人気オンラインRPG『メイプルストーリー』のテーマ曲が12月23日にリリースされるeufonius。09年を駆け抜けた彼らの意欲作「ディヴィニティ」にせまるスペシャルインタビュー!
『神曲奏曲ポリフォニカ』や『true tears』などのアニメやゲームのテーマ曲を数多く手がける音楽ユニット、eufoniusが12月23日に「ディヴィニティ」をリリースする。人気オンラインRPG『メイプルストーリー』の11月度テーマ曲になったこの曲は作曲・編曲の菊地創さんとボーカル・作詞のriyaさんが口をそろえる“アグレッシブな曲”。eufoniusとしては珍しい4つ打ちサウンドに挑戦し、スピード感と力強さあふれるナンバーになった。
しかしいつものeufoniusらしくファンタジックさ、おなじみとなった転調や、riyaさん独特の造語コーラスはしっかり軸として残っている。なおこの曲は『メイプルストーリー』ゲーム内のスタート画面で12月16日まで聴ける。
カップリングの「natalis」はリリース時期に合わせたクリスマスムードを漂わせるウインターソングでやさしく温かい雰囲気の曲だ。
メジャー5周年を迎えたeufoniusが2009年の締めくくりであり、2010年へのスタートと位置づけた意欲作からeufoniusの新たな進化が見えてきた。
●『メイプルストーリー』のテーマ曲らしく「ディヴィニティ」はアグレッシブ
――人気オンラインRPG『メイプルストーリー』のテーマ曲を担当することが決まった時の感想は?
菊地創さん:『メイプルストーリー』はとても有名なオンラインゲームだったのでもちろん知っていました。だからテーマ曲のお話をいただいた時はとてもうれしかったですね。
riyaさん:私もお話を聞いてすごくビックリしました。でも驚きはそれだけじゃなくて……。
菊地さん:いろいろなアーティストさん達がテーマ曲を担当していく企画で、僕らがトップバッターなので気合が入りました。最初からアグレッシブにファンの方のハートをつかんでいく感じで作ってみました(笑)。
――タイトルはどんな意味があるんですか?
riyaさん:“聖なるもの”という抽象的な意味なんですけど、誰にでもそういうものがあると思うので聴いてくださる方にそれをイメージして聴いていただきたいです。みんな、目指す場所やゴールは違いますから、それぞれの“ディヴィニティ”で(笑)。
●eufonius初のアカデミックな4つ打ちサウンド
――菊地さんが作曲・編曲を担当されていますが、どんなことを意識してサウンド作りをされたのでしょうか?
菊地さん:攻撃的だけどキャッチーさは出しつつ、eufoniusの持ち味である疾走感や爽快感は今まで以上に前面に押し出しています。そういう部分はアニメのOP曲以上に意識して作りました。
――出だしはゆるやかにおとなしめでサビに駆けて勢いよく飛び出すような。
菊地さん:『メイプルストーリー』がRPGなので冒険の始まりや広大な世界を旅するような感覚になってもらうことが軸にあったので、段々盛り上がって、サビに一気に開ける展開をより強調しました。
――今回のサウンドの聴きどころを教えてください。
菊地さん:まずeufoniusには珍しい4つ打ちです。4つ打ちの曲ってデジタルくさくなると結構チープになってしまうので、eufoniusらしく生楽器を多く使って、アコギも入れたし、ベースもあの速いテンポで弾いていただいて。コード展開も僕ららしく、アカデミックな4つ打ちサウンドを目指しました。あとはサビの造語コーラスがポイントですね。あれはやりたかったんです。
riyaさん:私も入れたかった(笑)。
●サビの掛け合いの造語コーラスに注目!
――詞はriyaさんが書かれてますが、どんなことを心がけて書いたのですか?
riyaさん:曲のデモを受け取った時、これだけ曲がアグレッシブだから詞も今までにない強さを入れてみようと。前向きな曲はいっぱい書いてきましたが多少はやさしさのエッセンスも入っていましたが、サウンドがサビの開ける感じや4つ打ちなどすごかったので語調も強めで(笑)。遥かなる旅がテーマで、決して歩みを止めない前向きさを感じてもらえたらいいですね。
――詞で気に入っているところを挙げてもらえますか?
riyaさん: サビですね。歌詞カードに載っていませんが掛け合いのコーラスも今までのような補助的な役割ではなく、メインに匹敵するくらいインパクトがあるフレーズにしました。歌っていても気持ち良かったです。聴いてくださる皆さんにも気に入っていただけたらいいなと思います。
――レコーディングは順調でしたか?
