今井麻美ライブツアー「Aroma of happiness」――色とりどりなサイリウムの波に歌と想いを乗せて"ミンゴス"が届けたメッセージは?
先に横浜と京都でライブを行っていたとはいえ、この日の最終公演は、前2回とは大幅にセットリストを変えて実施。あらかじめ「最新アルバム『Aroma of happiness』へ収録した楽曲をすべて披露する」と語っていたように、本編は、『Aroma of happiness』に収録した多彩な香り振りまく曲たちを軸に構成していたことを、先にお伝えしておこう。
この日のオープニングを飾ったのが、「DEPARTURE」。演奏が進むごと大空へ舞い上がるようスケール感と疾走性を。同じようにミンゴスの歌声も、どんどん力強さを増し続けていった。嬉しい驚きだったのが、「DEPARTURE」の演奏が始まると同時に、会場中が青いサイリウムの光の波で覆い尽くされたこと。まるで海原から大空へ飛び立つ滑走路が生まれたような感覚だった。舞台上から観ていたミンゴスは、僕ら以上に強い感動のあまり、きっと心で泣いていた…と勝手な想像をめぐらせてしまった。
ロックな躍動性と力強さをさらに増した「Kissing a dream」を通した熱狂。美しい高揚抱いたファンタジック・ナンバー「想いの羽根」では、空へ舞い上がる天使(ミンゴス)の姿を照らすよう、会場中に真っ白なサイリウムの光が映し出されていた。ファンたちの、曲ごとに多彩な光の色を場内へ描いてゆく様も、この日のライブを彩るうえでの嬉しい見どころになっていた。むしろ、想いを一つにミンゴスのライブを染め上げようとしていく、ファンたちのその気持ちが嬉しいじゃない。
濱田プロデューサーもギターで参加。沖縄の風を運んできたムーディな「海と空と君と」では、青いサイリウムの海を眺めながら、ミンゴスがゆったり心地良く歌を紡いでいけば。ゴシック・シンフォニア/オペラ・ファンタジアな要素も備えた「花の咲く場所」では、ミンゴスの熱い歌に合わせ、会場中を埋めつくした真っ赤なサイリウムの花が大きく揺れていた。
●心潤すクリスマスな風景。。。
心に開放的な空気を運んでくれた「フレーム越しの恋」。アダルトな…妖しい大人の魅力振りまきながら、セクシーなダンサーとの絡みも魅せた「夢のMAHOROBA」。真っ白な光に包まれながら、込み上げる想いを切々と歌いあげた「サ・ヨ・ナ・ラ」と、中盤へ向かうブロックには、多色な彩り持ちながらもゆったりとした楽曲たちを敷きつめていったミンゴス。
中盤では、この日がちょうどクリスマスという季節柄もあり。ミラーボールの光を身に抱きながら「きよしこのよる」をしっとり歌いあげれば、「赤鼻のトナカイ」では、ゴスペル風な歌まで披露してくれる。
さらに「雪原のカルマ~Snow Storm~」を通し、心の内に秘めた情熱を切々と歌いあげながら、会場中に居た人たちの心に潤うロマンチックな風景を描いていった。
●そして、熱狂のクライマックスへ。
ライブも終盤。通称タイミンゴスな衣装に身を包んだミンゴスは、感情を一気にヒートアップさせゆく「Shining Blue Rain」を通し、ふたたび場内をミンゴス・カラーの青色の光に染め上げながら、パワフルに熱唱。その熱い盛り上がりは、情熱性と雄大さを備えたドラマチック/ファンタジックな「Far a way」を通し、一気に魂ぶつけあう興奮のバトルモードへ突入!!ともに感情さらけ出してゆく関係こそ、ミンゴスのライブの醍醐味だっ!!
オリエンタル・ナンバー「Promised Land」で作り上げたコール&レスポンス。「遠雷 arr ver.」では、哀愁味を帯びたエレピの旋律に想いを委ねながら、しっとり歌いあげてゆく場面も登場。もちろん最後は「Aroma of happiness」を歌い、会場中へ華やかな熱狂という香りを振りまきながら、本編の幕は一度閉じていった。
●「いっしょ。」に唄おう、心を一つに溶け合おう。。。
遥かな地へと気持ちを導いた「The Azure~碧の記憶~」。キラキラ輝くポップなフレイバーを振りまいた、キュートな「Strawberry」を通した熱狂。そして最後の最後、今年のミンゴスを支えてくれたスタッフたちも舞台上に招き入れ、2011年に起きた震災を受けて胸に抱いた想いを語り出したミンゴス。さらに、震災で心傷ついた人たちへの僅かばかりの手助けのためにと、みずから楽曲を作りあげ、チャリティ歌として配信していた「いっしょ。(Long ver.)」を、みんなでいっしょに唄おうと提案。この「いっしょ。」は、ミンゴスの想いをたっぷり詰め込んだ、とてもハートフルな楽曲。歌い始めるや、会場中の人たちが手拍子とハーモニーを舞台上に送りながら、気持ちを一つに大合唱し始めた。大サビでは、歌詞を知らない人も一緒に歌えるようにと、♪ラララ♪で大合唱。大勢の人たちの想いが一つに溶け合ったとき、そこには心を揺さぶる嬉しい涙が生まれる。嬉し涙で顔がクシャクシャになったミンゴスの姿を観ながら、ここに、この場所で、一緒に同じ時間を過ごせたことがとても嬉しくなっていた。いいよね、音楽って、知らない人たちとも無条件で心を繋げてくれるんだもの。その繋がるチャンスを与えてくれたミンゴスの歌はもちろん、彼女が「届けたい熱い想い」を抱き続ける限り、僕らもまた、その気持ちを受けとめ続けていきたい。そんな気持ちになりながら、笑顔に抱かれた夢の時間を今、こうやって思い出している。
そうそう、ミンゴスのライブは、素な今井麻美の姿をさらしまくったMCも、楽しみの一つ。この日も、壊れたバイクのよう、アクセル全開状態で、ブッ飛んだ発言を次々ぶちかましていたことを最後にお伝えしておきます。気になる方は…ライブに来なよ(笑)
今井麻美オフィシャルサイト