生粋の特撮好き声優・関智一が、ヒーローとは何かを語る!
パワードスーツを纏った等身大の『ウルトラマン』の活躍を描いた、月刊ヒーローズで絶賛連載中の大人気コミック『ULTRAMAN』の最新6巻が7月4日に発売となる。今回は『ENSOKU SUTORRE』にて配信されているモーションコミック版にて、科学特捜隊に所属するミステリアスな男・諸星弾を演じる関智一さんにお話を伺った。数々の特撮作品に出演された経験を持ち、生粋の特撮好きとして知られる関智一さんに、本作の見どころや特撮作品に対する考えなどをたっぷりと語っていただいた!
■ 『ULTRAMAN』の諸星弾役はどこか運命的
――諸星弾を演じてみての感想をお聞かせください。
関智一さん(以下、関):『ウルトラマン』は世代的に見ていた番組だったので、楽しく演じさせてもらいました。ただ初代『ウルトラマン』をリアルタイムで観ていたのではなく、世代としては『ウルトラマンタロウ』や『ウルトラマンレオ』が放送されていた時期なんですよね。当時は再放送が頻繁に行われていたので、『ウルトラマン』や『ウルトラセブン』はその再放送で見ていた感じになります。
――ウルトラマンに対する思い入れは?
関:僕の場合はどっちかっていうと『帰ってきたウルトラマン』以降の世代になるので、素直に思い入れを聞かれるとタロウになるんですよね。そうなるとウルトラマンたちってよく助けに来ていたので、強い人たちなんだろうなという印象でした。セブンに関してだと後に製作されたオリジナルビデオシリーズの方に出演させてもらったりしていたので(※1)、より身近に感じることもあります。作品中で僕の役はセブンにやられましたし(笑)。
※1「ガルト星人」として声優出演。また、ガルト星人の変身した姿である「タシロ職員」として役者でも登場している。
――普段のアフレコと違ってモーションコミックならではの苦労はありましたか?
関:基本的に、絵と声のタイミングは後から合わせていただけるので、むしろやり易かったです。伸び伸びやらせていただきました。
――諸星弾というキャラクターを演じてみてどう感じましたか?
関:テレビドラマのキャラクターと違い、スタイリッシュでミステリアスな雰囲気のあるキャラクターになっているので、同じ名前だけど別人だと割り切って演じました。何か秘密を知っていて、ストイックに使命を全うしようとしている男というのを重点的に意識して、何も知らされていない主人公の早田進次郎との対比が出るようにしていました。
――原作をご覧になった時、進次郎というキャラクターにどのような印象を受けましたか?
関:主人公として成長していく余地があるなと。この独特の世界観に入っていく読者の代表として優秀な主人公像をしているなと思いました。物語の中で進次郎が体験するのと同時に、読者も世界観を知っていけるようになっているので、よくできていますよね。
――漫画『ULTRAMAN』の魅力はどういったところにあると考えますか?
関:原作である『ウルトラマン』の世界観が独自のアレンジで描かれているので、それが楽しいです。それでいながら、本筋からは大きく外れすぎないように作られているので、様々な可能性を感じることができるのも魅力ですね。
月刊少年マガジンで連載されている『仮面ライダーSPIRITS』とは全然違う切り口なんですけど、あれも仮面ライダーが好きな人が熱くなれるような、原作を知っているからこそ楽しめるスピンオフになっているじゃないですか。『ULTRAMAN』はオリジナリティを含みつつ原作を損なわないようにできているので、上質なエンターテイメントになっているかなと感じます。
――初めて『ULTAMAN』のコミックを見た時はどのような印象を受けましたか?
関:最初に過去のウルトラマンの登場人物が出てくるんですよ。そこからこのサイボーグチックなウルトラマンへ繋がっていくので、これがテレビドラマのその後の話なのだとすぐに理解できて、物語に引き込まれました。
原典のファンの人が見ても感情深い部分があるというか、設定だったり登場人物だったり踏襲している部分がありつつも、オリジナルの要素とのバランスがしっかりとれているので単なる焼き直しになっていないのが凄いなと感じました。
登場人物もどんどん増えていくので「次は誰が出てくるんだろう?」という楽しみもありますし、あくまでヒーローの総称として『ウルトラマン』という単語が使われているので、オリジナルを知らない人が見ても楽しめちゃうのが魅力なんだと思います。一つの漫画として楽しめるようにできていますよね。
――ウルトラマン好きとして、巨大化しないことに対してはどのように感じましたか?
