『地獄少女 三鼎』がついに完結!思い出を振り返りながら進む様子はまるで“お葬式!?「地獄フェスティバル'09」イベントレポート
「わたし(閻魔あい)はあなたの中にいる。地獄は誰にでも心の奥底にある――」
昨年10月より、今年3月までTOKYO MXほかでTVアニメ第3期シリーズが放送され、センセーショナルな作風で人気を博した『地獄少女 三鼎』が、DVD第1,2巻、購入者限定イベントを実施。4月26日、ZEPP TOKYOで盛大に催された。
本作は、わたなべひろし氏の原案のアニメ発のオリジナル作品。2005年10月より第1期シリーズが、2006年10月より第2期シリーズ『地獄少女 二籠(ふたこもり)』が放送されたのをはじめ、実写ドラマ化、ゲーム化、コミカライズ、ノベライズ、Webラジオとさまざまなメディア展開をした。
お話は、かつて村の掟により不幸な死を遂げた1人の少女が自身の運命を受け入れることができず、村を焼き尽くすという大きな業を背負ってしまった。その後少女は怨まれし者を地獄へ流す“地獄少女”となり、さまざまな人間の終わることのない怨みを垣間見ることによって、自身の罪深さを知らしめるための宿命を課せられる。
『地獄少女 三鼎』では、一度は地獄少女の任を解かれたあいが、再び現世に舞い戻り、地獄少女の任をこなしながらも御景(みかげ)ゆずきという少女に接触をする話が描かれていく。
果たして、このゆずきという少女は何者なのか――? 地獄少女を受け継ぐものと言われているのだが……。
本イベントには、閻魔あい役の能登麻美子さん、輪入道役の菅生隆之さん、一目連役の松風雅也さん、骨女役の本田貴子さん、きくり役の酒井香奈子さん、山童(やまわろ)役の椎名へきるさん、御景ゆずき役の佐藤聡美さんのキャストが参加。トークショーや生アフレコのコーナーで作品の魅力を伝えたのをはじめ、主題歌「月華-tsukihana-」を歌うアーティスト、北出菜奈さんもステージに立つライブのコーナーでも会場のファンを魅了した。
「まるでお葬式のような舞台設定で、作品の世界観を感じることができた」というステージのもようを以下にレポートしてみよう。
中央に葬壇には白菊やロウソクが飾られ、左右に白と黒の垂れ幕、裏方のスタッフは全員喪服姿というお葬式を模した舞台設定で始まった「地獄フェスティバル'09」。TVアニメ『地獄少女』シリーズ3作のダイジェスト映像の上映が行われると、能登さん、松風さんら出演キャストがステージに上がり、イベントの幕が切って落とされた。
●映像とともに振り返る『地獄少女 三鼎』。名場面の数々に会場も涙……。
最初に届けられたステージは、出演キャストが自身の演じるキャラクターの視点で『地獄少女 三鼎』の名場面を振り返る、「キャストが選ぶ心に残るシーン」のコーナーで、上映とそのシーンを選んだ理由がキャストより発表された。
トップバッターの松風さんが選んだシーンは第6話「わたしのセンセイ」より、一目蓮が地獄通信に名前を書き込まれてしまうシーン。女性とにモテる(?)一目蓮の姿をコミカルに語る松風さんが会場の空気を和ませる。続く菅生さんが選んだシーンは第7話「うそつき」から。センセーショナルなシーンだが、親子の絆には他人は足を踏み入れられないことが垣間見られるものとなった。酒井さんが選んだシーンは同じく第7話のおしおきのシーン。「人助けと言いながらも人の不幸を愉しむ業の深さ」が印象的なものに。そして本田さんが選んだ第13話「六門燈籠」、佐藤さんと椎名さんが選んだ第25話「ゆずき」、能登さんが選んだ第26話「魂の軌跡」は、ゆずきにまつわるシリーズの中でも衝撃的で感動的なシーン数々を会場に届けた。
さらにはスタッフが選んだ「心に残るシーン」も上映。地獄へ流される者のおしおきシーンのダイジェストを届けて、神妙な空気に包まれた会場の雰囲気を和ませた。
●Webラジオ「地獄配信」の公開録音。今度は笑いで盛り上げた。
Webラジオ「地獄配信」の公開録音、題して「後悔放送」も実施された。
通常は能登さんがパーソナリティを務めているこのラジオ。イベントでは松風さんにバトンタッチして、聴いて後悔しないようにと、あえて「後悔放送」と銘打開始された。能登さんへの配慮なのか(?)、松風さんをはじめゲストで参加したキャスト全員が、みんな閻魔あいの口調を真似て挨拶するなどギャグテイストに番組を届けた。
「後悔放送」で行ったコーナーは、身の回りのおまじないや都市伝説を発表する「うわさ配信」と、思い出したくない恥ずかしい思い出を、スワンボートで地獄に流してしまう「恥獄通信」。「うわさ通信」には、椎名さん、酒井さん、佐藤さんがゲスト参加して自身の経験を紹介。「恥獄通信」には能登さん、菅生さん、本田さんがゲスト参加してそれぞれの経験を紹介した。椎名さんのロマンチックな(?)恋のおまじないや、能登さんの今でしかいえない恥ずかしい体験などは、聴く者の高い関心を集めていくことに。
●朗読劇に生アフレコで、声優の妙技を魅せた!
イベントも後半、キャストたちは、声優の妙技で会場を魅了する。『地獄少女』の全シリーズのシリーズ構成を務める金巻兼一さんがこのイベントのために書き下ろした「地獄少女 ザ・ゲキメーション生」を朗読劇で届けたのをはじめ、続く生アフレコのコーナーでは、第1話「奪われた少女」、第6話「わたしのセンセイ」、第17話「藁の中」、さらにはファンにとっては堪らないあいの地獄流しの際の口上や、第24話以降の感動のクライマックスをダイジェストで届けた。TVでも印象に深かったラストのシーンは、イベントでも涙なしには見られない感動的なものとなっていく。
●ライブのコーナーでも『地獄少女』の世界観が会場を包む。
イベントの最後の出し物となったミニライブ。まずは、北出菜奈さんが登場し「月華-tsukihana-」を含む2曲を歌い上げた。ステージで挨拶に立った北出さん。
「この曲は地獄少女を意識してつくった曲ではないのですが、原曲のまま作品の主題歌として用いていただいてたいへんに光栄に思います。地獄少女は重いテーマを描いていますが、光あるところには必ず影がある。影であっても、それを受け止め前に進んでいくということには、とても共感のもてる作品です」
とコメント。ゴスロリファッションに和テイストを取り入れた衣装で、スタイリッシュにそして妖艶なステージを贈る。
続く酒井さんは「地獄少女 ザ・ゲキメーション」オープニングテーマ「きくり姫小唄」を歌唱。「口調はきくりに、でもわらべ歌なので気持ち男の子に近い感じに歌い上げています」と1曲歌い上げた。そしてラストは能登さんが、エンディングテーマ「いちぬけ」を歌唱。いずれも貴重な歌のステージをファンの目に焼き付けた。
●「いっぺん死んでみる?」で締めくくったフィナーレ。
フィナーレはキャスト全員がステージに集合するとそれぞれメッセージをファンに寄せる。
ラストはテープの吹雪が舞う中、「地獄フェスティバル'09」は閉幕する。
これまで3つのTVシリーズを発表し、さまざまな展開でも人気の高さを示した『地獄少女』。まだまだ人の怨みの輪廻や地獄流しは終わることのない宿命であるかぎり、あいたちの物語はこれからもなお、続いていくことだろう。