「『ジョジョ』は人生の道しるべ」、「押しつぶされそうなプレッシャー」など承太郎役・小野大輔さんが、TVアニメ『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース』を語る!(前編)
早くも話題沸騰の注目作となっているが、今作で主人公の空条承太郎を演じる小野大輔さんにインタビュー! 小野さんは、ご本人も認める『ジョジョの奇妙な冒険』の大ファン! インタビューでもかなり濃密なお話を伺えたため、前後半でお届けします。
今回の前半では、『ジョジョの奇妙な冒険』にまつわる思い出から、好きなキャラクター、作品の魅力、そして承太郎に決まったときの気持ちなどを、じっくりと語って頂きました。
■ 『ジョジョの奇妙な冒険』は人生のしるべになった大切な作品
――『ジョジョの奇妙な冒険』と初めて接した時の印象は?
小野大輔さん:最初に手にしたのは小学生の時で、ちょうど今回アニメ化された第3部でした。でもその時はまだ幼な過ぎたためか、魅力に気付いていなかったんでしょうね。ガッツリはまったのは大学生の時でした。人間讃歌と呼ばれるように、長く生きれば生きるほど感じるような、苦悩だったり、悲哀があって。そこから派生して喜びに変わっていく人間ドラマがちゃんとわかったのがたぶん大学生になった頃だったんですね。
『週刊少年ジャンプ』という少年誌で連載されている作品なのに、自分が人生経験を重ねていくほど、おもしろみを増すという。本当に奇妙ですね(笑)。
また、僕が迷ったり、壁にぶつかった時や、自分が生きていくなかでのいろいろな分岐点での道しるべになった、大切な作品です。
――小野さんが思う、『ジョジョ』シリーズの魅力とは?
小野さん:1部から今連載されている8部まで、すごく長い大河ストーリーで、各部に特徴がありますが、普遍的なテーマ、人間賛歌を描いているところがシリーズの魅力です。
また読み返していると、どの部の主人公も絶対にピンチになるし、関係ない人が被害を受けることが実は多くて。その恐怖におののくけど、最終的に正義が勝つというカタルシス、気持ちよさも魅力ですね。
■ 『ジョジョ』シリーズで小野さんのお気に入りキャラは?
――『ジョジョ』シリーズの中で1番好きなキャラは?
小野さん:えっ!? 全シリーズの中で、ですか? それでも承太郎、一択ですね。承太郎は3部だけでなく、4部、5部にも出てくるし、6部もガッツリ出てくるし。何気に登場回数が多いキャラで、しかもその部その部で彼がいないと勝てない局面が出てきて。それを読むたびにほれ直しますね。「やっぱりカッコイイ」と。
■ 承太郎役を演じるプレッシャーから覚悟を決めた時
――では話を戻しましょう(笑)。今回、3部がアニメ化され、自身が承太郎役で出演することが決まった時の感想は?
小野さん:もちろん、承太郎役に選んでいただいたことはすごくうれしかったし、声優をやっていてよかったと思いました。
ただ、アニメの前にゲームで演じさせていただいた時は押しつぶされそうなくらいプレッシャーを感じて。見ている人の愛情が強い作品の歴史や重みを感じながら、そこに自分の想いという重みがのしかかって。「俺は果たして、できるのだろうか? やっていいのだろうか?」とすごく葛藤しました。
でも1部、2部と続いてきた『ジョジョ』愛を育んできたキャストさん、スタッフさんに選んでもらったということで、「これはもう、やるしかない!」と覚悟が決まりました。
演じるたびに承太郎のことが好きになって、プレッシャーを自分の中で膨らませていって、承太郎が好きという想いに、気持ちと技術と声の表現が追いつけるようにと、アフレコのたびに繰り返して。こんなに楽しくて、うれしいことはないなと思って、いつもニコニコしながらやってます。
■ 承太郎は相反する要素を兼ね備える難しいキャラ
――承太郎についての印象は?
小野さん:冷静沈着さと激情、クールなのに熱い、パワーがあるのにスピードもある、など相反するものを兼ね備えていて、更に両方が高次元というのはズルいなと思います(笑)。演じるにあたっても、とても難しいです。
――演じる時にディレクションはあるんですか?