関:それに関してはあまり意識してなかったですね。「あ、巨大化しないんだ」みたいな印象もなく、普通に読んじゃっていました。そう言われてみれば巨大化してないんですね(笑)。
――3巻を収録されて難しかったところや、印象に残っていることはありますか?
関:苦労したところは特にはなかったですね。話としてはジャックが出てきたことでしょうか。明確には言われてないんですが、オリジナルを知っていれば「そうなのかな?」と気になるところではありますよね。
あとはフジ隊員が出てきたりですね。モーションコミックでは、フジ隊員を演じた桜井浩子さん本人が声を担当されているので、作品上で共演するという形になりました。桜井浩子さんご本人とは、以前お会いしたことはあったんですがウルトラマンというシリーズでの共演は感じるところがありますね。
あと、僕、アンヌ隊員のひし美ゆり子さんとも共演したことがあったんですよ。それで今回は諸星弾役をやることになったわけですから、なんか運命的ですよね。
■ 特撮を通してスポ根の精神を学びました。
――特撮作品と言いますと、ウルトラマン以外にスーパー戦隊や仮面ライダーがありますが、関さんからみてそれぞれの作品の魅力はなんだと思いますか?
関:ウルトラマンは特撮ということを除いても、この三つの中だとドラマ性が強い作品だなと思います。近年のウルトラマンシリーズもその辺りに力が入っている印象ですね。
仮面ライダーはちょっと特殊ですよね。原作のダークヒーローな感じと、テレビの子供番組としてのヒーロー像が混ざっている印象があります。テレビ版だけショッカーが出てきてやっつけて終わりって感じだけど、原作を知っているファンの人は、本郷猛が孤独で戦っているというのを勝手に補完してるじゃないですか。やっぱり『仮面ライダー』という存在のキャラクター性やホラー的な怪奇性っていうのが魅力なんじゃないかと思います。
スーパー戦隊はいわば歌舞伎のような感じですね。ヒーローものの古典というか、ノリをずっと大事にしていますし。
やっぱりそれぞれが別の部分で楽しいのが良いですよね。元気がないなってときには戦隊ものが見たいし、夜は暗い雰囲気に充てられてライダーが見たいなってなるし、ちょっと心が弱っていて感動したいなって時にはウルトラマンを観て温まりたい気分になるって感じですかね。
――子供時代の思い出深いヒーローはいますか?
関:戦隊が始まったのが幼稚園くらいの時だったんですけど、その頃ってスポ根が流行っていた時期なんですよ。入り口としてはビジュアル的なカッコよさもあったんですけど、ウルトラマンも仮面ライダーも若干スポ根が入っているノリだったので、その雰囲気と言いますか、「強いとはこういうことだ!」みたいな精神を特撮を通じて学んだって感じですね。
――『機動武闘伝Gガンダム』のドモン・カッシュなどにもその精神は反映されている感じですか?
関:そうですね。ガンダムって名前がついているわりにはスーパーロボット的なノリだったし、あの頃も特撮とスーパーロボットは一緒くたに好きだったので、そういう意味では入りやすい世界観でやらせていただきました。
――声優をされていて、特撮を追っかけていたから得したことなどはありますか?
関:やっぱり特撮にまつわる仕事をやらせていただく機会が多いことですね。『人造人間キカイダー THE ANIMATION』というアニメ版のキカイダーをやらせていただいたことがあるんですけど、あれも「特撮好きで、キカイダーも好きです」って言っていたら、石ノ森プロダクションの方がどっか知って、直接電話でオファーしていただいたんです。
最近はウルトラマンのシリーズに毎回ちょっとずつ出さしてもらっているんですけど、それもウルトラマンが好きで、他の人よりも若干話が早いって理由があるんじゃないでしょうか(笑)。
――お仕事として声優以外にも造形のほうをやっていらっしゃいますが、その点から見たウルトラマンはどのように感じますか?
