テレビアニメ『SKET DANCE』新オープニング『Reboot』を生み出したeversetからtatsuoさん&緋村剛さんにインタビュー!「曲作りのために絵コンテも見せてもらいました!」
好評放送中のテレビアニメ『SKET DANCE』の新オープニング曲は、番組から誕生したバンド「The Sketchbook」のプロデュースを手がけるtatsuoさんも所属する、eversetが歌う『Reboot』。曲作りのために「絵コンテも見せてもらう」というtatsuoさんが、作品から感じ取った作品の世界観とバンドのパワーを融合させた曲に、キャラクターと共存して高めあうことを目指した緋村さんのボーカルがのって、「超」激しいナンバーが完成した。
「Reboot」することで新しい自分たちを発見したというふたりが『SKET DANCE』ファンの若者に伝えたいこととは――?
●ボッスンの存在感に負けないボーカルにならなきゃって思いました(緋村さん)
――『SKET DANCE』自体は以前からご存知だったんですか?
tatsuoさん(以下、tatsuo):作品から生まれた「The Sketchbook」というバンドのプロデュースをやっているので、原作も全部読ませていただいてます。特にアニメでは必要に応じて絵コンテも読ませていただいて、それに合わせて曲作りをしたりもしているので。原作を読んで「このシーンは、こんな音楽だな」って考えながらやってます。
緋村剛さん(以下、緋村):僕はtatsuoが手がけてるのは知ってたんですが、今回楽曲が決まってから、改めてマンガ喫茶で全巻読みました。
tatsuoさん:俺貸すのに(笑)。
緋村:……(笑)。歌うならちゃんと画を思い浮かべながら、と思って。全巻読んで今まで知らなかったのを残念に思ったし、これは運命的な出会いだなと思いました。
――好きなキャラやエピソードとかはありますか?
緋村:キャラならサーヤちゃん、ツンデレぶりが好きです。エピソードなら、ふくろう(コノハズク)のホウスケを部室で飼うエピソードですね。自分が通ってた学校もこんなに自由だったら俺はグレなかったなと思いました(笑)。うらやましいな。
tatsuo:僕はヒメコが好きなんですよ。修学旅行編は5回は読み直しました(笑)。
――これまでも音楽を手がけられてきたということで、今回の『Reboot』に関しても曲は作りやすかった感じですか?
tatsuo:そうですね、作りやすかったですね。今回重要視したのは、僕らeversetの下積み時代と『SKET DANCE』の世界観を融合させることでした。作品の持つ楽しさや賑やかさを出したかったので。あとパワフル感も意識しました。だから全編にわたって「落ちる」ところを作らなかったんです。
――激しいまま最後まで突っ走りますよね。詞はどんなイメージで書かれましたか?
緋村:最初に曲を聴いた段階で、今回のテーマが「Reboot」であるということも聞いていて。中学生や高校生に人気のアニメだから、難しいことを言うよりストレートに感じたままを書きなぐった感じです。
――詞を読んで感じたのは、中高生の世代の声を代弁しながらも、勇気づけているような印象でした。
緋村:とにかくこの歌を聴いてる子のハートに「直」で届かせてやろうみたいな。何も考えずに言葉に押されて感情のまま歌いました。気持ちだけは「俺マジ世界一なんだ!自信がないやつは俺を頼れよ」みたいに、アニキ的な感じで歌いました。レコーディングでも上手いよりパワフルに歌ってるほうをピックアップしてる感じで。
tatsuo:何度かニュアンスを変えたりして、表現が強いものをセレクトしました。
緋村さん:もっと荒々しい表現も実は試したんです。
tatsuo:「これはさすがに聞き取れないよね」みたいなのもありましたけど。剛先生は表現パターンをいっぱい持ってるので(笑)。
緋村:「Reboot」って再起動って意味なんです。俺はRebootすることで、今までになかった新しい自分を発見してパワーアップしていこうぜ、と解釈して作詞したんです。
――アニメや特撮の楽曲を作る場合、オリジナル曲を作るのとはどこが違いますか?
tatsuo:テーマがあるほうが書きやすいですね。「仮面ライダーメテオ」だったら「メテオはこういうキャラ」ってのが確立してるから、そこからピックアップできますし。自分たちのバンドの曲は選択肢が多いのですごく悩みます。
緋村:なんでもありになるんで。
――『SKET DANCE』の作品世界のどこを特にピックアップして曲を作りましたか?
tatsuo:『道』のときもそうなんですが、みんなすごくパワフルじゃないですか? ネガティブもやるが少ない。みんなポジティブな学校で、マイナーじゃなくメジャーでパワフル。劇伴もロック調の曲が多い。その辺も別に打ち合わせしてないんですが、自然とそうなりますね。
緋村:詞に関してはボッスンの存在感ですね。ボッスンの存在感に負けたくなかったんです。俺ボーカルだから主人公になりたいんですけど、物語を作っているキャラクターたちと歌っている俺が、勝負するんじゃなく相乗効果を生み出して1つの作品になればいいなと思ったんです。勝負するんじゃなくどうやって共存するか。共存してお互いが高めあってる形が最高。自分なりに実現できたと思います。
――PVも拝見したんですがこちらのコンセプトは?
tatsuo:みんな「Reboot」させようぜみたいな。
――人生作り直しちゃおうみたいな?
tatsuo:僕はバンド歴が結構長いので人生観になっちゃうんですが、こうやって取材受けてることも「バンド続けててよかった」って思えるし。昔は逆にこういう場所に来るのもいやだったんです。
緋村:考えを変えられるのがいやだったんですよ。
tatsuo:でも「Reboot」して冷静になってみると、「あっ、これもいいじゃん? みんな協力的だし」みたいな(笑)。
緋村:これを機に俺らを知らなかった世代にも、アニメをきっかけに知って聴いてもらえればって思います。
――『SKET DANCE』を通して知ってもらって、ライブにきてもらって、元気になってもらって……
緋村:そうですね。今の世の中、消極的な人が多いなって思うけど、聴いてもらって変わってもらえたら。
――最近のアニメの楽曲でここまでストレートで激しい曲も珍しいですもんね。
tatsuo:皆さんの反応が楽しみです!
【CD情報】
「Reboot」/everset
2012年6月13日発売
CD+DVD:¥1,890(税込) AVCA-49657/B
CD:¥1,260(税込) AVCA-49658
CD収録曲
DVD収録内容
「Reboot」Music Clip収録予定
作詞:Rock the Tiger・緋村 剛
作曲・編曲:tatsuo
>>スケットダンス(SKET DANCE)公式サイト