櫻井孝宏さんが、堀内賢雄さんが、杉田智和さんが、トークで“魅せた”TVアニメ『Genji』DVD発売イベント詳細レポート
09年1月から3月まで、フジテレビのノイタミナ枠で放送された『源氏物語千年紀 Genji』。アニメファンだけでなく一般の視聴者にも話題となった作品が、ついにDVD化。それを記念して、メインキャストの3名が登場する発売記念イベントが、09年5月2日に秋葉原のUDXギャラリーで開催された。
『源氏物語千年紀 Genji』は、紫式部による原作小説を基に、『ベルサイユのばら』など数々の名作をはじめ、最近では劇場版『CLANNAD -クラナド-』のヒットも記憶に新しい出崎統監督が、オリジナルストーリーとして描き出した作品。平安時代を舞台に、類まれな美貌を持つ青年・光源氏が、三歳の時に失った母に瓜二つの藤壺に恋心を抱きながらも、その満たされぬ想いを埋めるべく、数多くの女性たちと関係を深めていくという物語。
DVDの第1巻が、4月28日に発売されたことを記念して行われた今回のイベント。DVD特典にも収録されているWEBラジオ「ミカドラジヲ」の公開収録という形式で行われた。光源氏役の櫻井孝宏さん、光源氏と女性を奪い合うほどの美男子だったといわれる、頭の中将役の杉田智和さん、光源氏の父親にあたる桐壷帝役の堀内賢雄さんが出演。
この日会場に集まった300人の『源氏物語千年紀 Genji』ファンの前に登場したのは、司会を務めるアニメ会のメンバー。彼らによってステージに呼び込まれたのは、光源氏役の櫻井孝宏さん。頭の中将役の杉田智和さん。桐壷帝役の堀内賢雄さんの3人。彼らが登場するや否や大きな拍手と歓声が沸き上がった。
自己紹介の段階から、笑いを誘うトークで場内の雰囲気は和やかに。その雰囲気を見ていたアニメ会のメンバーが「アフレコ現場はどんな感じなんですか?」という質問から、トークは開始。『源氏物語千年紀 Genji』に出てくる漢字が難しいことから、堀内さんは「僕が櫻井に漢字をまず聞いてます」との発言。さらに、「難しい漢字が出てくるんで聞くと、櫻井が教えてくれるんですよ。でも、また僕は違う人に聞くんですよ。騙してる可能性もあるんで(笑)」と笑いを誘った。ちなみに、同じ質問を振られた杉田さんは「寝てますね」とボケ、場内を笑いで包み込んだ。
●“3人が選ぶ名場面”に、集まった人たちからは爆笑の嵐?
この日のイベント名が、「出張“ミカドラジヲ”」ということで、「ミカドラジヲ」のメインパーソナリティ務めている堀内さんの「ミカドラジヲ!」というお決まりのタイトルコールで、イベント本編はスタート。
最初のテーマは“3人が選ぶ名場面”。まず、櫻井さんがチョイスしたのは、“お昼なのに7割が肌色という”衝撃的なシーン。しかも、櫻井さん自身があまりしゃべってない場面だ。そのチョイスに、集まったお客さんたちも爆笑?苦笑い?だったが、堀内さんは「これを選ぶのはなんとなく予想できましたね」と、それほど印象的でインパクトのあるシーンだったことを振り返った。アニメ会のメンバーに「このシーンのアフレコ現場では…」と振られた櫻井さんは、質問を聞き終わる前に「裸ってことですか!?」と大ボケ。その発言に、度肝を突かれたようアニメ会の2人もたじたじな様子だ(笑)。
気を取り直して、「こういうシーンでは、お互いのアフレコを聞いていて照れないんですか?」という質問には、「ぜんぜんありません!照れてたらOKもらえないからね」と、「さすがプロ!」と思わせる発言。そこに杉田さんは「照れどころか照りが出てきそうだ」と微妙に韻を踏んだ発言をすると、集まったお客さんは、高度すぎる(?)発言に少し困惑気味。すかさず「あれ?こういうのはあんま好きじゃない?」と櫻井さんがフォローをするシーンが見られた。
続いて杉田さんが選んだ名場面が上映された。選んだ理由を「頭の中将が唯一女性との会話だったんですね。モテるとか言われるんですけど、ぜんぜん女の人と会話したこともないもん」と言うと、場内からは「そうだったんだ」というような驚きの声があがった。さらに「やっとの女性との会話が妹とですから。肉親ですよ!本当に頭の中将はモテるっていう描写が最後まで分からなかった」と、少し寂しそうに言っていた。
