アニメ『ミルキィホームズ』スペシャル企画――怪盗帝国アルセーヌ役・明坂聡美さんにインタビュー“アルセーヌ様は「ペロペロ」弾幕を見ていた！”

　ブシロードが手がける完全オリジナル作品として、現在TVアニメが好評放送中の『探偵オペラ ミルキィホームズ』。主人公・ミルキィホームズ、そして警察に所属するG4にとって、追いかけるべき強大な好敵手として登場するのが怪盗帝国の4人だ。

　怪盗帝国のメンバーは、変装の名人であり、ことあるごとに服を脱ぐナルシストの変態でもあるトゥエンティ（岸尾だいすけさん）、戦いのスペシャリストであり、学園ではミルキィホームズたちにイモばかり食べさせる非情な顔も見せるストーンリバー（寺島拓篤さん）、発火のトイズと爆弾を駆使する無邪気なラット（下野紘さん）と個性派ぞろい。そんなスリーカードの3人を率いるのが明坂さんが演じる、幻惑のトイズを駆使する美しき女怪盗・アルセーヌだ。番組エンディングではアルセーヌのセクシーなカットがこれでもかと登場するほか、本編では偵都唯一の常識人？　生徒会長アンリエットとしての顔も大人気のキャラクターなのだ。

　今回はアルセーヌ／アンリエットを演じる明坂聡美さんにお話を伺ったので紹介しよう。
＜取材・文：中里キリ＞

明坂聡美さん

──まずは演じているキャラクターの紹介をお願いします。

アルセーヌ／アンリエット・ミステール役・明坂聡美さん（以下明坂）：アルセーヌは“怪盗帝国”の4人のメンバーのボスです。偵都ヨコハマの様々な宝石を盗む怪盗なんですけど、それ以外にアンリエットという別の顔を持っています。怪盗は探偵と敵対しているんですけど、なぜかミルキィホームズたちを育てている探偵学院の生徒会長をしています。ゲームでは本当に敵対しているんですが、アニメでは怪盗もやりつつ好敵手を育てているような不思議でミステリアスな面も持っています。ミルキィホームズから見て、アンリエットの場合はすごくいい先輩であり、お手本であり、アルセーヌは憎むべき敵であり……という側面を持ったキャラクターです。怪盗帝国のアルセーヌはすごく女王様な性格で、スリーカードと言われるラット、トゥエンティ、ストーンリバーを信頼していますが、自分の支配下においてあがめられているような、高貴な存在です。

──演じるときに、二面性の演じ分けなどはありますか？

明坂：はい、アンリエットとアルセーヌは本当に性格が違っていて、アルセーヌはとにかく美しく、スマートに宝石を奪うのが第一条件なんですが、アンリエットは冷静沈着で手の内を見せないというか。それでいて内にはミルキィホームズたちに対する優しさを秘めていて、全く別人のような形で演じています。

──敢えて自分に似ている面を挙げるなら、アルセーヌとアンリエットどちらですか？

明坂：えー！どっちでしょう。アンリエット……ですかね。崇拝されてるわけでも冷静沈着でもないんですけど、小学校のころに委員会の委員長とか生徒会の役員とか、わりとみんなを仕切る立場が多かったので。年にいろいろあるなんとか実行委員とか、クラス委員の委員長とか、なんでもはぁい！　って手を挙げてやってました。みんなを手中に収めて動かすという……黒いですね（笑）。

──先にお話を伺った南條さんによると、こうした色っぽい役は初めてで緊張してらしたとか。

明坂：本当に色っぽくってのが、自分の声で出せるわけがないって先入観があって、どうやって引き出せばいいか本当にわからなくって。それでいろんな方の声を聞いたりだとか、自分の声を録音して、どうすればきれいに聞こえるだろうとか色々考えていたりしました。最初のゲームの収録で“こういった形で”という方向性を固めてもらったので、それをアニメのほうに持ってきた感じです。

──ゲームとアニメでキャラクター性の違いはありますか？

明坂：アンリエットが全然別人みたいですね。これから発売されるゲームはどちらかというと腹黒くて、耳元でこそっとささやくような感じなんです。「貴女、そろそろヤバいですわよ」みたいな。その顔をアニメでは全く出さなくてしっかりした手厳しい生徒会長さんで、ゲームをプレイした人は最初びっくりすると思います。

