「やっぱテントモンだ!」「俺、パタモンと話してる」――テントモン&パタモンコンビが語る『デジモンアドベンチャー tri. 第3章「告白」』
2016年9月24日(土)から3週間限定劇場上映、劇場限定版Blu-ray先行発売、先行有料配信が始まる『デジモンアドベンチャー tri. 第3章「告白」』。1999年から放送された『デジモンアドベンチャー』の続編として全6章が制作される『デジモンアドベンチャー tri.』の3作目である本作では、物語として大きな展開を迎えた作品となりました。
そんな第3章でキーパーソンを演じる榎木淳弥さん(高石タケル役)、松本美和さん(パタモン役)、田村睦心さん(泉光子郎役)、櫻井孝宏さん(テントモン役)の4人にインタビューを実施。役についてのお話のほか、第3章の印象、櫻井さんと松本さんからは当時のエピソードなども飛び出しました。
――まず、櫻井さんと松本さんにお伺いしたいのですが、『第1章』のときに再びデジモンを演じてみていかがでしたか。
パタモン役・松本美和さん(以下、松本):普通に演じられました。私は日常からパタモンに近い声なので、わざわざパタモンになったという感覚もあまり無かったのですんなり役に入れました。でも、当時観ていた人が(本作で)実際にキャラクター(選ばれし子どもたち)を演じる感覚は不思議なんだろうなって思いますね。
テントモン役・櫻井孝宏さん(以下、櫻井):まさか再びやるとは思ってなかったので、正直驚きました。ゲームなどの収録等がありましたが、それも3,4年に1回とかだったので。戸惑いは無かったんですけど、ちょっと照れはありましたね。僕の経験の中ではあまり無いタイプのキャラクターだし、新しいキャストの中には「子供の頃に観ていました」という人がいたりして気恥ずかしいというか。あまり体験したことは無かったんですけど、そういう時の流れを感じましたね。テントモン自体はとっつきやすいキャラクターで楽しいし、デジモンは凄く好きな作品なので嬉しかったですね。
――久しぶりに演じるということで、当時の感覚を思い出したりしましたか。
櫻井:人によっては別のことをされていたり、それぞれの道を歩んでいたので本当に集まるのかなと思っていたら、集まるもんなんだなみたいな。そんな感じでしたよね。
松本:ねぇ。集まっちゃった。
一同:(笑)
櫻井:それは凄いなと思いました。当時から女性が多い現場で、女性が絶大な力を握っていたんですよ(笑)。感覚を取り戻すわけじゃないんですけど、場の雰囲気をじっくり味わっていました。でも、やっぱり楽しいですね。よみがえるものもあるし、新しいキャストの人たちもいるので新鮮味もあるし、少しノスタルジックな気持ちにもなりました。そういえば、キャストみんなで撮った写真が出てきて、懐かしんだりもしました。
――榎木さんと田村さんは、第1章で光子郎とタケルを演じる事になったときのお気持ちはいかがでしたか。
高石タケル役・榎木淳弥さん(以下、榎木):自分がちょうど太一たちと同じ歳の時に『デジモンアドベンチャー』を観ていましたが、まさかその時に観ていたキャラクターの声を自分が演じるとは思ってもいなかったので、凄く感慨深い気持ちになりました。当時も、放送の次の日は学校で「昨日のデジモンどうだった」と話題になった記憶があり、その事を考えると不思議だなって思います。
泉光子郎役・田村睦心さん(以下、田村):私も子供の頃に観ていて、当時は丈先輩(城戸丈)と同い年でした。(友達と)アニメの話もしましたし、ゲームでデジモンをバトルして遊んでいました。オーディションがあると聞いたときに良いなと思ったんですが、キャラクターは高校生になるし、私自身あまり女性の役をやったことが無くて。「これは出たいけど、無理かも」と思っていたところに「光子郎の役でオーディションを受けてみませんか」というお話を頂きました。実際に決まったときはすごく嬉しかったですね。
――新キャストのお2人はキャラクターの成長後の役を演じるにあたり、プレッシャーを感じられましたか。
榎木:ファンの方からすると『デジモンアドベンチャー』のイメージがあると思うので、そこに新しく入るのは不安がありましたね。
田村:私も観ていた側なので、「光子郎ならこの声だ」というイメージはありますし、映画を楽しみにしてくれている人が「(前作と)変わるのか」と思っている様子もなんとなく想像がついて、大丈夫かなって凄くドキドキしましたね。特に、第1章は緊張しました。
榎木:緊張しましたね。
田村:さっきも(榎木さんと)話していたんですが、「モノマネにならないように気をつけなきゃ」と意識しました。
――その他で、具体的に役を作っていく上で意識した部分はどういったところでしょうか。
田村:光子郎の場合は難しいことを説明するセリフが多いので、理解して自分の中に落とし込んでから演技する点を意識しました。人との会話だと、会話の中で言葉が理解出来ることが多いですが、光子郎はわりと1人で喋って、1人で整理しているところがあるので。
櫻井:第1章のときに、河原でみんなが集まっているシーンで、裏ずっと喋っているくだりがあったけど、あれは切なかったね。
田村:あれは切なかったですね。
櫻井:黙々とお芝居している田村さんが印象的でした。
――今回、初代『デジモンアドベンチャー』の頃から参加されていた櫻井さん、松本さんとパートナーとして共演されてみていかがでしたか。
櫻井:(田村さんに)大事なところだよ。
田村:そうですね……でもやっぱり「テントモンだ」って(笑)。
櫻井:なんで笑ったの。
一同:(笑)
