日野聡さん、原由実さんら出演キャストが今夏放送に向けて魅力を大いに語る！　TVアニメ『オーバーロード』トークショーレポート【アニメジャパン 2015】

　2015年3月22日、東京ビッグサイトにて開催された「アニメジャパン2015」のGREENステージにて、今夏より放送開始予定のTVアニメ『オーバーロード』のトークショーが行われた。

　イベントには、モモンガ役の日野聡さん、アルベド役の原由実さん、シャルティア・ブラッドフォールン役の上坂すみれさん、アウラ・ベラ・フィオーラ役の加藤英美里さん、マーレ・ベロ・フィオーレ役の内山夕実さんが出演。自身が演じるキャラクターの魅力や、過去に発売された原作特装版に付属のドラマCDの収録エピソードなどについてトークを繰り広げた。


●作品を知らない人もここから知っていこう！　キャスト陣が語るキャラクターたち

　イベントの冒頭では、KADOKAWAの田中プロデューサー進行のもと、まずは本作の概要紹介が行われた。『オーバーロード』は、ウェブサイト「小説家になろう」にて現在も連載されている同名のウェブ小説を原作とする作品(著作：丸山くがね／イラスト：so-bin)であり、エンターブレインより書籍化され、現在はシリーズ第8巻まで発売されている。

　物語は、仮想現実の中を自由に遊ぶことのできる体感型ゲーム「ユグドラシル」を舞台に描かれる。サービス終了を迎えるはずだった「ユグドラシル」が時間になっても終わることなく、NPCたちが意思を持って動き出し、外には未知の世界が広がっていた…。かつて最強クラスのギルド「アインズ・ウール・ゴウン」のマスターであった主人公・モモンガは、世界が変わり、ログアウトできない状況に混乱しつつも、絶対者(ギルドマスター)として行動を開始する、といった流れだ。

　ステージでは、「モモンガさまー！」という客席からの声に応じて、まずは日野さんが登場し、台本と違う呼び込みに「出づらくなったじゃないですか(笑)」と笑みをこぼす。続いて原さん、上坂さん、加藤さん、内山さんも姿を見せ、この日の出演者が勢ぞろいとなった。

　最初のトークでは、自身が担当するキャラクターについて語られた。日野さん演じるモモンガはガイコツの姿をしており、異色の設定を象徴する存在だ。ギルドマスターというだけあって、仲間思いで温かい面を持っているが、それゆえに仲間が危険な目に遭えば攻撃的なところも持ち合わせている、威厳のあるキャラクターだという。

　原さん演じるアルベドは、見た目の通り絶世の美女でスタイル抜群。それに加え、モモンガに仕える守護者たちを統括する立場にあり、強さも兼ね備えている。「モモンガを愛している」という設定をモモンガ自身につけられており、彼のことになると周りが見えなくなるぐらいの壊れ方を見せることもある、見た目とのギャップが面白いキャラクターとのこと。

　上坂さん演じるシャルティア・ブラッドフォールンは、幼い見た目をした吸血鬼の女の子。シャルティアもモモンガのことが大好きであり、アルベドとは「私のほうがモモンガ様に愛されている！」といったやり取りを繰り広げることも。「○○でありんす」という語尾も特徴的だが、これは本人が頑張ってつけているらしく、素で喋ったときは普通の語尾に戻ってしまうようだ。

　加藤さん演じるアウラ・ベラ・フィオーラは、男の子のような格好をしているが双子の姉という、一風変わったキャラクター。活発で子犬のように可愛い性格だが、なんと実年齢は70歳を越えているとか。ほかの守護者同様、モモンガのことが大好きで、何かと尊敬のまなざしで見つめることが多いという。

　内山さん演じるマーレ・ベロ・フィオーレは、アウラの双子の弟。男装をしているアウラに反し、女装をしている男の子だ。公式設定で「頼りない」と書かれ、事実、いつもビクビクして弱そうに見えるが、実際には強い力を持っているとのこと。アウラのことが大好きなので、兄妹（姉弟）愛が見られるのではと、内山さんも期待を込めていた。

　
●シリアスとコミカル、容姿と内面。『オーバーロード』の魅力とは？

　トークの後半では作品についての印象や魅力、ドラマCD収録時の心境などにも触れられた。まず日野さんは、「丸山先生が描く重厚なストーリーや、緻密に描かれた世界観を表現するため、ドラマCDでどう演じるかを考えました」と、初めて台本を読んだときのエピソードを語った。

　続けて原さんは、小説の表紙を見た際に怖そうな作品だと思ったと言う。ただ、実際に中を読んでみると、「モモンガの強さや戦いのスリルもありますが、ひとりひとりのキャラクターに笑える部分が入っていたので面白い作品だと思いました」との感想を抱き、シリアスな面とコミカルな面が共存していることに好印象を覚えたとのこと。

