『あの花』を製作したスタッフが送り出す新作劇場アニメ『心が叫びたがってるんだ。』スペシャルステージレポート【アニメジャパン 2015】

　2015年3月21日(土)、22日（日）に渡り、東京ビックサイトで開催された「AnimeJapan 2015」。初日である21日のREDステージにて、映画『心が叫びたがってるんだ。』スペシャルステージが行なわれた。『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』（以下、あの花）スタッフの再集結時のエピソードなど、メインのスタッフさんたちがいろいろ語ってくれた。今回はその模様を詳しくレポートしていこう。登壇者は以下の通り。

【登壇者】
長井龍雪さん（監督）
岡田麿里さん（脚本）
田中将賀さん（キャラクターデザイン／総作画監督）
清水博之さん（プロデューサー／アニプレックス制作部長）
水瀬いのりさん（成瀬順役）

吉田尚記さん（司会進行）


●『心が叫びたがってるんだ。』のスタートは居酒屋から!?　ファン必聴の制作秘話！

　REDステージには『あの花』ファンであろう人々が詰めかけ、2000席用意されているREDステージは満員御礼。そこへMCの吉田さんが現れ、メインスタッフを呼び込み始める。まず最初に登場したのは監督の長井龍雪さん、次に脚本の岡田麿里さん、続いてキャラクターデザイン、総作画監督の田中将賀さん、最後にプロデューサーの清水博之さんだ。皆さん、制作スタッフなのでこのようなステージは慣れていないのか、かなり緊張している様子だった。MCによって、この作品の略称を尋ねられるスタッフたち。長井監督から「制作部内では『ここさけ』と呼んでました」という話も。

　次に『あの花』スタッフが再集結したことについて聞かれると、まず監督は「ちょうど総集編の映画をやらせてもらうあたりで、お話をもらった」という。皆さん、また共に作品を作れることに対し「『あの花』を作ってるときから、この3人でまた仕事していきたいと話していたので、嬉しかった」（長井監督）など、それぞれ喜びを語っていた。

　『心が叫びたがってるんだ。』が青春群像劇であることについては、最初は主人公の年代を『あの花』と同じにするというオファーだけだった模様。企画の段階ではSFっぽいものも考えられていたようだ。しかし長井監督、岡田さん、田中さんの3人が、居酒屋で企画会議をしているうちに、このような形に決まったのだとか。「いろんなアイディアが出ては消え、そういう時が一番楽しい」（岡田さん）と、充実した企画会議が行なわれていたのだ。

　『あの花』同様、秩父が舞台であることについて監督は「イベントで秩父に行くことが多くて、いいなというのを再発見した」と、その理由を語ってくれた。また劇中に登場する「玉子の妖精」については、話を考えていたら自然に出てきたキャラクターだと明かされた。ちなみに劇場前売り券の第1弾特典には「玉子の妖精マスコットストラップ」がついてくるので、気になる方は要チェック！

　ここからいよいよメインキャストの発表となる。正面スクリーンに映し出されていくキャラクターたち。まず発表されたのは坂上拓実役の内山昂輝さん。続いて仁藤菜月役の雨宮天さん。お次は田崎大樹役の細谷佳正さん。最後に成瀬順役の水瀬いのりさんだ。

　さらにキャスト発表に合わせて、成瀬順役の水瀬いのりさんがステージに登場。REDステージに立つのは初めてだという水瀬さんは「人前に出ていい状態ですかね？」と、緊張の胸の内を明かす。彼女が演じる成瀬順というキャラクターは「言葉を封印された少女」なのだという。オーディションを受けた水瀬さんは『あの花』のいちファンであり、話が来たこと自体光栄で、受かるとは思ってなかったと話してくれた。

　ここでファン待望の特報映像が、本邦初公開！　映像を観た水瀬さんは「映像の中で順が生きてる感じがして、早く自分も順を演じたい気持ちが猛烈に溢れていて…感動しました！」と興奮を隠せない。そんな中で『あの花』との違いを聞かれた長井監督が「地味なところは変わらないんですが」と発言し、ＭＣが慌てて「繊細、繊細！」とフォローする一幕も。物語はミュージカルを学校でやるという部分がメインストリームになるようだ。またキャラクターについては「笑わない」ということで、田中さんも描くのが大変だった様子。キャラのポイントについて聞かれると、順のポイントは長い前髪との答え。「順はしゃべらないと言われて思いついたのが、とりあえず目を隠そう」（田中さん）と誕生の経緯を説明してくれた。