田村:櫻井さんとは別の現場でもお会いする機会があったんですが、アフレコでテントモンのセリフを実際に喋ったときに「やっぱテントモンだ!」ってなりました。櫻井さんのこういう声のイメージって他ではあまり聞かないので余計に嬉しさと感動がありました。
――榎木さんはいかがでしたか。
榎木:(松本さんとは)第3章までは別々で収録していたんですけど、第1章の時にタケルとパタモンが話している所を見たら「俺、パタモンと話してる」と思って感動しました(笑)。
――本作のファンには子供の頃から『デジモンアドベンチャ―』を観ていて、今も『デジモンアドベンチャー tri.』を観ている方が大勢いらっしゃると思うのですが、先日の「DIGIMON ADVENTURE FES. 2016」などでファンの方々を目の前にしていかがでしたか。
榎木:こんなに熱量が高いイベントは、なかなか無いなと思いました。ファンの方がぬいぐるみを持ってきて楽しそうにされていますし、泣きながら歌っていたりと、『デジモン』に対する愛の強さを感じると共に、気が引き締まりますね。
田村:「DIGIMON ADVENTURE FES.」は1回目も2回目も凄く緊張しました。でも、新キャストの私達にもファンの方々は優しく、厳しく、期待も寄せてくれている感じがして徐々に盛り上がり、最後は一緒に泣きそうになっていましたね。
櫻井:(会場で)外国の方を見たときに、この作品はあまり垣根が無いんだなって思いました。
松本:私はイベント自体にあまり出たことが無かったので、ビックリしました。あと、(第2章に登場する)大江戸温泉物語にこっそり行ったときに声バレして、ファンの方にサインを描いたことがありました。その方は台湾の方だったと思いますが、第2章の先行上映会にいらっしゃっていて「ちゃんと上映が始まったらまた来ます」とおっしゃっていました。結構マメに日本に来られている方もいるみたいですね。
■ “観る”というより“向き合う”第3章
――『第3章』の話に移るのですが、今回の台本を読まれた時のご感想はいかがでしたか。
田村:辛いって思いましたね。
榎木:何が起こったか分からなかったです。あまりにも想像していなかった展開だったので、本編を見て「そんなことやっちゃうんだ」と思いました。
松本:第2章のとき、第3章の予告映像でパタモンの絵と「さよならタケル」の文字が出るシーンがあって、もうそれだけで泣いちゃいました。だから台本を読む前から「またタケルに迷惑かけちゃうよ」って洗濯物を干しながら泣いてたんです(笑)。ご近所中に「あの人変な人」と思われているんだろうなと思いながらも、また迷惑かけるなと思い日々を過ごしていました。台本を読んだときに「やっぱり迷惑かけてる」と思って、辛かったですね。
田村:パタモンとタケルは辛い試練が与えられていますよね。
櫻井:(パタモンは)純粋で、それこそ天使(エンジェモン)になってしまうキャラクターなので、なんとなくそういうポジションなのかな。
松本:一番弱い部分として扱われてきたから、どうしてもそういう役回りにはなるんでしょうね。
――テントモンは第3章のビジュアルで究極体のヘラクルカブテリモンに進化していますが、演じ分けの部分で意識した所などありましたか。
櫻井:カブテリモン以降はそんなに変えて無いですね。元をたどれば、『デジモンアドベンチャー』をやっていた当時にテントモンからカブテリモンに進化するだけで全力だったので、それ以上の進化のことを全く考えてなくて(笑)。でも、今思えばマインドと言いますか、声で何かをするよりは、そのシーンの状況に対する気持ちでやっていました。
――最後に第3章を楽しみにしているファンの方々へメッセージをお願い致します。
田村:みんなが何とかしようと、もがき苦しんでいます。これは実際に第3章の物語を観てもらわないといけないと思うんですよね。だから劇場に足を運んでいただくことが一番良いんですが、もし劇場へ足を運ぶのが難しい方は配信などで絶対に観て欲しいと思います。これを見逃したら大変です、ということだけは言っておきたいです。
榎木:第3章は今回のシリーズにおいて、話が大きく動く回だと思います。デジモンと選ばれし子どもたちには辛いことがいっぱいありますが、第3章を観た後には第4章が気になるような、誰も想像出来ない内容になっていると思うので、ぜひ劇場に足を運んで頂ければと思います。
松本:デジモンとパートナーとの個性が出ている作品になっているので、そこを感じて頂ければいいなと思います。
櫻井:全6章のシリーズの真ん中のお話で、第2章まで観ている方は雲行きが怪しいことを察してくれているとは思います。とある悲しい出来事が起こって、そこに至るプロセスが凄くナイーブで、純粋に楽しむというよりは向き合ってもらうような見方になると思います。でも、最後までしっかり観てほしいです。
■ 作品情報
デジモンアドベンチャー tri. 第3章「告白」
3週間限定劇場上映/劇場限定版Blu-ray先行発売/先行有料配信
9月24日(土) 同時スタート!
上映館:新宿バルト9、渋谷TOEI、T・ジョイPRINCE品川、横浜ブルク13、梅田ブルク7、T・ジョイ京都、109シネマズ名古屋、T・ジョイ博多、札幌シネマフロンティア、広島バルト11、MOVIX仙台
一般販売版Blu-ray&DVD 2016年11月2日(水) 発売!
【CAST】花江夏樹 坂本千夏 ほか
【STAFF】監督:元永慶太郎 シリーズ構成:柿原優子 キャラクターデザイン:宇木敦哉
>>『デジモンアドベンチャー tri.』公式サイト
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