声優
『MARINE SUPER WAVE LIVE』レポート

『MARINE SUPER WAVE LIVE』が品川ステラボールで開催――プログレッシブなベクトルを持つ4組による夢の饗宴を誌上で再現しちゃうぞっ!

 5月7日に、品川ステラボールにて行われた熱いイベント『MARINE SUPER WAVE LIVE』。出演したのは、BLACK VELVET、斎賀みつき feat.JUST、ELEKITER ROUND φ(日野聡&立花慎之介)、M.O.E.(羽多野渉&寺島拓篤)の4組。ここでは、昼の部の模様をお届けします。

 MARINE ENTERTEINMENTで、それぞれに個性的な活動を行っている4組のアーティスト/ユニット/バンドたち。彼女や彼らたちに共通しているのが,"声優"という活動を柱としながら。みずからの表現活動の一貫として、"音楽"を通した"主張"を行っていること。

 5月7日・品川ステラボールを舞台に昼夜2回行われた公演は、いずれもチケットが完売!! 改めて、この4組に対する注目の意識の高さを感じさせられた。

 この日のイベントの幕開けを飾ったのが、斎賀みつきが音楽プロデューサーの西岡和哉とともに、7年間にわたり続けているユニットの"斎賀みつき feat.JUST"。とても荒々しいロックなスタイルを標榜しているように、冒頭を飾った「Just go ahead!」の時点から、会場中に熱狂的な声と拳が沸き起こっていた。演奏が進むごとに興奮のエンジンが加速。観客たちも、昂る感情にストッパーをかけることなく、♪Just go ahead!!♪と熱い叫び声を上げながら、その想いをステージ上の斎賀みつきへ返してゆく。

 興奮の嵐巻き起こした、ヒステリカル・ナンバー「Speed Of Life」。一転、切々としたエレピの旋律が胸をキュッとさせたバラード「Canopus」では、込み上げる感情のままに歌声を解き放ってゆく斎賀みつきの姿に、誰もがジッと気持ちを寄せ合い、楽曲に込めた想いと心を重ねあわせていた。

 後半、タオルを振りまわし一体化した「Drive far~LIVE ver.~」の演奏と共に、ふたたび熱狂のハイウェイを爆走し出したJUST。最期に奏でた、ドライブ感にあふれた「PHANTOM」を通した興奮の宴まで、短い時間の中とはいえ、しっかり"熱狂のドラマ"を描きながら、満ち足りた想いを届けてくれた。MCで語ったベトナムでの初ライブの思い出のときには、斎賀さん、今回が初海外だった斎賀さん。でも「また足を運びたい」と語っていたように、かなり楽しかったことに間違いなさそうだ。

二番手を飾ったのは、「日野聡vs立花慎之介 平成ニッポン・国取り合戦ラジオ!!」から誕生したユニットのELEKITER ROUND φ。エレクトロビート/躍動的な生演奏/和心をミックスアップした「キシン志士」から演奏はスタート!! ELEKITER ROUND φも、ド頭から会場中を熱狂の渦の中へ巻き込んでいった。

 この日が、ELEKITER ROUND φにとっては初めてのライブとなる。そんな初体験という言葉が嘘のように、続く「影踏み」でも、日野聡と立花慎之介は、互いにマイクをリレーしたり、声を熱く重ねあわせながら、会場中を熱い色に染め上げていった。その熱狂は、「紲」を通し「興奮」という姿へと昇華。異なる声質を持つ2人にも関わらず、2人の歌声が一つに重なり合ったとき、そこに、魂揺さぶる熱狂と感動のドラマが生み出された。

 一転「MARIA」では、哀愁味あふれるエレピの演奏に寄り添いながら、2人は綺麗なハーモニーを描き出していた。が、ドラムがカウントを告げると同時に、身体にズンズン響いてゆく躍動的かつヘヴィな楽曲へと変貌。1曲の中、緩急/強弱な表情を持った"華麗で激しいドラマ"を作りあげてゆく様に、とても惹かれた。

 最後も、ふたたび和心抱いたミッド系ソング「キセキ」を通し、とてもハートフルな想いを届けてくれた。熱く感情昂る演奏も嬉しいが、胸にキュッと歌が染み込む表情も、彼らの魅力の一つと言えようか。

