【TAF2009】あの原恵一監督の劇場最新作、そして『エヴァンゲリヲン新劇場版：破』の秘密情報も！「日本アニメ：ネクストジェネレーション公開録音」！！

　さまざまな新作アニメーションの情報が発表された「東京国際アニメフェア 2009」。アニメ専用チャンネルとして知られるアニマックスは、期待の劇場版アニメーション3作品を特集する特別番組「日本アニメ：ネクストジェネレーション」の公開録音を3月20日、特設ステージIIにて行った。

　司会を務めるのはアニマックスの人気番組「とっておきAニュース」でおなじみ、秋山奈々さん、ジリ・ヴァンソンさん、氷川竜介さんの3人。そして、ナレーションを勤めるのはあの人気声優、浪川大輔さんだ。各アニメの制作陣を招き、直接気になる質問をぶつけるという対話形式で行われたイベントは、ファンも納得の最新情報の数々で大きな盛り上がりを見せていた。

●家族総出で世界を救え!?　『サマーウォーズ　SUMMER WARS』

　今年の夏以降公開される期待の3作品を紹介するこのステージ。その先陣を切ったのは、あの劇場版アニメ『時をかける少女』でその実力を遺憾なく発揮した細田守監督が手がける『サマーウォーズ　SUMMER WARS』だ。崩壊を迎える2つの世界の危機に、ごく一般的な田舎の家族が一致団結して立ち上がるというジュブナイルストーリーである。

　今回のイベントに登場したのは細田監督とは2度目のコンビとなる斎藤優一郎プロデューサー。「細田作品の一番の魅力は？」、「作品のテーマが家族の絆と聞いたとき、どんな作品が出来ると思ったか？」などの1問1答の質問で作品の気になるポイントを答えている。

　そんな中で特に目を引いたのが、「作中に登場するネットの世界を、細田監督がどう描くのか」という質問。ネット内の世界を描く手腕で定評があるだけに、どのような世界が描かれるのか期待が集まるところである。これに対し斉藤プロデューサーは、「皆さんがお持ちの携帯電話の中が視覚的になったらどうなるのか？　それを最新のデジタル技術を使って、スーパービジュアルとして表現していきたい」と自信を覗かせた。一方、現実世界にも負けず劣らず力が入っている。「『時かけ』と同じ、青い空と白い入道雲の下、壮大なバトルがひたすら繰り広げられる。そこで、家族の絆や群像劇が描かれる」とのこと。また、主人公、小磯健二と、ヒロイン篠原夏希との関係についても、「家族というものをテーマに、この2人の関係がどうなっていくかが見所」だそうである。さらに、このコーナーでは夏希の湯上りのシーンも上映され、会場の歓声を集めていた。


●思春期の痛みを描く名作小説がアニメ化！『カラフル』

　痛快な娯楽作品に続くのは、少年の繊細な感情と現代社会の病巣をえぐるテーマ性が魅力の、森絵都の小説をアニメ化した『カラフル』。『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ！戦国大合戦』、『河童のクゥと夏休み』で知られる原恵一監督が、新たなテーマとして選んだこの作品にどのような演出を加えるのか、ファンならずとも気になるところである。

　コーナーは先ほどと同じく1問1答形式。「サンライズとの初仕事となるがその感想は？」「現代社会の問題となっている部分への描写に気を使ったことは？」など、さまざまな質問が寄せられた。なお、この『カラフル』を作品として選んだきっかけとなったのは、サンライズの吉田社長からの推薦があり、その後作品の世界自体を気に入ったからだったという。

　しかし、このコーナーでなにより会場の話題を集めたのは、このイベントで初公開された各キャラクターのデザイン画だ。羽根を持たず少年めいたデザインで描かれた天使プラプラ、特に美系ではなくリアルな、しかし温かみのあるキャラクターたちと、原監督の思想がよく反映されているものといえるだろう。なお、同級生の早乙女くんと主人公との友情は、今回のアニメの中で特に大事にしたいものとのことである。


●新たなキャラクター、新たなEVA！『エヴァンゲリヲン新劇場版：破』

　最後に登場したのは、旧シリーズとは違うストーリー展開とすばらしい映像クオリティで多くのファンの注目を集める、『エヴァンゲリヲン新劇場版：破』だ。6月27日の劇場公開に向けての作業が残っているため、残念ながら今回のイベントにゲストは登場しなかったものの、氷川さんが事前にスタッフに3問の質問を行い、これに回答を得ている。

　ところがこのスタッフからの回答、要所要所が黒く塗りつぶされあくまで内容を想起させるだけにとどまっているのだ！　特にファンが気になっているのは、「新キャラクターについて教えてください」、「EVAの新型について、機能や特徴を教えてください」というものだろう。どちらもほぼ内容の解読は出来ないものの、「詳しくはポスター内のキーワードをよく読んでください」という気になる文章が……。合わせて公開されたポスターには、「マリ、人形、隠蔽、ダミーシステム搭載型エントリープラグ（特1号）」、「局地使用仮設5号機、空中挺進s型装備」など、気になる文字がちらほらと。はたして、どのような驚きの展開になるのか、早くも期待が高まるところである。

　さらに、今回のイベントではまだ劇場でしか流れていない予告編も公開されている。こちらにも、今まで登場したことのない装備に身を固めたEVA、見知らぬプラグスーツの少女など、気になる映像が多数収められており、会場を大いに沸かせていた。

　このように重要情報盛りだくさんだった今回の公開収録。アニマックスでは6月に放送予定とのこと。その内容を直接見たい人は、忘れずにチェックしておこう！