映画
劇場版アニメ『忍たま乱太郎』きり丸役・田中真弓さんインタビュー

「きり丸ソロパートもあるミュージカルシーンをお見逃しなく!」――劇場版アニメ『忍たま乱太郎 忍術学園全員出動!の段』インタビュー企画第三弾!きり丸役・田中真弓さん

 現在放送中のTVアニメ『忍たま乱太郎』(尼子騒兵衛原作『落第忍者乱太郎』朝日新聞社刊)が原作の連載25周年を記念して、3月12日に初の長編劇場版アニメ『忍たま乱太郎 忍術学園全員出動!の段』が公開されます!

 劇場版アニメ公開を祝して、当サイトでお届けしているリレーインタビュー企画の第三弾は、乱太郎と仲良し3人組の一人、きり丸役を演じる田中真弓さんです。

●つらい過去があってもいつも明るいきり丸は『乱太郎』作品らしいキャラ

――きり丸を演じて19年目に入りましたが感想をお聞かせください。

きり丸役・田中真弓さん(以下田中):まさかここまで長く続くとは思ってもみませんでした。実はオーディションはしんべヱで受けたんです。しんべヱをやって「あっ、違うな」と思って間髪入れず、乱太郎の原稿を読んだら「これも違う!」。そこできり丸の原稿を読んで、よかったなとつくづく思います(笑)。10年くらい経った頃に5年生、6年生の先輩人気で更に盛り上がったのも大きいのかな。そこからドラマCDが出たり、ミュージカルになったり、今年はこの映画と実写の映画があって。すごくビックリしてます。

――ちなみに演じるきり丸についてご説明いただけますか?

田中:小銭好きで、いつもお金お金言ってますね(笑)。きり丸は戦災孤児なので、家族がいる乱太郎やしんベヱをうらやましがるシーンがありますが、決して暗さは見せないんです。それを見せちゃったら『乱太郎』じゃなくなってしまうと思うし。やっぱり最初から最後まで笑って終われるのが一番です!

――この作品の人気の秘密はどこにあると思われますか?

田中:誰でも気軽に安心して見られるところかな。毎日月~金の帯でやってて、作品に詳しくないとわからないものでもないし、その日、たまたま見ても楽しめる普遍性でしょうか。年代を問わず、家族みんなで笑える。あと乱太郎達が成長しないところはいつも近くにいる親近感が湧くのかな。は組なんて、かわい年頃のままだし(笑)。


●笑いと時代背景にこだわり、大人も楽しめる娯楽作品に

――尼子先生は「忍術学園は子供達にとってあこがれの学校」とおっしゃっていました。

田中:あんな授業だったら毎日楽しそうですよね。学園にはいろいろなタイプの先生がいて、生徒がいて。いたずらして怒られたりするけど、お互いを心配し合ったり、助け合う関係は理想かもしれませんね。それにつけてもどのキャラも濃いですね。キャラだけ見ても、おもしろくて満足しちゃう。私が好きな大黄奈栗野木下 穴太(おおきなくりのきのしたあなた)さんならミュージカル風に歌っているだけで爆笑しちゃいます。描くキャラには先生の近くにキャラのモデルになった人がいるそうで。会ってみたいです。

――戦国時代が舞台なのに、キャラ達がみんな笑顔なんですよね。多くの時代劇の中でも異色の作品ですね。

田中:舞台は戦国時代で合戦はあるけど殺伐とせず、基本はほのぼのとしたギャグだから笑えて。アニメならではのウソもあるけど、尼子先生がおっしゃっていたように、子供にもわかる大きなウソで。例えば洗濯機を使ったり、時計してたり。でも室町時代という時代や文化背景に関わる部分にはこだわりがあって。子供達に見せるものだからこそ、手を抜かない姿勢もいいですね。だから大人も楽しめるのではないかと思います。

