ジャズライブでコスプレに手品!！？井上喜久子のユニット「ワイルドストロベリー」はフリーダム！吉祥寺・川崎・秋葉原でイベント開催

　井上喜久子・まるたまり・小笠原純子の3人による、アニメソングをジャズ風のアレンジで歌う新感覚音楽ユニット・ワイルドストロベリー。その初ライブツアー「アニメロディライブ・のいちごシリーズ」が吉祥寺・川崎・秋葉原にて開催され、大盛況のうちに終了した。川崎セルビアンナイトの公演では『絶対無敵ライジンオー』OP主題歌「ドリーム・シフト」で松本梨香さんがサプライズ出演し、松本さんの日向仁とまるたさんの星山吼児のライジンオーパイロット共演が実現、最高の盛り上がりを見せた。そして7月27日に秋葉原クラブ・グッドマンにて行われた「アニメロディライブ・のいちご3」では、聖地・秋葉原らしく全員コスプレで登場。中でもお姉ちゃんはアキバの基本たるメイドコスプレを嬉々として披露し、萌え以上に笑いを振りまいていた。さらに曲の間奏で手品を始めるなど、普通のジャズライブではありえない展開にも「ワイルドストロベリーはフリーダムなんです！」と宣言し、ちょっと大人な感じのジャズのハードルを目いっぱい下げていた。

「秋葉原ということで、気分はAKB48」だそうだが、メイドにマリリン・モンローってどんなジャズライブ!?

●聖地アキバにアニソンジャズ響く

　“お姉ちゃん”（井上喜久子）とまるたさんは浴衣姿、小笠原さんはネコミミと尻尾をつけて登場。オープニングナンバーの定番「乙女のポリシー」と「ロマンティックあげるよ」を続けた後、トークライブらしくさっそくトークで盛り上がる。開演時間が遅れるなど不手際があったことには「あまり気にせず」と軽く流し、小笠原さんが自分のことを「ボク」と言うことにまるたさんが「ちょっと苦手かも」と言えば、「まぁまぁ仲良くやろうよ」とお姉ちゃんがフォローする。小笠原さんの不思議キャラとまるたさんのツッコミがけっこう強烈なので、お姉ちゃんがボケてる暇がないというのがワイルドストロベリーの特徴でもある。と言いつつ、暑い暑いと取り出した扇子が『メタルギアソリッド4』だったりと、小技もどんどん仕込んでくる。「乙女のポリシー」にちなんで各自にポリシーを聞いた際は、お姉ちゃんが「かき氷のポリシーっていうのがあって、いちごミルクの場合は、ミルク多め。くくくくく！(笑)　……怒ってる？」と、ボケへの反応が冷たかったまるたさんにお伺いを立てる姿も会場の笑いを誘う。

　次の「銀河鉄道999」では、「みんなで指パッチンをしてほしいな」と曲中に指鳴らしの参加を呼びかけつつ、「入るきっかけは1番からでも2番からでも、どこからでもOKです。なぜかというと、アンケートに『指が疲れた』って」と観客に配慮する姿勢がまた笑いを呼ぶ。

　なお「999」のアレンジは、旅をテーマにしたジャズのスタンダードナンバー「センチメンタル・ジャーニー」がモチーフと明かされ、参考までにとまるたさんが一節披露。一方、お姉ちゃんも「センチメンタル・ジャーニー」と言えば松本伊代さんということで、「喜っ子は～まだ、17だ～から～♪」と替え歌に振りまでつけて歌った。

　さらに旅の話題が広がり、世界中を飛び回る小笠原さんの話、まるたさんのパスポートが見つからない話に続き、お姉ちゃんがいま行きたいのは『らき☆すた』の鷲宮、『おねがい☆ティーチャー』の長野などの聖地巡礼と語って会場を盛り上げた。

　次の「キューティーハニー」は、川崎公演では「変わるわよ」を「川崎よ」と歌うなど遊んで会場中をずっこけさせたが、今回は「GO GO トリトン」を続けて歌うため、ネタはあったものの言ったら自分で笑って歌えなくなってしまうと、次の機会に温存したらしい。

●コスプレ、替え歌、モノマネ、手品

　お姉ちゃんが着替えに下がっている間、まるたさんと小笠原さんがジャズの音楽性について熱く語る。まるたさんは喋りながら突然その場で浴衣を脱ぎ始め、下に着ていたタンクトップとジーンズ姿になる生着替えで会場を驚かせた。そして戻ってきたお姉ちゃんは、メイド姿でドリンク片手に現れ、「お嬢様、ワイルドストロベリーの特製ジュースです」とまるたさんと小笠原さんに給仕。「自分で言うのもなんだけどね、しっくり来る」とメイド姿にご満悦の様子だった。

　ダンサブルな「今日もどこかでデビルマン」の後、今度はまるたさんが着替えに下がり、その間をお姉ちゃんと小笠原さんがつなぐ。お姉ちゃんは「今日もどこかでデビルマン」の替え歌「今日もどこかで17才」を、「誰も知らない知られちゃいけない、私の本当の年～」と歌って笑いを取り、そうこうしているうちにまるたさんがマリリン・モンローのコスプレで登場して場内をあっと言わせる。しかも機材の誤作動でデビルマンの歌がかかってしまい、デビルマリリンと呼ばれるハメに。

　声優らしく語りを入れたスペシャルアレンジの「残酷な天使のテーゼ」で場を圧倒し、『崖の上のポニョ』を観に行ったという逸話をきっかけに宮崎アニメの話をした後、「君をのせて」でじんとさせる。ワイルドストロベリーは歌とトークのギャップが非常に大きいので、歌はゆったりした感じなのにノリはけっこう忙しい。
吉祥寺と川崎の公演でもらった観客アンケートを紹介する際は、まるたさんが即興で「ワイルドストロベリーの耳から野いちご」とラジオ番組風のタイトルを、キーボードでジングルまでつけてコール。次々にコメントを紹介していく様には、横でお姉ちゃんも「すごーい、ラジオみたい」と感心していた。「『サイボーグ009』が良かった」というコメントに対しては、お姉ちゃんが「誰がために」を成田賢さんの声真似で披露。また、原曲を知らなかったまるたさんは、最初にお姉ちゃんの声真似を聴いた際、いくらなんでも原曲に失礼だろうと思ったが、聴いたらそっくりで驚いたという逸話を明かした。

お姉ちゃんがケータイの着メロにしているほど大好きな「魔女っ子メグちゃん」を楽しそうに歌い、最後の曲「エイトマン」の前には「最後と言っても最後じゃないんですけど」と、アンコール前のラストの扱いに迷うコメントで笑いを誘う。そして歌い終え、拍手を受けながら袖に下がったかと思いきや、一番後ろの小笠原さんがまだ舞台にいるうちにアンコールで戻ってくるという、世界一早いアンコールに観客も大笑い。アンコールラストは「バビル2世」だが、デビューアルバム『アニメロディナイト』発売記念イベントでお姉ちゃんが「この曲のちょっと長い間奏のところでどうしても手品がやりたくなる」と語っていた、その手品をついに実行！　ワイルドストロベリーの決め言葉「フリーダム」に相応しい、なんでもアリの楽しいステージになった。

Live■「アニメロディライブ・のいちごシリーズ」SET LIST

浴衣で登場したお姉ちゃんとまるたさん

ジャズピアニストの小笠原さんはネコミミと尻尾を装着

アキバでコスプレと言えばコレということでお姉ちゃん、自前のメイド服にチェンジ

まるたさんも負けじとマリリン・モンローコスプレでセクシーに