新サービスは“遊園地”に“ミュージカル”！？ そしてJASRAC講座も開設！！ 想像を超えた進化に小室哲哉氏も登場！『ニコニコ大会議東京ファイナル2Days』をレポート

　ニワンゴは、2010年2月19日・20日、東京・JCBホールにて、『ニコニコ大会議2009-2010 ニコニコ動画（9）全国ツアー ファイナル 2Days in 東京』を開催した。同イベントは、全国を周りながら様々なニコニコ動画の新企画などを発表し、ニコニコアーティストたちが参加してパフォーマンスを繰り広げてきた今回の『ニコニコ大会議』の最後を飾るイベントだ。

●夏野剛氏が2010年度中のニコニコ動画黒字化を宣言！

　初日19日冒頭は、ニワンゴ取締役の西村博之（ひろゆき）氏、ドワンゴ取締役の夏野剛氏らが登場。ツアーに関しては「地方会場の弁当はすごくうまいのにJCBは……」といった具合に笑いをとったり、ひろゆき氏が「反省してま～す」とバンクーバー五輪をネタにしたりとゆるいトークを繰り広げたが、夏野氏からは「（無料招待の）ニコニコ大会議で億単位の経費が掛かっている」というシビアな話も。しかし、「ニコニコ大会議のようなイベントをやらなければ黒字化できるラインには来ている。2010年中には、できれば3ヶ月連続（四半期）で黒字を達成したい」と前向きな展望が語られた。

　そして、新サービスとして発表されたのが、「ニコニコ遊園地」と「ニコニコアプリ」。「ニコニコ遊園地」は、ニコニコ生放送を行っている放送主と一緒にゲームが楽しめるサービスで、ステージでは「麻雀」を実演。「麻雀」は3月には実装されるほか、ひろゆき氏からは「グループ企業にチュンソフトなどがあるので、ゲームの提供を受けるかも」などの言葉も。この「ニコニコ遊園地」を含むのが、様々なアプリケーションを提供する「ニコニコアプリ」で、こちらは年内実装に向けて動いていくようだ。

　また、日本シンセサイザープログラマー協会会長で、YMO第4のメンバーと呼ばれた松武秀樹氏らによる「二次創作オンラインワークショップ　MIDI調教講座」を2月22日・23日、JASRAC常務理事の菅原瑞夫氏による「二次創作オンラインワークショップ　著作権講座」を開催することも発表された。

　19日後半には、「ニコ生☆生うたオーディション ～注文の多い音楽祭～」の決勝大会を実施。ニコニコ動画のボーカリストから、「ユーザー大賞」と「生うた大賞」を選出するというもので、ニコニコ生放送や会場からのユーザー投票と、ピンクレディや山口百恵に楽曲を提供した作曲家・都倉俊一氏ら審査員によって審査が行われた。ユーザー投票には「うちの奥さん（KEIKOさん）がニコニコ動画プレミアム会員」という小室哲哉氏もスペシャルゲストとして参加した。「ユーザー大賞」は大トリで圧倒的な歌唱力を披露したキャシャさんが獲得したものの、「生うた大賞」は該当者なしという結果に。審査員特別賞は高田虎太郎さんと“でにろう”さんが受賞したが、ニコニコ生放送でダントツの得票率を獲得した“やまだん”さんはまさかの賞なしという結果に。会場からはやまだんさんへの大歓声と、ひろゆき氏からの「やまだんさんは無冠の帝王路線でどんどんやってもらいたい」との言葉が贈られていた。