──ファンの声や、ニコニコ動画のコメントなどを見ていると、アンリエットが主人公じゃないかとの声もあります。

明坂：コメントすごいですよね。昨日も見てたんですけど、（アンリエットに対する）コメントにぺろぺろってたくさんあってひどいなって（笑）。一回目は東京MXの地上波で見て、それから皆さんの反応が気になってニコニコ動画に見に行くんです。皆さんのコメントで、エンディングでこっちの方が主人公みたいとかいただいたりもして。アルセーヌもアンリエットもみんなによく受け止めてもらってるんだってのが感じられて、良かったぁって思います。

アルセーヌ

アンリエット

──怪盗帝国のPVのようなエンディングは、非常にドキドキします。

明坂：私も第1話で見て度肝を抜かれました。ええっ、そんなことにって。最初のテープの状態では、オープニングとエンディングは入ってなかったんです。だからミルキィホームズの4人が歌ってかわいく終わるんだろうなと思ってたら、まさかあの飛蘭さんのかっこいい曲で（怪盗帝国の）4人がわーって出てくるとは思わなくて。すごかったですよね、へそピアスとか！

──それと南條さんから質問なんですが、「怪盗帝国の3人をぶっちゃけ内心どう思ってる？　アルセーヌ様はなんで3人を採用したの？」とのことです。

明坂：それは私も疑問に思う点が多々ありました（笑）。実は今日収録したエピソードで怪盗帝国結成のきっかけが描かれているんですが、それまではいつも脱ぐトゥエンティ、ラットも暴れん坊な感じの子供で、ストーンリバーは一生懸命だけど真面目すぎておかしなところがあったり、なんでこのメンバーなんだろうと思ってました（笑）。でもアルセーヌ様の魅力や思想に賛同してきてくれた3人なので。仲がいいのか悪いのかもわかりませんが、ちゃんとやってこれたのでこのメンバーで良かったのかなって今は思います。

──これまで収録した中で、印象に残っているエピソードはありますか？

明坂：10話で怪盗帝国に関するエピソードが明かされたり、みんなが決裂する部分があったり。アルセーヌ様の意志や感情の起伏が一番激しい話なので、ぜひ見てほしいですね。

──ライバルのミルキィホームズで気になるキャラクターとかはいますか？

明坂：エリーですね。アフレコでもエリーの声優さん（佐々木未来さん）がすっごく大変そうなんです。というのも、エリーは「あっ」とか「うっ」とかしか発言しなくて、どちらかといえば影が薄いキャラクターで、第1話には1人だけ影がないシーンとかあるんですけど（笑）、声が色っぽいシーンがあって、今日も「あん」て一言の台詞に何十回もリテイクがかかっていたりして。聞いていると面白いんですけど、大変そうです。かわいくて色っぽくて、好きですね。

──ゲームの方での見どころを教えてください。

明坂：ゲームでは4人の探偵たちが、小林オペラと一緒に怪盗帝国を追いつめます。推理パートだったりアニメーションのバトルパートだったりがあって、恋愛シミュレーション＋探偵ものって感じです。アニメでは生徒会長のアンリエットの出番が多くてそちらの面が目立っているんですが、ゲームではアルセーヌ様のセクシーさもたっぷり出ています。ブースに何時間もこもったんですが、そのうち1時間ぐらいキャラクター構成でああでもないこうでもないと考えながら作った私の新境地みたいなところがあるので、ぜひ見ていただきたいです。

──アニメの収録スタジオはどんな雰囲気ですか？

明坂：スタジオはてんやわんやですね。普段はミルキィホームズがかけ合いしてるんですが、G4が出て怪盗帝国が出て……となると、マイク前が大変なことになります（笑）。トゥエンティの（岸尾）だいすけさんが素晴らしくって、今日も2ページくらいひたすら泣いている長台詞のシーンがあったんですけど、あのテンションで一発OKで……本当に勉強になるし楽しいしで、笑いをこらえるのに必死なんです。

