声優
2ndミニアルバム発売記念・大橋歩夕さんインタビュー【前編】

ミニアルバム『金色イルミネーション』発売記念・大橋歩夕さんインタビュー【前編】

 『ストライク・ウィッチーズ』のエイラ役や『境界線上のホライゾン』のアデーレ役、『ガールズ&パンツァー』のおりょう役でお馴染み、声優の大橋歩夕さん。彼女は役者と同時に、歌の面でも定期的に作品をリリースし続けてきました。これまでにも、「ちっく」3部作と呼ばれる作品群を含む4枚のミニアルバムと1stフルアルバムを制作。

 このたび大橋歩夕さんが、前作から1年半ぶりとなる新作ミニアルバム『金色イルミネーション』を発売しました。歌とリーディングで構成。素敵な物語仕立てになった本作。この作品に詰め込んだ想いを、前編と後編の2回に分けて紹介します。1回目では、新作を作るに当たっての想いや、『金色イルミネーション』の曲解説前半部をお届けします。

●実際に選んだ楽曲たちを編曲したら、「こんなにも華やかな曲だったんだ」「こんなにも落ち着く歌になったんだなぁ」など、どの曲も嬉しい発見になりました。

――春にもアコーステックなスタイルでセルフカバーしたミニアルバム『ミニあこ』を出していたように、歩夕さん、歌の面でもコンスタンスにオリジナル作品をリリースし続けていませんか?

大橋歩夕さん(以下、大橋):そうですねぇ。とくに1stアルバムの『ファンタぢすた』を出すまでは、『ちっく』三部作となったミニアルバムを含め、毎回半年ごとくらいのペースで出し続けてきたんですけど、。1stアルバムを作って一区切り出来たこともあったのか、そこから制作面では比較的のんびりとしてました(笑)。

――最新作『金色イルミネーション』制作の話は、何時頃から出始めたのでしょうか?

大橋:じつは、1stアルバムの『ファンタぢすた』を作ってる頃から、何時ものチームの中では「次も作ろう!!」というお話は出ていたんですけど、アルバムに続いて、アコースティックなスタイルでのセルフカバー作となった『ミニあこ』という作品を作って。その頃も、「新作を作ろう」というお話はしていて……。なので、新作を作るお話自体は以前からずっとあったことなんです。ただ、「何時頃に出そうか?!」というお話よりも、それまでは「次の作品では、これまでとは違う新しいことをやろう」という会話のほうが中心になっていました。

 今回の『金色イルミネーション』の中にも、曲の間にリーディングを入れてるんですけど、最初の段階ではリーディングを入れる予定はなく、普通にシングル作品を作ろうとしていました。その後徐々に制作を始めていく中で、「今回もリーディングを入れよう」「冬の時期に作品を出そう」というお話になったのは具体的に夏過ぎ頃からだと思います。だから、長く考える時間を作りながら、今の季節に辿り着いた形と言ったほうが正しいと思います。

――バタバタと制作していくよりも、心に余裕を持てたほうが、より質の高い作品を作れますからね。

大橋:はい、その通りだと思います。

――大橋さん自身、『ちっく』三部作と1stアルバム『ファンタぢすた』で最初の一区切りを付けた感覚も強かったのでしょうか?

大橋:その気持ちは、何処かしらあったと思いますね。

――だからこそ、新しいスタイルへ挑戦したかったわけだ。

大橋:はい。そうかも知れないです。

――新曲として上がってきた楽曲たちを聞いたとき、どんな感想を抱きました?

大橋:以前から、「これまでにはない感じにしたい」と言われ続けてきたので、わたし自身ずっと楽しみに待っていました。それもあったせいか、「この曲はどうですか?」と候補曲を聞かされたときは、「おっ、こう来たのかぁ」と思いました。しかも、実際に選んだ楽曲たちを編曲してみたら、「こんなにも華やかな曲だったんだ」「こんなにも落ち着く歌になったんだなぁ」など、最初に抱いた情景以上の広がりを持ったように、どの曲も嬉しい発見になりました。

――先にも言ってましたが。もともとリーディングを入れる予定はなく制作を始めたわけですよね。でも『金色イルミネーション』を聞いてると、収録した3曲を繋ぐ2本のリーディングが、それぞれの楽曲をドラマチックな物語として繋げる役割を果たしています。だから、最初から「コンセプト作」として作り始めたんだとばかり思っていました。

大橋:今回は、最初からガチガチに決め込むことなく。作り続けていく中でいろんな発見をしては、それを反映させていった形でしたからね。

●『イルミネーション』

――ここからは、収録した楽曲の魅力を、一つずつ紐解いていきたいと思います。最初に流れてくるのが『イルミネーション』です。

大橋:この歌、物思いに浸りながら聞いてたら何時の間にか終わっていたくらい緩やかな曲調だったので、最初は真ん中に入れる予定だったんです。でも、結果的には最初を飾る歌になりました。

――大橋さん自身、とても柔らかい表情を持った唄い方をしていませんか?