小野さん:細かいディレクションはありません。まず「困ったら原作を見てください。あと困ったら声を張ってください」と(笑)。1部から2部へと培ってきた熱量が大事で。「きれいにやろう」とか「技術的にこう聞こえるようにしよう」ではなく、
みんな、ストレートに完全燃焼する熱量でやっているんです。音響監督の岩浪(美和)さんもそこを感じ取ってくれて、ディレクションが的確で、すごく早いんです。僕らの熱が冷めないうちに、一番熱いところで、テイクを録ってくれるので、迷いもなく、収録が終わるのも毎回、早いです。
■ 小野さんと承太郎の共通点は?
――ちなみにご自身と承太郎を比べて似てる部分はありますか?
小野さん:あこがれの存在なので似ている部分は見つけられませんね。強いて挙げれば僕も基本的に無口なところ。今、こんなにしゃべってますけど、それは好きなことを語っているからですよ(笑)。
承太郎はクールな時はまったく前に出ず、でもいざという時は前に出て問題を解決してくれたり、体を張ってくれますが僕もそうありたいと思います。だけど激情している時とはいえ、「代金分の料理を出さないレストランではお金を払わない」とかむちゃくちゃなことを言った時は、「お金はちゃんと払おうよ」と思いますけどね(笑)。
――でもクールで周囲に無関心に見える承太郎も、いつもは冷たく接しているお母さんに、「今朝、顔色が悪かっただろ」とか、実は優しい部分も小野さんに似てるかなと。
小野さん:優しいですか? 僕は見つけた瞬間に言ってあげればいいのにと思いますけども(笑)。でも見てると愛おしくなるし、あこがれます。彼についてしゃべればしゃべるほど、完璧さ、かっこよさを再確認します。そして、これ以上しゃべるとまた僕のプレッシャーが更に大きくなります(笑)。
後半では、小野大輔さんからみた『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース』の魅力をじっくりと伺っています。インタビューは、5月4日公開予定。お楽しみに!
<作品概要>
【STAFF】
原作:荒木飛呂彦 (集英社ジャンプ・コミックス刊)
ディレクター:津田尚克
(『ジョジョの奇妙な冒険』、『妖狐×僕SS』)
シリーズディレクター:鈴木健一
(『ジョジョの奇妙な冒険』、『HELLSING OVA』#9,#10 監督)
シリーズ構成:小林靖子
(『ジョジョの奇妙な冒険』、『進撃の巨人』、『灼眼のシャナ』シリーズ)
キャラクターデザイン:小美野雅彦
(『ジョジョの奇妙な冒険』第8話・第20話 作画監督、『キスダム』総作画監督)
アニメーション制作:david production
製作:ジョジョの奇妙な冒険SC製作委員会
【STORY】
時は1987年――ジョセフ・ジョースターと柱の男たちとの死闘から49年後…。ジョセフは「悪霊に取り憑かれた」という孫・空条承太郎に会うため、極東の地・日本を訪れる。そして承太郎に対し、悪霊――「幽波紋(スタンド)」が突如発現した原因を語る。それは、100年に渡る長き眠りから目覚めた吸血鬼・DIOと、ジョースター家の忌まわしき因縁によるものだった。さらに、DIOのもたらした悪影響によって倒れ伏す承太郎の母・ホリィ。承太郎は母を救うため、全ての元凶にして邪悪の化身であるDIOを打倒すべく、仲間達と共に旅立つ…。
【『ジョジョの奇妙な冒険』原作シリーズ概要】
1987年から2004年まで集英社発行の「週刊少年ジャンプ」にて連載の後、連載誌を同社発行の「ウルトラジャンプ」に移し、現在まで長期連載中の大ヒット作品。シリーズの単行本は100巻を越え、累計発行部数は9000万部以上。最新シリーズの第8部ジョジョリオンは2014年の第17回文化庁メディア芸術祭のマンガ部門で大賞を受賞した。作品のテーマは「人間讃歌」。個性的な表現方法で仲間たちとの絆・強敵との死闘などを描き、作品独特の世界観を築き上げ、根強いファンを獲得。後々の作品にも大きな影響を与えた。
【日本国内放送情報】
TOKYO MX 4月4日より毎週金曜 24:30~
MBS 4月5日より毎週土曜 27:28~
CBC 4月9日より毎週水曜 26:58~
東北放送 4月8日より毎週火曜 25:48~
RKB毎日放送 4月8日より毎週火曜 26:08~
BS11 4月11日より毎週金曜 24:30~
アニマックス 4月12日より毎週土曜 23:30~
4月16日より毎週水曜 22:00~/27:00~
(※放送日時は変更となる可能性がございます。)
>>『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース』公式サイト
>>『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース』公式Twitter