アニメへの期待も物語の面白さもドンドン「加速」していく! 2012年・春の注目アニメ『アクセル・ワールド』収録後インタビュー
2012年4月より2クールで放映開始予定のテレビアニメ『アクセル・ワールド』。本作は、第15回電撃小説大賞で「大賞」を受賞したライトノベル作品で、アニメ化に続いて早くもゲーム化まで決定している、今最も熱いコンテンツのひとつだ。
多くの人が仮想ネットワークで生活する近未来を舞台に、主人公であるいじめられっ子のハルユキを始め、生徒会副会長の黒雪姫や幼馴染のチユリ、タクムたちが謎のプログラム《ブレイン・バースト》で戦っていく物語が展開。制作は『機動戦士ガンダム』シリーズや『コードギアス 反逆のルルーシュ』を手掛けたことで有名なアニメーションスタジオ「サンライズ」となっている。
今回は、メインキャストである梶裕貴さん(有田春雪 役)、三澤紗千香さん(黒雪姫 役)、豊崎愛生さん(倉嶋千百合 役)、浅沼晋太郎さん(黛拓武 役)に、『アクセル・ワールド』の見所やキャラクターの魅力について伺ってきた。
●キーワードは「加速」と「コンプレックス」!?
――まず始めに、『アクセル・ワールド』の魅力や面白さ、見所などをお話いただければと思います。
梶裕貴さん(以下、梶):『アクセル・ワールド』は、男子なら思わずハマってしまうようなゲーム性のあるストーリーで、設定も、「現代社会の将来はこうなっていくのではないか?」という近未来を暗示しつつ、同時にその社会そのものを面白く風刺している様な部分があると思います。オーディションを受けるときに原作を読ませていただいたんですけど、凄く面白くてドンドン読み進めちゃったのを覚えています。演じるのが楽しみな作品でしたので、今、少しずつハルユキと心を重ねながら頑張っているところです。
三澤紗千香さん(以下、三澤):ハルユキくんが成長していく物語、それだけじゃなくて、周りの人もハルユキくんにいろいろと影響を受けて成長していく物語です。黒雪姫はハルユキくんを導いていく役ですが、自分が導いていくだけでなく、逆にハルユキくんからも自分の中にはない考え方や世界、いろんなものを受け取っているんじゃないかと思います。私も黒雪姫と同じ気持ちで、黒雪姫がハルユキから色々教えてもらっているように、私も共演している皆さんから色々なことを教えてもらっているので、これから黒雪姫ともっとリンクして、2人で一緒に前に進んでいけたらいいなと思っています。
豊崎愛生さん(以下、豊崎):オーディションのときから凄くやりたかった役なので、今回チユリを演じさせていただけることになってとっても嬉しいです! チユリはいつもハルユキのことを心配していて、一歩間違えるとお節介になりそうな、でも、許せちゃうような、そんな女の子です。
私も原作を読ませていただいたのですが、私自身ゲームが凄く好きで、ロボットを使って戦う格闘ゲームで遊んだりするので、作中でも《ブレイン・バースト》をやっているシーンは、スピード感があって特に楽しかったです。この世界では、みんな自分が作った分身アバターというものを持っているんですけど、チユリのアバターはネコミミが付いていて人懐っこく可愛らしい。チユリはまだ《ブレイン・バースト》に混ざっていないので、今はハルユキと黒雪姫がゲームの世界にいることを羨ましく思いながらアフレコしているところです。引き続き頑張りたいと思います。
浅沼晋太郎さん(以下、浅沼):タクムは、今まで僕が演じてきた役とは少し違うというか、僕はあまりこういう役をやったことがないんです。なので、自分的には今回の役は新たな挑戦かなと思いながら演じています。
役を演じるにあたって『アクセル・ワールド』の1巻を買ったんですけど、僕は本を読むのが凄く遅くて、頭に映像が浮かばないとなかなか読み進められないんです。例えば、原作のあるアニメのオーディションで、原作を読まなくてはいけない時ですら、頭の中で声優さんを自分で一度キャスティングしてイメージを作っているんです。本を読んでいても自分の声が出てこないときは「あぁ、もうこのオーディションダメかも…」とまで思ってしまうぐらいで。これまでは自分のペースで『アクセル・ワールド』を読んでいたのですが、今ではもう読んでいてキャストのみなさんの声で再生されるようになりましたので、これからはペースを加速させて読み進めていこうと思っています。
――みなさんが演じられているキャラクターについて、それぞれご感想をお願いします。
