シンガー・今井麻美の表現する色鮮やかな世界を堪能!「今井麻美 2nd Live in Shibuya O-EAST」の模様をお届け!!
5月15日、今井麻美の通算2回目となるワンマン・コンサート「今井麻美 2nd Live in Shibuya O-EAST」が開催されました。この日は、5月25日に発売になる6thシングル『遠雷』に先駆けたライブ。さっそくこの日の模様をお伝えします。
「人があふれんばかり」というのは、まさに、この日のコンサートのことを指す言葉と言えようか。1階はもちろん、2階の立ち見席も、更には、関係者席までもが人・人・人で埋めつくされていた。それだけ今井麻美の活動に、たくさんの人たちが熱い視線を注いでるということだ。
彼女の本軸となる“声優”への注目度はもちろん、今や、今井麻美にとって大切な表現の場になっている“音楽”面にも、これだけ大勢の人たちが関心を寄せている事実が嬉しいじゃないか。
この日のステージは、OVA「眼鏡なカノジョ」のOP歌『フレーム越しの恋』からスタート!!いきなり、メガネ姿で舞台上に現れた麻美さんは、明るく弾けた『フレーム越しの恋』を、満面の笑顔を浮かべながら唄い始めた。途中でメガネを客席へ投げ捨て、ノンフレーム越しで、ファンのみんなへ唄いかけゆく様にも、思わず胸をキュンと高鳴らせた気分だった。
そのまま演奏は、ハートフルかつ爽やかな風を運んでゆく、こちらも胸キュン・ソングとして支持の高い『Strawberry』へ。冒頭からステージを左右に動きまわりながら、麻美さんは、観客たちのハートを、次々とキュートな笑顔で撃ち抜いていった。
この日は、自らも「勝手にブロック分けしてる」と語っていたように“2曲1ブロック”を軸としながら、今井麻美の中にある多彩な音楽性を「彩り豊か」に描き上げゆく構成が成されていた。
思いきりジャジー/ムーディにアレンジした『夢のMAHOROBA』では、艶かしい歌声と仕種を披露。改めて、「しゃべらなければ色気を持った美しい女性なのに」という魅力を実感。力強く勇壮に唄いあげた『Horizon』を通した凛々しき姿にも、華を持った女性の色気を覚えた気分だった。
今回のステージでは、5月25日にシングル発売となるXbox 360「Ever17」のエンディングテーマ『遠雷』をいち早く披露。アーバンな香りを放つスウィートなバラード歌を、温かな心で歌ってくれた。こちらの姿にも、大人の女性だからこそ醸しだせる“包み込むような優しい香り”を感じた次第だ。
一転、PSP「Ever17」のオープニングテーマ『It's a fine day』では、クールなモードの麻美さんが顔を出し、攻めゆく激しめの楽曲に身を預けながら、会場中へ熱気を描き上げていた。
まさに、曲ごとに表情が変化してゆく、この日のコンサート。続く『Day by Day』を、アコースティックな編成で、しかも、ボサノバ風にアレンジして麻美さんは届けてくれた。しっとり囁くように歌う姿に癒しの効果を覚えていたのは、僕だけではあるまい。
さらには、いつもなら熱狂を巻き起こす『シャングリラ』を、この日はエレピの演奏を軸に据えたバラード・スタイルにアレンジ。情熱性携えた楽曲を、感情の揺れるがままゆったりと唄いあげてゆく様に、本気で気持ちが引き込まれていった。同じく、麻美さんの“幸せ”に対する想いを歌詞に綴った『ほんの少しの幸せ』も、アコースティックな音の調べに乗せ、温かみたっぷりに歌唱。
この3曲を味わったことで、生音を軸に優しく唄いあげてゆくスタイルも、今井麻美にとても似合う表情の一つと再確認。だが、ひと足早く楽曲披露をした、8月4日にゲームの発売を予定しているPSP「コープスパーティブックオブシャドウズ」のOP『花の咲く場所』のような“ホラー/刹那”ムードをミックスした“儚き美しさと背徳のドラマ性”を抱いた歌にも、「表現力豊かな麻美さんだからこそ」という独特な声の色気を覚えるのも、また事実である。
麻美さんと言えば、5月16日が34歳の誕生日。彼女の記念日を祝おうと、次の曲へ入る前にメンバーらが、いきなり♪HAPPY BIRTHDAY♪を演奏。もちろん、会場中の人たちが麻美さんの生誕日を暖かく祝福していった。
その嬉しさから、急遽、今回のコンサート・タイトルが「今井麻美 Birthday ライブ」に変更になった(彼女が、その場で変更を決めた)こともお伝えしておこう。
後半は、美しくも幻惑的な風景を一人一人の心へ映し出した『COLOR SANCTUARY』からスタート!!