関:デザインが比較的単純じゃないですか。だから逆に表現するのが難しいんです。一回『ウルトラマン80』のフィギュアを作ったことがあるんですけど、なかなか似ないんですよね。手がかりとなる線が多いと作りやすいんですけど、ウルトラマンって丸が連なっている印象なので、それを表現する塩梅が良く分からないんです。だから作ってはみたものの、微妙に角度が変わるだけで違うものになっちゃうので、削っては盛って削っては盛ってを繰り返して作っていました。
――関さんの中でもっとも好きなヒーロー像ってありますか?
関:自分を投影するなら、最近の何でもない普通の人が突然力を持っちゃって、葛藤しながら戦っていくっていうのが良いんですけど、自分にとってのヒーローとなると頼り甲斐のある方が僕は好きですね。ウルトラマンは意外とみんなそういった感じなんですけど、戦隊とかはイマドキのチャライ感じのレッドよりは、リーダ?シップのある硬派なレッドのほうが頼り甲斐があって助けてほしいなって思いますね。
――では最後に、今後の『ULTRAMAN』はどのようになっていくと考えますか?
関:最近の話でエースが大変なことになっていたり、諸星弾が意味深なことを言っていたり、とにかく先が気になりますね。それにしたってマニア視点からあれこれ考えると様々な可能性が見えてくるので楽しいです。これからキャラクターも増えるだろうし、そのうちタロウとかも出てきそうじゃないですか。でもタロウって名前が「タロウ」だからどんな感じのノリになるのか(笑)。レオとかゾフィがどのようなキャラクターとして出てくるのかも気になるし、ジョーニアスだったり80だったりをどう消化するのかなど、あれこれ考えるのが楽しい作品なのだと思います。
――ありがとうございました。
≪『ULTRAMAN(ウルトラマン)』とは≫
『ULTRAMAN』は、月刊ヒーローズにて大好評連載中の人気コミックで、初代ウルトラマンであった早田進の息子進次郎がウルトラマンスーツを与えられ、等身大のULTRAMANとして異星人との戦いに挑む、新時代のウルトラマン像を描く傑作ヒーローアクションです。初代ウルトラマンを前日譚とした正史を引き継ぐ基本設定に、現代感溢れる新解釈を織り交ぜ、予測不能な大胆なストーリー展開で新旧ウルトラファンを魅了。巻を追うごとに人気が拡大し、既に累計170万部を突破しております。
『ULTRAMAN』第6巻の発売を記念して、第1巻~第3巻までのモーションコミックの期間限定、無料公開が決定。
期間はが7月3日(金)~9月30日(水)。
モーションコミック版『ULTRAMAN』では、豪華キャストが集結。臨場感あふれる新しい漫画表現を実現している。
≪『ULTRAMAN』モーションコミック 主なキャスト≫
● 木村良平(早田進次郎 役)
● 関智一(諸星 弾 役)
● 内田真礼(佐山レナ 役)
● 藤原啓治(ジャック 役)
● 潘めぐみ(早田進次郎〔幼少期〕役)
● 菅生隆之(早田進役)
● 江原 正士(井出光弘 役)
● 磯部 勉(ベムラー役)
● 山路和弘(遠藤庸介役)
● 斎藤志郎(レッド役)
●桜井浩子(富士明子役)
■無料公開期間: 2015年7月3日(金)~2015年9月30日(水)
>>ULTRAMAN モーションコミック配信サイト
>>ULTRAMAN公式サイト
この記事が気に入ったら「いいね!」しよう!
■この記事を読んだ人は次にこの記事を読んでいます!
関智一さん&木村昴さんに聞く『ドラえもん 新・のび太の日本誕生』
『仮面ライダークウガ』鈴村さんと神谷さんの率直な感想
藤岡弘、さん45年を経ての主演オファーに「血が騒いだ!」
『仮面ライダー1号』追加出演キャストのコメントが到着
『仮面ライダー1号』が警視庁・東京都とタイアップ