梶:ハルユキは凄く難しい役だと思っています。彼のビジュアルや中身はいわゆるヘタレで、決してカッコイイキャラクターではないんです。でも、現実世界ではそういう部分がある一方、ゲームの世界で《バースト・リンク》したときは、普段、自分でも気付かないような熱い気持ちを持った本当の彼が出てくるんです。その辺りの切り替えをはっきりと。でも、違和感がないようにカッコよく見せることが凄く大事な役だと思いながら丁寧に演じています。
三澤:黒雪姫は梅郷中学校の副会長で、人望もあって見た目も綺麗で可憐。生徒たちみんなから人気があるような女の子です。初めて見たとき、私と一緒で髪が長いところに運命を感じました(笑)。一見強そうに見えるけど、弱いところは見せられないで、実は心の奥にいろいろあるところが自分と似ているというか。ツッパってる感、みんなの前ではしっかりしているように見える私と一緒だと思うので、そこは上手く表現できるかなと思っています。頑張っているけど決壊する瞬間が黒雪姫にも私にもあるので、自分の体験を思い出して、「黒雪姫はこういう風に心の壁を崩していくんだな」とか「こうやって人に心を開いていくんだな」と感じながら演じさせてもらっています。
豊崎:チユリを演じるうえで、いつもハルユキのいいところを探しながら演じています。チユリはハルユキとタクム、2人の幼馴染で、また、タクムとは恋人同士。だけど、ハルユキのこともちゃんと好きなんです。でも、好きの方向性や種類がタクムとハルユキでは違っていて、チユリの中ではしっかり区分けをしつつも、悩んだり迷ったり。そんな、普通に可愛らしい中学生の女の子です。
作中では、凄く多感な年頃というか、そういう繊細な部分もしっかりと表現できたらいいなと思っています。梶さんも言っていましたが、ハルユキって今までの主人公らしくないというか、基本的に自分に自信がないんです。でも、チユリはハルユキのそういうところではなくて、幼い頃から一緒にいるからこそ知ってるよさを分かっていたりするんです。今、黒雪姫とハルユキが喋るシーンにまだチユリはいないんですけど、私自身が2人のやり取りを横で見て、ハルユキのことが好きなチユリの気持ちに近づけるように、ハルユキに対する「好き」の気持ちを探しつつ演じているところです。
浅沼:僕はこの中で最年長なので、ハルユキが主人公っぽくないという話を聞いていて、ジェネレーションギャップを感じたりもしました(笑)。というのも、昔のマンガってカッコ悪い主人公が力を得て、今まで逃げ出していたことに立ち向かうっていうマンガが多かったんですよ。だから、僕としてはハルユキは「懐かしいタイプの主人公」です。そういう作品の場合、主人公が持っているコンプレックスが大きければ大きいほど、過去を跳ね除ける力が必要になるので、それを乗り越えたときに得られる力も強い。
『アクセル・ワールド』では、ハルユキのコンプレックスを際立たせる象徴としてタクムがいるような気がします。僕は中学生の頃、剣道もやってなくて彼女もいなかったので、タクムと似ているところはないですね。でも、だからこそ思い切ってやれるようなところもあります。後々の好感度が気になるキャラクターなので、なるべく爽やかにみなさんに接していけるようにしたいと思います。
――最後に、これから放送をご覧になるみなさまにメッセージをお願いします。
浅沼:ハルユキがちっちゃくて可愛らしい感じなんです。だから、ハルユキの目線になると今までにはない構図になるので見ていて面白いと思っています。ゲームをプレイしているどころか、まるでゲームの中に入り込んでいるような感覚が味わえるアニメになっていると思いますよ!
さらに第1話のカット数が普通のアニメの1.5倍ぐらいで、かなり力が入っています。難しい言葉がいっぱい出てくるんですけど「考えるな、感じろ」というアニメだと思っていますので楽に楽しんでください。
豊崎:原作にあるスピード感やバトルの展開、世界観を映像化したときにどうなるんだろうと、私自身も凄く楽しみにしていました。それをサンライズさんが具現化するとなると、もうこれは期待せずにはいられません! なので、《ブレイン・バースト》のシーンやアクションシーンで、みんなのアバターが動いて戦う瞬間が凄く楽しみです。
あと、ハルユキの場合はメタルカラーというように、みんな色とりどりのアバターを持っていて、カッコよく戦うんですけど、その中にいるのは人間なんです。15歳までの中学生の子たちが、一所懸命に考えて悩んで恋をして、泣いたり怒ったりという部分がしっかりと隠れているので、そういった部分も大事に演じていきたいなと思います。キャラクターの中には、共感できる子やカッコイイと思う子がきっといると思いますので、そんなキャラクターを探しながら見ていただけると嬉しいです!
