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映画『リトルプリンス 星の王子さまと私』監督インタビュー

『星の王子さま』を読んだ時と同じ気持ちになれるようなストーリーを目指して! 映画『リトルプリンス 星の王子さまと私』監督インタビュー

 大人気映画『カンフーパンダ』の監督を務めたマーク・オズボーン氏の最新作『リトルプリンス 星の王子さまと私』。本作は、児童文学の名作『星の王子さま』のアニメーション映画であり、原作の権利を管理しているサン=テグジュペリ・エステートが初めて公認した、原作のその後を描く意欲作でもある。今回インタビューでは、今なお世界中から愛される名作を映画化するにあたって感じたプレッシャーや作品にかける想いをマーク・オズボーン監督に語ってもらった。

▲映画『リトルプリンス 星の王子さまと私』マーク・オズボーン監督

▲映画『リトルプリンス 星の王子さまと私』マーク・オズボーン監督

 

■ 多くの奇跡を経て生まれた名作の映画化

――本作の最初のオファーである『星の王子さま』の映画化のお話を一度お断りしたそうですが、どのような理由だったのでしょうか?

マーク・オズボーン監督(以下、マーク):映画にするのが難しかったからです。原作の『星の王子さま』は、それぞれの小さなエピソードでも奥深く、さまざまなパートにファンが存在します。また、読んだ人よって、物語から受ける感動や解釈が変わってきます。そんな、複雑な色合いを持っている作品を、映画として統一することができるわけないと思ったんです。

ただ、原作がもつそれらの特徴を活かした形で解決する方法を思いついたんです。それが、映画『リトルプリンス 星の王子さまと私』でとった、原作を映画の中に登場させ、物語の中に鏡のようにその内容を映し出すという手法です。この映画を観ることで、原作の『星の王子さま』を読んだ時と同じ気持ちになれるようにストーリーを構築したんです。

――原作との出会いは、学生時代に奥さまからのプレゼントというお話ですが、この映画を作る上で家族からの意見を参考になどはしましたか?

マーク:もちろん妻とは話をしました。ただ、その話をしたのは、ある程度映画の方向性がまとまってからでしたね。映画制作は、企画段階で中断し、実現しないという場合もありますからね(笑)。また、『星の王子さま』は、僕と妻を繋げてくれた大切な作品でもあったので、確実に動き始めるまでは話すことが出来ませんでした。実際に、映画の話を妻にした後、彼女も本当に実現するのかを常に心配していました。

――今回の映画でチャレンジしたことや、特に見てほしいと思っているところをお聞かせください。

マーク:常にチャレンジの連続でした。本の中からアイデアを採用するには常にリスクが発生してしまうからです。映画を観てくれる方は原作ファンの人も多いでしょうし、その期待に応えられる物を創りつつも、驚きも与えられるような映画にしなければ面白くはありません。そのバランスを考えるのにとても苦労しました。

――監督は宮崎駿さんの影響を受けているとお伺いしていますが、日本を意識して作った部分などはありますか?

マーク:隣に住むおじいさんの裏庭や家の内装、女の子が茂みをかき分けておじいさんの家に入っていくシーンなどは、宮崎監督の影響が色濃く出ています。キャラクターデザインも日本文化に影響を受けていて、可愛らしい感じに仕上がっています。日本のアニメは完全に我々の一部になってしまっているので、影響されない方が難しいですね(笑)。

――宮崎監督のアニメ以外で、好きな作品などがあれば教えてください。

マーク:『マインド・ゲーム』(湯浅政明監督、2004年公開)は素晴らしかった。他には『フリクリ』(鶴巻和哉監督、2000年発売開始)や『AKIRA』(大友克洋監督、1988年)、『サムライチャンプルー』(渡辺信一郎監督、2004年)なども気に入っています。さまざまな影響を受けているものばかりですね。

――最後に読者に向けてのメッセージをお願いします。

マーク:映画『リトルプリンス 星の王子さまと私』は、既存のアニメとは異なる作品を目指して制作しています。キャラクターの感情をはじめとして、細かな部分を丁寧に描くことにスタッフ共々、力を入れています。CGだけでなく、ストップモーションアニメも採用し融合させるなど、新しいことへも挑戦しています。アニメのファンならすべてを愛してもらえるように作った作品です。公開は11月とまだ先ですが、是非多くの人に楽しんでいただければと思います。

──ありがとうございました。


<作品情報>

11月<2D/3D>全国ロードショー!

11月<2D/3D>全国ロードショー!

「星の王子さま」―――それは、世界で最も愛されている一冊の本。
砂漠に不時着した青年飛行士が、ちいさな星からやって来たちいさな王子に出会うこの物-語は、世界中で270以上の言語・方言に訳され、翻訳の多さでは聖書に次ぐ世界的なベ-ストセラーとなり、その数は今なお増え続けています。
物語が誕生してから70年以上の時を経た今、この愛すべき物語は、史上初の長編アニメ-ーション映画となりました。

王子さまに出会ったあの飛行士がもし生きていたら?残された人生で、王子さまの物語を-誰かと分かち合いたい、そしてもう一度、王子さまに出会いたいと願っているとしたら?-飛行士の前に現れたのは、9歳の女の子。もうひとつの「かけがえのない物語」が、いま-始まろうとしています。

 
>>映画『リトルプリンス 星の王子さまと私』公式サイト

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