大橋:この曲では、誰かに話しかけるみたいに唄いましたね。

――作詞は、みずから担当しています。

大橋:ゆっくりと流れていくような楽曲だから、歌詞には日常的なことを書こうと思いました。でも、ただ日常的なことを書いてしまうと、それこそアッと言う間に言葉が流れていきそうだったから、あえて「ちょっと臭いセリフっぽい歌詞を入れてみたらどうだろう?」「この曲調の場合、そのほうが際立ってくるかも?」と思い、「君は、たくさんのイルミネーションに照らされてて綺麗だね」みたいなニュアンスのもと、思いきり臭いセリフを歌詞の中に散りばめたら、いろんな情景の見える楽曲に仕上がりました。

――この歌詞、女性の淡い恋心が見えてくる、とてもロマンチックな歌詞だと感じました。大橋さん自身、書き上げた歌詞に対してどんな想いを抱いているのでしょうか?

大橋:今回のミニアルバム自体が、わたしにとって初の"冬の曲を集めた作品集"なんです。1stアルバムの『ファンタぢすた』の中に『夜空を見上げて-Lost Romantics-』という曲が入ってるんですけど。あの歌は、がっつり春の曲に仕上げました。でも歌詞の中へは、♪静かに春を待つ瞳には♪という言葉も書きました。じつはその頃から、"春を待つ冬の寂しさの情景"を歌詞には投影させていたんですね。

『夜空を見上げて-Lost Romantics-』は、わたしの飼い猫ちゃんに当てて書いた歌詞だったんですけど。この『イルミネーション』は、冬の季節の中、飼い猫ちゃんがわたしを観ながらどんな風に感じてくれているのかな?!と想像しながら書いた冬の歌なんです。だから『夜空を見上げて-Lost Romantics-』と『イルミネーション』には、ちょっとした繋がりがあったりもします。

――ということは、この2曲を続けて聞くと……。

大橋:想いの繋がりが見えてきて、ちょっと楽しく感じれるかも知れないです(微笑)。

――イルミネーションという言葉、まさにロマンチックな冬の季節を象徴する表現として響いてきたように、素敵な言葉だなぁと感じました。

大橋:冬の歌を書こうとしたとき、真っ先に出てきたのが"イルミネーション"という言葉でした。冬になるとあちこちのイルミネーションが綺麗なように、その印象が強い季節ですからね。


●『仲違い(リーディング)』

――流れてきたのが、ドライブ中の男性と女性というシチュエーション。そのときの女性の、男性に対する想いや、ちょっとした行き違いから、男性が車から降りてしまう場面。素直になれない女性の心模様などなど。互いの"心すれ違う様"を、リーディング・ドラマ『仲違い』という形を通して伝えてきました。

大橋: "素直になれない女の子と、ちょっと強がっちゃった男の子"の心模様を映し出した、人と人との繋がりがちょっと垣間見える内容になりました。大人っぽい(恋の)シチュエーションの物語だなぁと、私自身リーディングしながら感じていました。

――大橋さん自身、どんな想いで二人の心の擦れ違いを表現していたのでしょうか?

大橋:そのあとに流れる『仲直り(リーディング)』の内容も、事前に一緒に読んでいたこともあったのと。『仲直り』では男性を上手く転がしてる女性のイメージ(笑)がチラッと見えていたから、『仲違い』に関しては、「彼がいなくなっちゃった、どうしよう……」と深刻に受け止めて演じると言うよりは、「ホント素直になれない自分がいるから、こうなっちゃったんだなぁ」っていう、そっちの気持ちにウェイトを置いて演じていきました。

――男性を転がすってすごいなぁ。

大橋:…ほんと、ビックリしました!!「わたしも、こういう女性を演じる時期が来たのかな?」って(笑)。


 インタビューも盛り上がってきましたが、この続きは2回目へ。次回は、全曲解説の続きからスタートします。お楽しみに。


■『金色イルミネーション』/大橋歩夕
発売日:2013年12月18日(水)
価格:1,575円(税込)

【収録曲】
01. イルミネーション
02. 仲違い
03. Yuki
04. 仲直り
05. Center Of Your Heart
06. イルミネーション (Off Vocal)
07. Yuki (Off Vocal)
08. Center Of Your Heart (Off Vocal)

[インタビュー&文・長澤智典]

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