ドラマCD「浅見光彦シリーズ」には原作者内田康夫先生がナレーションとして参加!熱演された内田先生よりコメントを頂きました!
2010年に作家生活30周年を迎える内田康夫。そのベストセラー作家・内田康夫の代表作「浅見光彦シリーズ」の初のドラマCD化が進行している。
このドラマCDは、主役である浅見光彦役の羽多野渉さんをはじめ、豪華声優陣が出演。さらには原作者の内田康夫先生がナレーションで参加している。
初のナレーションを終えた内田康夫先生から、コメントが到着した。
原作者がナレーションで参加するというドラマCDの企画が持ち上がった時、僕は大いにやる気だった。自作のドラマに出演するというのは、作家どものひそかな願望なのである。それもちょい役ではなく、ドラマの骨格を語るナレーションを受け持つとなれば、責任重大だし、やり甲斐もある。それに、たとえ音声のみとはいえ、聞いていただけば分かるとおり、僕の演技力もなかなか捨てたものではない。監督も「アマチュアにしては上手い」と、褒めたのか貶したのか分からないような言い方で、OKを出してくれた。
浅見光彦の事件簿は二〇一〇年八月現在までに一一〇を数える。浅見が初登場する『後鳥羽伝説殺人事件』を書いていた頃には予想もしていなかったが、「浅見光彦シリーズ」はテレビドラマ、映画、舞台、さらに漫画やゲームの世界にまで進出した。そして今回、ドラマCDという新たなジャンルがまた一つ加わった。
小説を読むという作業は、想像力をかき立てる楽しさがあるけれど、テレビドラマや映画は視覚でイメージを固定化してしまう欠点がある。そこへゆくと音声によるドラマCDは、受動的でありながら、聴く人それぞれを思い思い、空想の世界に遊ばせる。効果音やBGM。登場人物のちょっとした息遣い――目を閉じれば、そこにあなた独自の浅見光彦がいて、物語世界を動き回るのである。
もちろんそのためには、小説とはひと味違ったシナリオや演出が必要だし、声優たちの魅力が加味されなければならない。くどいけれど、ナレーターの役割も大切だ。今回、一緒に仕事をさせてもらって、ドラマCD制作の難しさを痛感するのと同時に、仕上がった作品に、原作にはない面白さを発見した。その魅力を僕の美声(?)とともに楽しんでいただければ、原作者冥利に尽きる。
ドラマCD 浅見光彦シリーズ「後鳥羽伝説殺人事件」
2010年9月23日発売予定
品番:FFCN-0002
定価:3,150円(税込)
出演:羽多野渉、小西克幸、野島裕史、置鮎龍太郎、三宅健太、斧アツシ、中田譲治、大塚明夫、谷育子、内田康夫 他