菊地さん:メインパートが苦労したかもしれないですね。勢いがあって、速いテンポで強く歌うから。しかもしっかり転調も入っているし。
riyaさん:そうなんですよ!(笑) でもコーラスは楽しかったです。メインを歌い終わって、大きな山を越えた安堵感もあるかもしれないけど(笑)。
●「natalis」はeufonius風のクリスマス&ウインターソング
――カップリングの「natalis」は対照的に冬っぽいミディアムナンバーですね。
riyaさん:発売日がクリスマスイヴイヴなので(笑)、そういう雰囲気の曲を作ろうかと。
菊地さん:直接的なクリスマスソングではないんですが、雰囲気クリスマスソングみたいな(笑)。
――ちなみにタイトルの意味は?
riyaさん:ラテン語で“誕生”という意味があるんですけど、フランス語でクリスマスを指す“ノエル”の語源にもなっています。そのまま「ノエル」ではつまらないと思ったら見つけて。きれいな響きだったので使いました。
――アコースティックな雰囲気の温かく澄んだ空気感のある曲ですが、サビでクラシックな時計の歯車のような音が聴こえてきて、ひと工夫は忘れない(笑)。
菊地さん:リズムでも変わった音も使って世界観を表現してみました。サビの造語のコーラスもしっかりあって。ファンの方もサビまで聴いて、「あっ、eufoniusだ」と安心するし、僕も安心する(笑)。
riyaさん:歌っている私も安心します(笑)。
菊地さん:「ディヴィニティ」と同じくサビのコーラスがポイントになっています。コーラスを多用して世界観を作っている曲という点では一緒で、一聴すると対極的な2曲ですが統一感は出せていると思います。
●ジャケットは岸田メルさんが二人をイメージした描き下ろし
――ジャケットはアニメ『ソ・ラ・ノ・ヲ・ト』のキャラクター原案やゲーム『ロロナのアトリエ』のキャラクターデザインなどを手がける岸田メルさんの描き下ろしですね。
riyaさん:私達のCDのジャケットの中でも最高と言っても過言ではない素晴らしい仕上がりですね。
菊地さん:僕ら二人をイメージして、冒険の要素も入れて、描いていただきました。タイアップものだとその作品のイラストがジャケットに使われることが多いので、今回は嬉しいです。僕らからもいろいろな要望を出させていただきましたが、想像以上に素敵なジャケットになりました。
riyaさん:ジャケ買いでもいいくらい価値があると思います(笑)。
●リリースラッシュで終えたメジャーデビュー5周年
――ここで2009年を振り返っていただけますか?
菊地さん:CDのリリースラッシュでしたね。今回のCDを入れてシングル4枚、アルバム1枚、自主制作盤1枚……。
riyaさん:それに参加したイメージアルバムが数枚あって、本当に充実した1年でした。
菊地さん:今年はメジャーデビュー5周年でしたがいい節目になりました。祝う時間はなかったけど(笑)。
riyaさん:駆け抜けてあっという間に終わりますね。本当に早かった(笑)。
――2010年の抱負や目標を聞かせてください。
riyaさん:ライブやイベントができたらいいなと思います。CDのリリースもこの調子で続けていきたいです。
菊地さん:「ディヴィニティ」は2009年の最後に出すシングルですが、2010年の幕開けを飾る曲になったと思うので精力的に活動していきたいです。そして遅ればせながら6周年記念も祝う機会があればいいなと思っています(笑)。
●2010年も「ディヴィニティ」のようにアグレッシブに!
――皆さんへメッセージをお願いします。
riyaさん:またひとつ新しいことにチャレンジしたアグレッシブな1曲になりました。『メイプルストーリー』では12月16日までゲーム内のスタート画面で聴けますので、忘れずに、お早めにアクセスしてください(笑)。カップリングの「natalis」はeufoniusからのクリスマス&ハッピーニューイヤーのメッセージカード代わりの1曲です。この曲を聴いて良い年末を迎えてください。そして来年もeufonusをよろしくお願いします。
菊地さん:2009年のリリースラッシュを締めくくりにふさわしい自信作ができました。「ディヴィニティ」は4つ打ちなど珍しい試みに、造語コーラス、お決まりの転調といつものeufoniusらしさを詰め込んだぜいたくな1曲です。いつものミュージシャンと違う試みもやっていて、ストリングスがないところとか新鮮さを感じていただけると思います。ゲームの世界とのリンクも意識して作ったので『メイプルストーリー』と合わせて楽しんでください。来年も「ディヴィニティ」のようにアグレッシブに攻めていきますのでご期待ください。
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