日本最長ファンタジーアニメ化!『グイン・サーガ』試写会レポー..

響き渡る幕開けの咆哮!巨匠、栗本薫のライフワークが今アニメーションとして動き出す!!TVアニメ『グイン・サーガ』プレミア試写会レポート

 人気作家、栗本薫氏のライフワークとして、1979年の第1巻発行から125巻を数える現在に至るまでその歩みを止めることがない脅威の作品、『グイン・サーガ』。日本ファンタジー界にさんぜんと輝く伝説として、今なお多くのファンに影響を与え続けているこの作品が、2009年、ついにTVアニメとなって動きだす!

 誰もが不可能と考えていたこの偉業に挑むのは、厳選された豪華スタッフとキャスト陣。はたして、豹頭の戦士グインはいかなる映像によって魂を吹き込まれるのか!? 今回は関係者とマスコミを招いて行われた試写会の模様をレポートしていこう。

若林監督から送られた花束を手に、微笑む栗本氏を中心に集うキャスト、スタッフ一堂。彼らの手で重厚なサーガが新たな色彩とともに動き出す。

若林監督から送られた花束を手に、微笑む栗本氏を中心に集うキャスト、スタッフ一堂。彼らの手で重厚なサーガが新たな色彩とともに動き出す。


●原初の戦士のあらぶる咆哮

 多くの関係者を迎えて行われた今回の試写会。上映された第1話と、豪華な制作陣による熱気溢れるコメントは、今後の放送を期待させるのに十分なものとなっている。

 栗本薫氏の耽美かつ力強い筆からなる世界は、はたしてどう表現すされるのか? 試写に先立って放送概要の説明を行ったNHK・BS2の柏木厚子プロデューサーは、「期待を上回る作品に仕上がっている。より多くの方々に見ていただきたい」と自信をのぞかせている。

 実際に上映された映像は、荘厳な楽曲、そして映像のスケール感ともに柏木プロデューサーの言葉を見事に裏付けるものとなっていた。中でも印象的だったのが、主人公グインの登場シーンだろう。国を追われ、敵国の兵士に追い詰められた王族の双子、リンダとレムスの前に現れた豹頭の巨人の姿は、まるで神の遣わした救い主か、魔物ひしめく森の力の具現であるかのように見る者の瞳をとらえる。また、その頼もしい姿の内にある深い悲しみは、素晴らしい楽曲とあいまって涙すら誘うほどであった。

 試写に続いて行われたのが、この作品に命を吹き込むキャストによるトークセッションだ。今回登壇したのは、主人公グイン役の堀内賢雄さん、予言の力を持つパロの王女リンダ役の中原麻衣さん、悪運に囚われた野心家イシュトヴァーン役の浅沼晋太郎さん、リンダの従兄弟である美形の貴族ナリス役の内田夕夜さんの4人。それぞれ、「テクニックではなくハートで演じたい。グインとともに歩んでいきたい」(堀内さん)、「それぞれの作り出すものが、一つ一つ素晴らしいものになっているので、それに負けないように演じていきたい」(中原さん)、「この作品にかかわれて本当に光栄。イシュトヴァーンは災いを呼ぶ男と呼ばれているが、災いを恐れず演じたい」(浅沼さん)、「遠回りをいとわないスタッフ、キャストと一緒に仕事が出来ることを大変嬉しく思っています」(内田さん)と、それぞれ意気込みを語っている。


●世界を織り成す人々

 さて、今回の試写ではキャストだけではなく、『グイン・サーガ』の世界をアニメへと再構築するスタッフによるトークセッションも行われている。

 ゲストは若林厚史監督、平成『仮面ライダー』シリーズで知られる脚本家の米村正二さん、そして『ファイナルファンタジー』シリーズの音楽を担当した植松伸夫さんの3人。スタッフへの感謝の言葉を口にして登壇した若林監督は、「かなり大変な作品だが、1話のクオリティーを保ちながら最後まで行きたい。気持ちのよいスピード感のある作品を作りたい」と決意を表明。また、「グインの登場とリンダ、レムスとの出会いに力を込めた」とも語っている。

 1人でシリーズ構成とともに全ての脚本を担当するという米村さんは、「自分が何者で何をするべきかという問いは、グインに限らず全ての人に通じるもの。『グイン・サーガ』の脚本を書くことができて幸せだと思っている」と、ビッグタイトルに携わる喜びを表現していた。

 一方、軽妙なトークでも知られる植松さんは、今回のオファーが来たとき、あまりの責任の重さに一度は断ろうとしたがプロデューサー陣の熱烈な説得により引き受けたエピソードや、制作環境について笑い交えて語り、厳粛なムードの会場を明るく賑わせた。


●流れるしらべ、そして……

 また、植松さんから会場へのプレゼントとして編曲を担当した中山博之さんによるOPテーマ曲「グインのテーマ」のピアノ独演が披露された。さらにEDテーマ曲「Saga~This is my road」を歌う実力派アーティストカノンさんによる生ライブも行われた。壮大な物語を表現した楽曲を繊細で力強い旋律で織り成すピアノの独演、そして優しく流れるようなカノンさんの歌声は、イメージの奔流となって、これからつづられていくであろうアニメ版への期待を高めていた。

 そんな試写会のラストを飾ったのが、原作者である栗本薫氏による挨拶だ。「30年たって『グイン・サーガ』がどのように動き出すのだろうと思ったのですが、見てみてとても嬉しかった」と語る栗本先生。なにより嬉しかったのは、「根本の部分がぶれていない」ことだったという。また、第1話冒頭での騎兵隊の襲撃シーンや戦闘シーンも、かなりお気に入りのご様子であった。

 このように、原作者からのお墨付きももらい期待が高まるアニメ版『グイン・サーガ』。第一級の日本産ファンタジーが、どのような形で展開していくのか、ファンならずともその目で確かめていって欲しい。


TVアニメ『グイン・サーガ』
2009年4月5日より放送開始!
放送局:NHK BS2 毎週日曜日 23:29~

作品への思いを語るキャストの皆さん。グインの全てを演じようとする堀内さんの言葉に、キャストの皆さんも感じ入っていた様子。

作品への思いを語るキャストの皆さん。グインの全てを演じようとする堀内さんの言葉に、キャストの皆さんも感じ入っていた様子。

「飲み屋で会った」など、フランクな雰囲気の若林監督、米村さん、植松さんの3人。それぞれお気に入りの台詞として、「俺の剣は今のところ誰のためのものでもない」(若林監督)、「子供たちよ、戦え!」(米村さん)を挙げている。

「飲み屋で会った」など、フランクな雰囲気の若林監督、米村さん、植松さんの3人。それぞれお気に入りの台詞として、「俺の剣は今のところ誰のためのものでもない」(若林監督)、「子供たちよ、戦え!」(米村さん)を挙げている。

こちらはライブの1シーン。カノンさんの見事な歌声が会場を包み込む。

こちらはライブの1シーン。カノンさんの見事な歌声が会場を包み込む。

アニメ版『グイン・サーガ』への期待を語る栗本氏。「我が家にはTVがないのでDVDで見る」と冗談を言う場面も。

アニメ版『グイン・サーガ』への期待を語る栗本氏。「我が家にはTVがないのでDVDで見る」と冗談を言う場面も。

(C)栗本薫/天狼プロダクション/Project Guin
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