──探偵と怪盗はみんなトイズ（特殊能力）が使えるという設定なんですが、使ってみたいトイズはありますか？

明坂：物を片付けられるトイズがあったらいいなって思いますね。私、とにかく片付けが苦手で、その日に着る服でも（合わせてみて）似合わないって思ったら、ぽいって（そのあたりに）投げっぱなしでそのままなんです。だからちゃんと畳んだりできるトイズがあったらいいと思います。

──アンリエット様の部屋は片付いていそうですよね。

明坂：何もかも美しく収納されていそうですよね。8話に、みんながベッドで寝ているアルセーヌに服を着せなきゃってシーンがありましたが、クローゼットの中に怪盗の衣装も全部きちんとかけられているのを見て、“あー！私とは違うーっ”って思いました（笑）。

──最後にファンの皆さんにメッセージをお願いします。

明坂：これから物語も加速していって、エンディングに向けてシリアスな面も入ってきます。色々なキャラクターの感情が交錯したりもして。アルセーヌとアンリエット、怪盗帝国のみんなも、皆さん応援してくれるとうれしいです。

トゥエンティ、二十里海（CV：岸尾だいすけ）

ストーンリバー、石流漱石（CV：寺島拓篤）

ラット、根津次郎（CV：下野紘）

＜TVアニメ『探偵オペラ ミルキィホームズ』＞
TOKYO MX、毎日放送ほか全国8局にて放送中
（ニコニコ動画でも配信中）

【ストーリー】
シャロ、ネロ、エリー、コーデリアの4人は、トイズと抜群のチームワークで数多くの事件を解決してきた「ホームズ探偵学院」の人気者。学生だけでなく偵都ヨコハマの市民たちからも「ミルキィホームズ」と呼ばれ、憧れの的だった。だが、ある嵐の夜、宿敵「怪盗帝国」とのバトルの最中に「ミルキィホームズ」の 4人はそれぞれのトイズを失い、その運命は激変してしまう…。

【CAST】
シャーロック・シェリンフォード／三森すずこ
譲崎ネロ／徳井青空
エルキュール・バートン／佐々木未来
コーデリア・グラウカ／橘田いずみ
アルセーヌ／明坂聡美
トゥエンティ、二十里海／岸尾だいすけ
ストーンリバー、石流漱石／寺島拓篤
ラット、根津次郎／下野紘
明智小衣／南條愛乃
長谷川平乃／新谷良子
遠山咲／田村ゆかり
銭形次子／沢城みゆき　ほか

【STAFF】
製作総指揮・原案／木谷高明
企画・原作／ブシロード、クロノギアクリエイティヴ
監督／森脇真琴　
シリーズ構成／ふでやすかずゆき　
キャラクター原案／たにはらなつき（EDEN'S NOTES）・うさはらゆめ　
キャラクターデザイン／沼田誠也　
美術監督／小林七郎
色彩設計／日野亜朱佳
撮影監督／五十嵐慎一
編集／後藤正浩
音響監督／明田川仁
音楽／原田勝道
アニメーション制作／J.C.STAFF


●『探偵オペラ　ミルキィホームズ』Blu-ray＆DVDも発売決定！
第1巻（第1話収録）
2011年1月19日発売
Blu-ray3,990円（税込）／DVD2,940円（税込）
発売元:ポニーキャニオン

【初回生産限定封入特典】
・「ブシロードカードゲームライブ2011」ライブパンフレット縮刷版&入場応募券
第1巻初回版購入者から抽選で1,000名様を、「ミルキィホームズ」が出演予定の「ブシロードカードゲームライブ2011」（2011年2月27日・パシフィコ横浜・国立大ホールにて開催）にご招待!!※応募が必要です
・「ヴァイスシュヴァルツ」4ポケットバインダー
・「ヴァイスシュヴァルツ」PRカード1種4枚
【映像特典】
・ライブ予習のための「ミルキィホームズ」ミュージッククリップ

※仕様は予告なく変更する場合があります。予めご了承下さい。


>>探偵オペラ ミルキィホームズ公式サイト

ミルキィホームズの面々も改めてご紹介！
シャーロック・シェリンフォード（CV：三森すずこ）

譲崎ネロ（CV：徳井青空）

エルキュール・バートン（CV：佐々木未来）

コーデリア・グラウカ（CV：橘田いずみ）