彼女がシンガー活動を始めるきっかけとなった『The Azure~碧の記憶~』を、ゲストに濱田プロデューサーのギターを加え、ハイトーン声を活かしながら雄大に唄いあげていけば、この日がライブ初披露となった『想いの羽根~Angelic White~』では、空を駆けめぐるよう晴れやかな表情のもと、軽やかな歌声を響かせていった。
同じく、まばゆい光を感じさせた『Aquaのキセキ』を通した開放性。一転、『蒼穹ノ月~Crystal Moon~』では、月の魔力に見せられゆく雰囲気醸しながら、しっとり唄いあげてゆく姿も描いてくれた。
沖縄を舞台に描いた、しかし同時に、震災で心痛めていたときの想いにも通じる言葉を散りばめた『海と空と君と』では、潮騒の響きと沖縄音階の旋律に身を預けながら、一人一人の心を癒すように唄いあげた麻美さんがいた。
本編最後は、思いきり明るく弾けた『SPARKLE』を通し、会場中を明るく開放的な空間へ染め上げた麻美さん。
オフィシャルTシャツをアレンジした衣装に着替えて再登場したアンコールでも、晴々とした気持ちを届けていった『Heavenly Sky』。夜の光に優しく包まれてゆく感覚与えた『満天星』を披露。
最後の最後に、雄大な景観描き出す『シャングリラ』を朗々と唄いながら、麻美さんは、会場中を真っ赤なサイリウムの光の波で埋めつくしていった。
ここまで、駆け足で紹介してきたが。3時間を越す今回のコンサートを通し、改めて「今井麻美というシンガーが持つ多彩な表現力」、そして、「どんな楽曲でも、自分色に染め上げてゆく技量」へ僕らは魅せられ続けてきたことを、再認識できた気分だった。
彼女が、“声優”という道と同時に“音楽”にも本気で打ち込んでいるのも「自らを表現したい欲求」はもちろん、「多彩な楽曲を自分色に染め上げてゆくことに喜びを感じているから」にほかならない。
“役を演じるたびに変わりゆく人格”と同じように、“曲ごとに人格を変えて表現してゆく”――今井麻美が持つ表現力の豊かさに、大勢の人たちが熱い視線を送っている。その結果が今の、上昇気流を描いた今井麻美の人気と認知へ繋がっていると捉えられようか。もちろん、彼女の話術の巧みさも絶対的な魅力になっている。
この日も、ライブの1/3が麻美さんのトークだったと言ってもけっして大げさではないくらい、とにかくしゃべりまくっていた。でも、どの話にも引き込まれてしまうように、話術の巧みさもまた、僕らが今井麻美に引き付けられ、彼女から離れられなくなる大きな魅力の一つになっているのも、また事実だ。
今回のコンサート中、撮影も同時に行われていた。と言うことは、いずれ「作品として世の中へ出る」ということだろう。この日のステージを見れなかった人は、ぜひ観て欲しい。きっと、今井麻美という役者の奥深い魅力を、音楽という視点から感じることが出来るはずだから。
<TEXT:長澤智典>
>>今井麻美 5pb.オフィシャルWeb