――劇場化は2度目なんですね。しかも初の長編映画というのは意外でした。

田中:96年に劇場化した時、「毎日見られるものが映画になって、観に来てくれるかな?」と心配になりましたが、たくさんの方に見ていただいて。当時は併映だったけど、今回は単独で長編になることで、TVは2週間くらい続くエピソードをまとめて見るような感覚で、楽しんでもらえると思います。

●きり丸のソロがあるミュージカルシーンが見どころ

――サブタイトルの“忍術学園 全員出動!”にあるように、忍術学園のメンバーが勢ぞろいします。

田中:本当にいっぱい出てますね。最初は3人だけの時もあったのに年を追うごとに多くなって、普段の収録でもイスが足りなくなることがあります。今回はいつも以上に多くて。ぜいたくなキャラの出し方をしてると思います。

――劇場版を見るとTVシリーズのキャラが紹介されているので、入門編としてもいいですよね。

田中:乱太郎、きり丸、しんベヱだけでなく、各キャラの長所が描かれてますからね。でも残念なことがひとつあって。私が好きなキャラ、大黄奈栗野木下 穴太さんが出てないんです。

――ドクタケ忍軍側ですから。どこまで穴太さん好きなんですか(笑)。

田中:あの人が出てくるとミュージカルみたいになるのがいいんです。私も自分の劇団でミュージカルとかやってるし。でも劇中で1カ所、ミュージカルになっているところがあって。それが嬉しくて、喜びいっぱいに歌いました。きり丸のソロもありますよ!


●ギャグがてんこ盛りで笑いが響く劇場に。吉本芸人2人の演技にも期待!

――ギャグのテンポや数の多さもすごいですが、ドラマチックなシーンも。

田中:戦乱の時代らしい策謀もあり、忍術学園が一丸となって行動するシーンは手に汗握りますね。忍たまの行動も事件の原因を作った小松田さんの失敗も笑っちゃいました。笑い声が響く劇場が思い浮かびます。みんなが活躍してるし、よくできたストーリーですね。

――今回、人気お笑いコンビ、ロンドンブーツ1号2号の田村亮さんが手潟潔斎役、次長課長の河本準一さんが大間賀時曲時役を演じます。

田中:別録りだったのが残念です。「お前に食わせる担麺はねぇ!」とかアドリブが入ってるんでしょうか。怖い奥さんも出てきたりするのかな(笑)。


●キャラ達のそれぞれの「絆」の素晴らしさを感じてほしい

――ここに注目してほしいというポイントは?

田中:一番はやっぱり、きり丸が歌うシーンです(笑)。あとは絆かな。忍術学園はみんなが信頼し合っていて。そして、「は組って、いい仲間だな」と思わせてくれます。友情、親子、師弟などいろいろな絆が見られます。身近にいる大切な人を思い浮かべてもらえたらいいですね。

――最後にメッセージをお願いします。

田中:3世代に渡って応援してくださっている方もいて、ありがたいなと思ってます。来年TVアニメは20周年になりますが、スタッフさんもキャスト共々、30年、40年と続けていきたいと思ってます。何世代も続けて応援してもらえるように、私も命ある限り、頑張ります(笑)。劇場版アニメはこれまでの『乱太郎』の魅力が詰まっているので、ぜひたくさんの方に見ていただいて、笑顔になっていただければ嬉しいです。

<取材・文:永井和幸>

劇場版アニメ『忍たま乱太郎 忍術学園全員出動!の段』
3月12日より全国ロードショー!
配給:ワーナーブラザーズ映画
原作:尼子騒兵衛「落第忍者乱太郎」(朝日新聞出版刊)
監督:藤森雅也 / 脚本:浦沢義雄
声の出演:高山みなみ、田中真弓、一龍斎貞友、田村亮(ロンドンブーツ1号2号)、河本準一(次長課長) 他

>>劇場版アニメ『忍たま乱太郎 忍術学園全員出動!の段』公式サイト
>>『忍たま乱太郎』DVD公式サイト
>>実写版『忍たま乱太郎』公式サイト

(C)2011 アニメ版「忍たま乱太郎」製作委員会
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