 三番手を飾ったのは、超!A&G+「羽多野・寺島 Radio 2D LOVE」から誕生した、羽多野渉と寺島拓篤のアニソンカバーユニットM.O.E.(MUSIC OTAKU ENTERTAINMENT)。彼らは、6月8日に発売するミニ・アルバム『俺たちの歌を聞くCD』の中から、いち早く楽曲を演奏。

 舞台上へスキップしながら登場した羽多野渉と寺島拓篤は、軽快に楽しく、「こちら葛飾区亀有公園前派出所」のテーマソング「葛飾ラプソディー」を、多彩な手振りを混じえながら歌唱。会場中の人たちも、2人の動きにあわせ、笑顔で振り真似を行っていた。

『機動戦艦ナデシコ』のテーマ曲「YOU GET TO BURNING」では、2人の振りに合わせ、観客たちに、左右の手に持った赤と青のサイリウムを振ってもらう演出を実施。サビの部分で、2人の指示する振りに合わせ、会場中が、赤と青の空間に染まってゆく風景も圧巻だった。

『遊☆幽☆白書』のテーマ曲「アンバランスなKissをして」では、会場中の人たちも大熱狂!!ステージ上の2人も。客席の人たちも、幼少の頃に馴染んできた歌のようで、誰もが嬉々とした表情で歌を楽しんでいた。

 後半では、タオルを振りまわしながら、ファンキー&ソウルフルな『爆裂ハンター』のテーマ曲「What's Up Guys?」を熱唱!! ラストの前には、寺島拓篤が「次のBLACK VELVETの前に『Blue Velvet』だぁ~!!」と叫び、『ドラゴンボールGT』のテーマ曲「Blue Velvet」の演奏へ突入。もちろん、楽しいパーティムードを描きあげていたのだが。イベントの流れも考えたうえでの選曲もまた、M.O.E.らしい"嬉しい演出"である。

 イベントのトリを飾ったのが、Toshiyukiがヴォーカルを担当しているBLACK VELVET。この日のステージでは、ヘヴィハードなエクストリーム系ナンバー「Dancing with the machine」からスタート!!低音効いた歌声を通し、観客たちへ挑みかかってゆくToshiyuki。ラップを通し観客たちを煽ってゆくtadd。会場には、早くも、熱いグルーヴが生まれていた。

 儀式のようなけたたましいドラムビートが炸裂し始まった「Wack head to the blue sky」でも、まるで野獣のような姿を"魅せながら"、観客たちを熱狂の坩堝へ陥れていったBLACK VELVET。

 中盤ではゆったりとした、でも熱いうねりも携えたミッドバラード歌「Velvet sky」を披露。表情豊かな演奏は、聞き手の感情にも、優しい潤いを与えてくれた。

 もちろん後半の舞台は、「熱狂せずにいれますか?!」と嬉しい叫びを上げたくなる楽曲ばかりを演奏。凄まじいギター・サウンドが、グサグサと身体を射抜いた「crows in the dark」。最後に登場した「Bleed」が流れ出したとたん、会場中の観客たちも大興奮!!豪快/豪圧/メロディックさを持ち味とした楽曲こそ、BLACK VELVETの絶対的な魅力。その貫祿あふれるステージングで、満員の観客たちを絶頂の中へ導いていった。7月6日には、最新ミニ・アルバム『TRUE』の発売も決定。これからが、とても楽しみになってきた。

 アンコールではこの日出演したメンバーが全員集合。このイベントのために作った、全員が一体となり一緒に歌える、明るい盛り上がりナンバー「M.S.WAVE」を、"M.S.W"の手文字を用いて表現しながら歌唱。とてもキャッチーで胸にスーッと入ってゆく、会場中の人たちが「一つになれる」歌が誕生したのは、とても嬉しいこと。きっと、10月8日に開催になる(大型ラジオイベント)『MARINE SUPER WAVE R』でも、ふたたび一緒に一体化したノリを描いてゆくに違いない。

 3時間弱に渡って行われた、この日のイベント。その時間がアッと言う間なのは、もちろん。各出演者たちも、短い演奏時間だったとはいえ、しっかり、それぞれの個性を描きながら、イベントを熱狂的に盛り上げてくれた。この日の模様は、いづれDVD化になるだけに、完成も楽しみに待っていてくれ。(敬称略)

<TEXT:長澤智典>

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