　ゴシックな世界観が好きという上坂さんは、その雰囲気はもちろん、モモンガの存在も気に入ったと話す。最強の魔法使いという存在でありながらも、現実世界では冴えないサラリーマンのモモンガは、アルベドが自分を愛するように設定してしまったことに反省を覚える場面があるという。「ガイコツなので表情には出ないですが、そうした心情がモノローグ的に聞こえてくるので、グラフィックの格好良さと、中に秘める社会人心がいいです」と感想を述べていた。

　加藤さんは、MMORPGの世界に入ってしまうこと、作品の目線が敵側であるところが新鮮だと感じたようだ。「変わった種族が多いのでアニメでどういった活躍をするのか気になっていますし、なります。重厚な世界がどう表現され、私たちがどう馴染んでいくかも楽しみにしています」と期待を寄せていた。

　内山さんはオファーを受けて原作を見た際、「分厚くて、これ読めるかなって思いました(笑)」と正直な印象を話すが、いざ読み始めてみると先の展開が気になり、見た目の分厚さに反して、ワクワクしながらあっという間に読んでしまったという。当初は表紙のモモンガをラスボスだと思っていたこともあり、ほかのキャスト陣の話にもあったキャラクターの見た目と中身のギャップについて「皆さんにも共感してもらえるところがあるかなって思います」と話していた。


●TVアニメ放送へ向けてのメッセージ

　今回のステージでは、現在は公式サイトで公開されているプロモーション映像の先行上映などを挟みつつも、作品やキャラクターについて語るトークに終始していた。今夏放送のためTVアニメのアフレコはまだ始まっていないが、最後に今後の収録に向けての意気込みと作品への期待感が語られたので、その内容を紹介しよう。

□内山さん
ドラマCDで演じさせていただいてから時間が経ちますが、こうしてTVアニメをお届けできるようになって嬉しい気持ちでいっぱいです。夏まではまだ少し時間がありますので、まだ原作を読まれていない方は、分厚いですけれど(笑)、あっという間に読めると思うので、予習しつつ楽しみに待っていただきたいと思います。

□加藤さん
『オーバーロード』初のイベントにたくさんの方が集まっていただき嬉しく思っています。今日初めて作品を知った方も居ると思いますが、ステージでの話を聞いたり映像を見て、楽しみにしてくれているのではと感じています。私もドラマCD以来でしたので、アニメがどうなるのか楽しみですし、あの重厚感ある世界に参加できることがすごく嬉しいです。

□上坂さん
ドラマCDの収録が2012年頃でしたが、私が本作的に声優を始めたのもその年でした。右も左の分からない状態で一生懸命原作を読みながら挑戦した役だったので、本当に思い入れが深い作品です。またそれから日にちが経ち、今度は成長したシャルティアが魅せられたらいいなと思っています。

□原さん
初めてドラマCDに出演させていただいたときは、こうしてアニメになるとは思っていなくて、すごく嬉しいです。原作を読んだ方はご存知だと思いますがお話もすごく面白いので、より多くの方にご覧いただきたいと思っています。これからアフレコが始まりますので、気合を入れてお芝居をしたいと思っています。ぜひ夏の放送をご覧ください。

□日野さん
丸山先生描く『オーバーロード』が、ウェブ小説に始まり、書籍化、ドラマCDを経てTVアニメにさせていただけるということで、非常に楽しみにしています。先生が描く圧倒的なスケールのダークファンタジー、映像化が不可能ではないかとまで言われたこの作品が、アニメーションとしてどう展開していくのか、ぜひ皆さんにも楽しみにしていただきたいと思います。我々も改めて気合を入れ収録に臨みますので、ぜひ楽しみにお待ちください。

　
■TVアニメ『オーバーロード』

【スタッフ】
原作：丸山くがね
(「オーバーロード」／KADOKAWAエンターブレイン刊)
キャラクター原案：so-bin
監督：伊藤尚往
シリーズ構成・脚本：菅原雪絵（ライトワークス）
キャラクターデザイン・総作画監督：吉松孝博
アニメーション制作：マッドハウス
製作：オーバーロード製作委員会

【キャスト】
モモンガ：日野聡
アルベド：原由実
シャルティア・ブラッドフォールン：上坂すみれ
アウラ・ベラ・フィオーラ：加藤英美.
マーレ・ベロ・フィオーレ：内山夕実
デミウルゴス：加藤将之
コキュートス：三宅健太
セバス・チャン：千葉繁
ナーベラル・ガンマ：沼倉愛美ほか

【ストーリー】
　時は2138年。仮想現実の中を自由に遊ぶことのできる体感型ゲーム全盛の時代に一大ブームを巻き起こしたオンラインゲーム《ユグドラシル》は静かにサービス終了を迎えるはずだった。しかし、終了時間を過ぎてもログアウトしないゲーム。突如として意思を持ち始めたNPCたち。ギルドの外には見たこともない異世界が広がっていた。現実世界ではゲーム好きの孤独で冴えない青年が、骸骨の姿をした最強の大魔法使い・モモンガとなり、彼の率いるギルド《アインズ・ウール・ゴウン》の伝説が幕を開ける！


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