三澤:原作を読んだとき、難しい言葉や未来っぽいシステムがたくさん出てきて「映像になったらどうなるんだろう?」と思っていました。自分の頭の中でもイメージはなんとなく作れたんですけど、挿絵のない部分は細かいところまでどういう機械を使っているのか分からなくて。「何か首に付いてるんだろうな」と、どこか曖昧な感じのところがあったんです。でも、それが日常生活に当たり前のように溶け込んでいて、そんな世界がもしかしたら何十年後かに出現しそうな雰囲気があるというか、今も世界中のどこかのハイテクな国ではありえるのではないかと思えるリアリティも感じられました。
その中には、《ブレイン・バースト》というゲームがあって、そこで多くの人がいろんなアバターを作っています。戦っている人の中には、ただ勝利を追い求めたい人や、他人と仲良くなりたい人など、色々な人がいて、そこで何を目的に戦っているかはみんな違うと思うんですよ。アバターの中にはちゃんと人がいて、技でぶつかったり心でぶつかったり。みんなが戦ってる理由や気持ちを考えて見てくださったら、きっといろんな感情が生まれて見てる方も気持ちが動かされる作品になっていると思います。これからドンドン作品を盛り上げていきたいと思っているので、応援してくださったら嬉しいです。頑張ります!
梶:派手でカッコイイ作品で、ゲームという面白さがバトルで分かりやすく表現されているアニメだと思います。けど、実際にアニメを見ていただくと分かるんですが、実は物凄く心理戦というか、心と心のぶつかり合いなんです。「コンプレックス」という言葉がキーワードになっていて、キャラクターひとりひとりの内面を深く掘り込んである作品なので、各々が「何故そういう風に戦うのか」、「どうしてそんな姿をしているのか」というところにも注目してみてください。そういうところにこの作品の面白さがあると思います。
バトルシーンが目玉なのですが1話あたりのセリフ量がびっくりするほどたくさん詰まっていて、言葉同士のぶつかり合いでもあります。僕たちも本当にぶつかり合うような気持ちで演じていますので、その辺りの熱い部分も楽しみにしていてください。初めてこの作品を知った方は純粋に楽しめると思いますし、原作ファンの方々もきっと満足していただけるような出来になっていると思いますので、オンエアを楽しみに、そして最後まで見ていただけると嬉しいです。
<CAST>
黒雪姫:三澤紗千香
ハルユキ:梶 裕貴
チユリ:豊崎愛生
タクム:浅沼晋太郎
<STAFF>
原作:川原 礫
原作イラスト:HIMA
監督:小原正和
シリーズ構成:吉野弘幸
キャラクターデザイン/
アニメーションディレクター:愛敬由紀子
デュエルアバターデザイン/アクション監督:椛島洋介
メカデザイン:神宮司訓之、沙倉拓実、大河広行、
山根まさひろ
セットデザイン:青木智由紀 イノセユキエ
メインアニメーター:田畑壽之 阿部望
プロジェクト統括:GENCO
アニメーション制作:サンライズ
製作:AW Project
<TV放送スケジュール>
・TOKYO MX:4月6日より 毎週金曜 24:30~
・テレ玉:4月6日より 毎週金曜 25:00~
・チバテレビ:4月7日より 毎週土曜 25:00~
・tvk:4月7日より 毎週土曜 25:30~
・テレビ愛知:4月7日より 毎週土曜 26:20~
・MBS:4月7日より 毎週土曜 26:58~
・北海道放送:4月9日より 毎週月曜 25:26~
・RKB毎日放送:4月9日より 毎週月曜 26:25~
・とちぎテレビ:4月18日より毎週水曜 23:30~
・群馬テレビ:4月18日より毎週水曜 24:30~
・BS11:4月13日より 毎週金曜 24:30~
・AT-X:4月8日より、毎週日曜 23:00~/毎週土曜 17:00~/毎週日曜 10:00~
・キッズステーション:4月20日より 毎週金曜 24:00~ 28:00~ 毎週日曜 23:00~
※ 編成の都合により放送曜日、時間、開始日が変更になる可能性がございます。予めご了承ください。
※RKB毎日放送(RKB)の4月9日(月) 初回放送について26:45~27:15~(20分押し)
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