シークレットのヴィクトリカ役・悠木碧さんが特注ゴシック衣装姿で登場! 『GOSICK―ゴシック―』先行試写イベントレポート
2011年1月放送開始のTVアニメ『GOSICK―ゴシック―』の先行試写イベントが、2010年12月27日、東京・角川シネマ新宿にて開催された。
『GOSICK―ゴシック―』は、桜庭一樹さん原作のミステリー作品『GOSICK―ゴシック―』シリーズをTVアニメ化した作品。西欧の小国ソヴュール王国を舞台に、東洋の島国からの留学生・久城一弥が、人形のような少女・ヴィクトリカと出会った所から始まる物語が描かれる。今回のイベントには久城一弥役の江口拓也さん、難波日登志監督、原作者の桜庭一樹さんが参加、さらにこのイベントまで非公開だったヴィクトリカ役キャストも登場するとあって、会場の期待感は高い。
ヴィクトリカはゴシック風の衣装に身を包んだアンティーク人形のような少女だが、頭脳明晰で、原作では“老婆のような”と形容される声を持つというキャラクター。それだけにキャストが注目されたが、先行上映後ステージに登場したのは、ヴィクトリカを思わせる衣装に身を包んだ悠木碧さん! 「ヴィクトリカ役の悠木碧です! すごくドキドキしております。ヴィクトリカ役が誰なのかよく聞かれるとスタッフさんに聞いて、すごく緊張しました。絶対内緒なので役者さんにも言わないように頑張りました!」と挨拶した悠木さんだが、気になるのはなんといっても衣装。この衣装は特注の一点物で、『GOSICK―ゴシック―』とファッションブランド“Innocent World”がコラボして製作したもの。悠木さんも「生地の色からレースまで染めにこだわっているそうで、この本物っぽさはお洋服のブランドさんならではだと思います。」と興奮気味に語っていた。久城一弥役の江口さんも、「僕もこの日を待ってました! OPが入った映像を見て鳥肌が立ちました。オーディションでこの役が決まった連絡を受けた時は、冷静に電話を切った後、よっしゃー!! と叫んだぐらい嬉しかったです」と語っていた。
難波日登志監督は、熱心な原作ファンも多い作品だけに、期待に応えられるか不安だったとのことだが、来場者が満場の拍手で応えるとほっとした様子。監督は作品について、「桜庭さんの小説はイメージを想起させるものなので、それをどう再現するかを考えました。図書館塔や学園を視覚で見えるものにするのに苦労しました。ウィーンやプラハでロケを行なって街並などに生かしてるんですが、そのまま映像化したのではその国になってしまうので、ソヴュールという架空の国を作ることを意識しました」と語っていた。作品の出来映えには原作者の桜庭さんも感激したようで、「私も1話・2話を見て本当に気に入りました。アニメになって、声や音がつき、動くとこんな風になるんだと…。作中の図書館塔がすごく好きで、原作では天井のフレスコ画としか書いていなかったところにも意図が込められているのに感動しました」とのコメント。難波監督はフレスコ画にも意味を込めているとのことなので、放送の際は要注目だ。
注目のヴィクトリカの声については、悠木碧さんは「私初めて読んだミステリが『GOSICK―ゴシック―』なんです。だから、知ってるよ、まかせて! と思いながらオーディションに臨みました。原作ファンの方注目のヴィクトリカの歌もやりました」とのこと。実際のヴィクトリカの声は、悠木さんならではのかわいらしい声に、抑えたトーンで掠れたようなニュアンスを加えた独特の雰囲気。これには原作の桜庭さんも「ちいさい子が低めの声で、時にドスが効いた感じを出すのをイメージしていたので、最初にオーディションで聞いて、ぴったりだ! と思いました。悠木さんご本人もちっちゃくてかわいい方だと聞いて、本当にぴったりだなと…」と絶賛の太鼓判で、原作ファンの悠木さんとは相思相愛の様子だった。また、告知コーナーで江口さんが噛むと、すかさず悠木さんが「久城、しっかり仕事をしたまえ」とヴィクトリカの声で突っ込む場面も。和気あいあいとしながらも、それぞれの作品への強い思い入れが感じられるイベントだった。
なお、出席予定だったシリーズ構成の岡田麿里さんは今回は仕事のため欠席で、悠木さんがメッセージを代読。「脚本はあと2話まで来ています。ヴィクトリカと一弥を愛して愛して愛しまくって最後まで書ききりたいと思います!」とのこと。また、イベントの終わりには、OP主題歌を担当する吉木りささんが飛び入りで登場、「今日はたくさんの方に来ていただきありがとうございます。『GOSICK―ゴシック―』という作品に参加できて嬉しいです。どうか『GOSICK―ゴシック―』、よろしくお願いします!」と挨拶していた。盛り沢山のイベントは、難波監督の「見所はたくさんありますが、ヴィクトリカと一弥の関係性の変化と成長が映像でどう描写されるのかを見て欲しいです。これから突っ走って、いいものを全力で作っていきます。2話、3話とどんどん盛り上がっていくので、よろしくお願いします」との言葉で締めくくられたのだった。TVアニメ『GOSICK―ゴシック―』は、2011年1月7日より、テレビ東京ほかで放送開始予定となっている。桜庭一樹さんの織り成す独特の世界観が、アニメーションでどう表現されるのかに要注目だ。
(取材・文:中里キリ)
>>『GOSICK―ゴシック―』アニメ公式サイト