感情的だし、現れてはかき乱すし、うるさいし……と思って。でも、第5期までやってくると優しい部分など、最初は見えなかった彼女を構成する要素がより見えてきて、好きになりました。そういう長く演じることで深まっていく面白さがあるなと思います。
──ずっと演じてきて、最初から一貫して変わらない芯の部分や、逆に変わった部分があれば教えてください。
雨宮:やはり良くも悪くもすごく理性的で合理的なところが、彼女の芯としてあると思います。真面目でストイックでありながら慎重になりすぎるというか、自分の気持ちを置いてきぼりにしてしまうところは変わらない部分です。
大きく変わったのは、和也との距離感ですね。素で接するときのあり方が違ってきました。以前は素でいるときもどこか気の抜けない部分がありましたが、最近は和也といるときはよりリラックスして素になっている感じがあって。というのも、和也の前で爆笑するシーンが増えたんですよ。第4期で水着の感想を聞いたらルリスズメダイに喩えられて爆笑したり、酔っ払って爆笑したり。酔っ払った姿を見せること自体もそうですし、千鶴にとって和也は力を抜ける存在になっているのが大きいと感じています。
──自然体でいられる関係になっていますよね。
雨宮:信用ですよね。築き上げてきた信頼があるなと思います。




