「このシーンを見ていてどうでしたか?」と振られた堀内さんは「杉田だから許される演技ってあるんですよ。リアクションの演技も僕だったらOKが出ないんですよね。コミカルな部分もありの演技の仕方ってうまくて、納得させる力があるんですよ。杉田は何やってもOKみたいな」と杉田さんの魅力を語っていた。
最後に「私が選んだシーンはシビアです。リアルな演技が求められるシーンであり、同時に僕は涙しました。僕だけじゃなくて、このシーンで会話している人や喋っている役者さんはみんな泣いていた」と堀内さんが発言。その言葉を受けた後に、上映されたシーンを振り返って「鳥肌が立ちました」と櫻井さん。杉田さんが「賢雄さんは帝の亡くなるシーンと、このシーンが2大涙する箇所かなって。その後賢雄さんがテストの後に、すごい冗談を言って“俺の涙を返してくれ!”って一瞬思ったんですよ。」と言うと、堀内さんは「演技の時は一生懸命じゃないですか。それが終わると照れちゃうんですよね」と必死に(?)弁解していた。
さらに、アニメ会が選んだ名場面が上映されると、会場は今まで以上に大爆笑。というのも、“光源氏と頭の中将が相撲をとるシーン”だったからだ。このシーンについて杉田さんが「相撲っていうのは感情が高ぶってそのままぶつかり合うっていう……」とボケると、「でも、良く見ますよね?原宿とかで結構見るよ」と、櫻井さんも乗っかり場内は大盛り上がりだった。
●「生・愛のささやき」に、会場からは感嘆の声
続いて、DVDの初回特典として付いてくるCDに収録されている「愛のささやき」を、会場でやってしまう「生・愛のささやき」コーナー。このコーナーでは、“愛のセリフ”が書かれた短冊を3人がそれぞれ選び、それを集まった人たちに向けささやくというもの。3人それぞれ3回ずつささやいた言葉の中には、「かわいい。飽きれるほどあなたが愛おしい」や「あなたをだれにも渡したくない」など、思わず3人が「恥ずかしい」と言ってしまうようなセリフや、「立派な子を産んでください」や「今日、ここに泊っていいですか?」など、ちょっと笑えるセリフもあった。
さらに、お客さんの中からクジで選ばれた人の為に“愛のささやき”を行う特別企画が行われた。このコーナーでは、愛のささやきの中に選ばれた人の名前が入るというドキドキなもので、終始感嘆の声と大きな拍手が沸き起こっていた。
●「源氏物語千年紀 Genji」の続編に期待!?
さらに飲み会の話など爆笑のトークを繰り広げた後、イベントの感想を1人ずつ語っていった。
「収録も含めて、密度が濃すぎて10年くらいやってるような気がするんですけど、みなさんの期待次第ではですね、源氏物語はようやくヒロインの紫の上が成長したくらいになってきているんで、続編が作れるかもしれません。僕はまんざら嘘ではない気がしてきてるんで、みなさん御声援のほどよろしくお願いいたします」と杉田さん。
さらに、堀内さんも「杉田が言ったように、これ続編ができる可能性あるんじゃないですか。また盛り上がってくると何が起こってくるか分からないですから。そして、僕ら十分恥ずかしかったです。いろんなこと言わさせてもらいました。ありがとうございます」
最後に、櫻井さんが「確かに若干不完全燃焼なところがあるんですけど、お話も“あっ、ここでか”というところで終ってるので、僕自身としても続きをやってみたいと思っているよう、そうなるようにみなさんのお力を貸していただけたらと思います。本当に今日はありがとうございます」と、嬉しい言葉を残して3人はステージを後にした。
そして最後に、3人のサインが入った「源氏物語千年紀 Genji」オリジナル扇が抽選でプレゼントされた。選ばれた人はもちろん、選ばれなかった人にとっても、この日3人が繰り広げた中身の濃い大爆笑のトークは、記念になるイベントだったこと間違いない。特に、杉田さんのボケの数々に乗っかる櫻井さん。そのツッコミ対応に追われる、アニメ会の2人。そして、それを見守る堀内さんが作りあげる独特の雰囲気は、来た人でないと伝わらないだろう。