　新しい情報が満載だったイベントも、いよいよ最終盤。登壇者から会場のファンへメッセージが贈られて、ステージは閉幕した。

【清水さん】
「『あの花』に続く、同じチームの秩父青春群像劇第二弾になります。今回もまた、岡田さんのシナリオ、田中さんのキャラクター、長井さんの演出が三位一体となって『あの花』と変わらぬ感動を、というか違う性質の「泣ける」作品になるんじゃないかな、と思っています。シナリオを読んだときに、不覚にも涙が出てきてしまいました。制作はまだまだこれからですが、ぜひ劇場に足を運んで観ていただければと思います。これからも応援よろしくお願いします。本日はありがとうございました。

【水瀬さん】
「本当にに今日は朝早いお時間から、こんなにたくさんの人が集まってくださって、とても嬉しいです。今日この場でキャストさんが発表になったわけですけど、アフレコはまだ始まっていないので、私も今回、先ほど出た映像を観て、さらにこう順ちゃんをどういうふうに演じようとか、それこそシナリオはどんなストーリーなんだろうとか、すごく皆さんと同じような気持ちで今、ワクワクドキドキしています。皆さんがこの作品にたくさん期待とか、楽しみにしてくれてる気持ちを裏切らないように、私も順ちゃんを一所懸命、魂を込めてお芝居していきたいと思いますので、ぜひ公開まで楽しみにしていてください。今日は本当にありがとうございました。」

【田中さん】
「『あの花』からアニメのイベントに出させていただいて、イベントごとに、毎回気持ちが新たになって、今回こうやって発表されて、公開日も出たということで、もう腹くくってがんばるしかないな、と改めて思う次第です。頑張りますのでよろしくお願いします。」

【岡田さん】
「ホントにまたこのスタッフでやれる喜びに…喜びだなと思うのですが。ここでこうやって集まってくださっている皆さんが『あの花』を好いてくださっているということで、ホントに今回はみんな揃ってまたもう一作できるんだな、と。ここにいてくださる皆さんも揃って、やったなって、ハイ。すごい頑張ります。よろしくお願いします。」

【長井さん】
「いろんな方がいろんなことを言ってくださったので、あまり言うこともないんですけど。これから、まだ作ってる最中なんですけど、精一杯、心を込めて作らせていただきますので、ぜひ皆さんに楽しんでいただけるものになるようにこれからも頑張っていきます。よろしくお願いします。今日はありがとうございました。」

◆作品情報
映画『心が叫びたがってるんだ。』

＜STORY＞
心の殻に閉じ込めてしまった、誰にも言えない気持ち。
でも、本当は、素直な気持ちを叫びたいんだ。
お喋りを封印されてしまった女の子、順。彼女はとっても元気な女の子だったが、子供時代にうっかり話してしまったがきっかけで、家族がバラバラになってしまう。そして突然現れた、玉子の妖精に、二度と人を傷つけないようにお喋りを封印されてしまう。その事件以来トラウマを抱え、目立たないように生きてきた順だったが、ある日「地域ふれあい交流会」の実行委員に任命され、なんとミュージカルの主役に抜擢されてしまう...。

＜メインキャラクターとキャスト＞
成瀬順 (CV:水瀬いのり) 言葉を封印された少女
坂上拓実(CV:内山昂輝) 本音を言わないエアーな少年
仁藤菜月(CV:雨宮天) 恋に悩むチアリーダー部の優等生
田崎大樹(CV:細谷佳正) やさぐれてしまった元野球部エース

＜作品概要＞
★本作は、監督:長井龍雪、脚本:岡田麿里、キャラクターデザイン:田中将賀が『あの花』に続き再びタッグを組む、秩父を舞台に描かれる「⻘春群像劇」第2弾の劇場版オリジナルアニメーション。心の傷、葛藤、切なさー。人間本来の姿に真正面から向き合いながら、人と人との絆を描いた本作は、きっとあなたの心を感動でいっぱいにしてくれる。
★3月28日(土)より全国公開劇場で第一弾特典付き特別鑑賞券が発売される。
★劇場公開は142館に！(3月21日現在)

＜STAFF＞
監督:長井龍雪
脚本:岡田麿里
キャラクターデザイン・総作画監督:田中将賀
音楽:ミト(クラムボン)
演出:吉岡忍
美術監督:中村隆
プロップデザイン:岡真里子
色彩設計:中島和子
撮影・CG監督:森山博幸
編集:西山茂
音響監督:明田川仁
企画・プロデュース:清水博之、岩田幹宏
プロデューサー:斎藤俊輔
アニメーションプロデューサー:賀部匠美
制作:A-1 Pictures
配給:アニプレックス
製作:「心が叫びたがってるんだ。」製作委員会

＜CAST＞
成瀬順:水瀬いのり
坂上拓実:内山昂輝
仁藤菜月:雨宮 天
田崎大樹:細谷佳正


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