→次ページでは20日の模様を紹介！

2日目（20日）大団円のフィナーレ。

ニワンゴ取締役の西村博之（ひろゆき）氏。ニコニコ動画の赤字担当？

ドワンゴ取締役の夏野剛氏。ニコニコ動画の黒字担当らしい。

『ニコニコ麻雀』ではニコ生放送主との対局も可能で、3月には実装予定。

本格焼酎「ニコ酎」の発売が発表された。

●「外国の人が見たら、みんな有名芸能人だと思うよね（ひろゆき氏）」

　20日に開催された「ニコニコ大会議」2日目は、ニコニコアーティストによるライブがメイン。ライブを楽しみに来たファン中心で、客席の雰囲気も前日とはかなり違い、女性ユーザーが非常に多いのも印象的だ。冒頭、「今日は一人のニコ厨として来ました！」という桃井はるこさんと、ニコニコ動画で人気のニコニコアーティストたちが登場すると、会場は大歓声。これにはひろゆき氏も「外国の人が見たら、全員すごい芸能人だと思うよね」と脱帽だ。この日は「ニコ酎」という新商品（焼酎）が2月25日に発売されることや、プレミアム会員全員に500ニコニコポイントが配布されることを発表。当初は「期間中新規登録をした人」が対象とのことだったが、ひろゆき氏が「これ今の会員はみんな辞めて入会しなおすんじゃないの？　まずくない？」と問いかけると、舞台裏で何やらやりとりが。そして既存全員にもプレゼントされることが発表されると会場は大喝采だったが、急遽決定した大盤振る舞いに、黒字化が遠のいた夏野氏は複雑な苦笑を浮かべていた。

　そして2日目最大の発表が「ニコニコ動画でミュージカルを作る」という企画。仕掛け人として会場に登場したのが、『ミュージカル テニスの王子様』など数多くの舞台・アニメを手がけてきたプロデューサー・片岡義朗氏。片岡氏はニコニコ動画のユーザーから出演者を募ることを宣言し、「ひろゆき氏にも出ていただきたい」とのコメントも。今後、ミュージカル制作に向けてのワークショップを行なっていくにあたり、まずは2月27日、ドワンゴ社員によるワークショップ実演風景を配信するとのことだ。また独特のフレーズで人気のファッション誌「メンズナックル」の読者モデルをニコニコユーザーから探す企画なども発表された。

　そしてイベントの後半は、ニコニコアーティストたちによるライブ。王族BANDや[Mint]の生演奏で、桃井はるこさんが初音ミクの原曲キーに挑戦した「メルト」、「ロミオとシンデレラ」。やまだんさん＆鋼兵さんによる「恋のホイホイチャーハン」など、名曲の数々に会場は熱狂。ラストは出演者全員が登場しての「smiling」、そしてアンコールの「翼をください」の大合唱で、ライブは大団円となったのだった。

＜撮影・文：中里キリ＞

>>ニコニコ動画(9)

夏野氏に注がれ、焼酎を一気に飲み干すひろゆき氏。

ニコニコ動画のコンテンツ強化のため、『ミュージカル テニスの王子様』などで辣腕を振るった片岡義朗氏が登場！

まだ見ぬ素材、まだ見ぬイケメンを求めて片岡氏の目が輝く。ミュージカル出演者は16歳以上なら年齢・性別を問わないとのこと。

ライブにはモモーイも登場！　客席の盛り上げ方や、全員の大合唱でも確かに聴こえる声の存在感と音圧は流石の一言。

ニコ生歌オーディション審査委員長の都倉俊一氏からは、「現時点でプロとしてデビューできるレベルの人はいない」と厳しい言葉も。

　　　　

トークコーナーに登場した陣内智則氏は、未知のニコニコ動画文化と会場の雰囲気に圧倒されるばかりの様子。

アンジェラ・アキ「This Love」を歌ったキャシャさんが圧巻の歌唱力で「ユーザー大賞」に。

登場時は軽く滑り気味だったやまだんさんだったが、きただにひろし「ウィーアー！」が『ONE PIECE』主題歌だった時の冒頭ナレーションや台詞を完全再現し、ユーザー投票者の心を鷲掴みにした。

五月みどり「熟女B」のアカペラで入場してきたでにろうさんは、本番では中森明菜「少女A」を熱唱。少年離れした選曲と将来性で審査員特別賞を勝ち取った。

　　　　

初日の締めは、ピアノのおねえさんとして生うたオーディションを支えた妃田智さんの圧巻のピアノライブ！　しかしひろゆき氏は絶対領域に注目。

ベジータ芸人として知られるＲ藤本氏は客席から観戦。カメラで抜かれるたびに爆笑をさらうが、イベント中常にベジータのままだったのは流石。

桃井はるこさんと、ティッシュ姫さんの共演。

DANCEROID（いとくとらさん、ミンカ・リーさん、愛川こずえさん）の3人はダンスで魅せた。

　　　　

ゴムさんは[Mint]の演奏をバックに圧倒的な声援を受けていた。

フィナーレには、総合格闘技イベントPRIDEのコールでも有名で、イベントを盛り上げたレニー・ハートさんも登場！

アンコールには、ついにあのツンデレベジータもステージで歌った！