人間関係に悩む姿に共感──『アンジュ・ヴィエルジュ~ガールズバトル~』田村ゆかりさんに聞く、彩城天音ってどんな人物?
5つの世界から集まった6人の少女たちの葛藤や友情を描き、多くのファンを虜にしたTVアニメ『アンジュヴィ・エルジュ』。彩城天音(CV:田村ゆかりさん)をはじめとしたオリジナルキャラクターたちの活躍が話題を呼びましたが、2016年9月26日に大型アップデートが行われた『アンジュ・ヴィエルジュ~ガールズバトル~』に彩城天音が新たに主人公として登場しています。
アニメイトタイムズでは、今回のアップデートに伴い、田村ゆかりさんへインタビューを行いました。天音への思いはもちろんのこと、「田村さんが闇堕ちしたら?」「ゲームに実装されてほしい機能は?」などなど、様々なことをお聞きすることができました。『アンジュ・ヴィエルジュ』ファンも、田村ゆかりさんのファンも必見のお話しを最後までお楽しみください。
──今回、新章『世界ノ敵』では天音が主人公となりますが、主役に抜擢された感想はいかがですか?
田村ゆかりさん(以下、田村):アニメのアフレコの最後のほうで、スタッフさんが「今度ゲームに出ますよ」と教えてくださったんですよ。天音はαドライバー(※1)なので、ゲームには出られないと思っていたんです。純粋にすごく嬉しかったですね。でも、どんな立ち位置で出るんだろうって思いました(笑)。まさかプログレス側になって出演するなんて思わなかったので……。
※1:特殊能力に目覚めた少女・プログレスたちを強化し、導く存在。天音もそのひとり。
──ファンもビックリな展開だと思います。
田村:もともと『アンジュ・ヴィエルジュ』のアプリを遊んでくださっていた方は、アップデートが来たというのが最初に嬉しいんじゃないかなと。天音のことも気に入ってくださると嬉しいですね。
──今回のアップデートではどんなストーリーが繰り広げられるのでしょうか?
田村:天音が急にαドライバーの力が使えなくなって、プログレスに転向するんです。たぶん、プログレスのみんなといっしょに強くなって、世界を救うみたいな感じになるんだと思います(笑)。
──ざっくりですね(笑)。
田村:違うのかな(笑)。『世界ノ敵』編って書いてあるので、たぶん強くなって何かを倒すんだと思います!
──天音が自分自身を成長させていくとか……?
田村:そうそう!
一同:(笑)。
田村:最初は退学にならないようにっていうお話でした。αドライバーとして学校に入ったのに、プログレスになってしまったので。プログレスとしては新米だから、天音は何もできないんですよ。でも、学校に残りたいし、今までいっしょに戦ってきたプログレスのみんなとも離れたくないし……。ということで、これから強くなるために頑張っていこうと。
──アニメの流れからすると、まさかそんな事態に陥るとは予想外です。今後の展開で「こうなってほしいな」と思うことはあります?
田村:私、天音が戦術とかを一生懸命考えている、影の努力が見えるシーンが結構好きだったんですよ。ただ、今回はプログレスなので、そういうシーンはなくなっちゃう代わりに、αドライバーである主人公といっしょに戦術を考えることになるんですよね。元αドライバーと現αドライバーって、わかりあえるところがあると思うので、悩みを聞いてあげたりしてみたいなと……。
──プレイヤーの悩みということですか?
田村:あったらいいなと思います。天音ももちろん、強くなるために支えてもらうけど、やっぱ悩んだりすることもあると思うので、お互いに支え合えるといいなと思いますね。
──アニメの印象だと天音は“人たらし”のようなイメージもあるような気がしました。
田村:そうですね。ただ彼女も、結局、紗夜ちゃん(蒼月紗夜 CV:寿美菜子さん)といっしょで、まわりにいっぱい人がいても、世界にひとりしかいないみたいな、孤独な気持ちがあったり。それで、ほかの人と接するときに「よく思われたい」みたいなところもあって、努力した結果、みんなに慕われているんですよ。やっぱり努力の人なのかなって感じはしますけどね。
──ご自身と重なる部分とかってあったりしますか?
田村:どうですかね~? 私はあんまり人付き合いがうまくないので、うらやましいなとは思いますね(笑)。ただ天音も、アニメだとみんな最初は「天音のことが好き」って言ってたし、「天音を助けに行くぞ!」って言ってたのに、いつの間にかみんな「紗夜! 紗夜!」みたいになって……。あれ? 天音の立場は!? って思ったんですよ。なのでちょっとかわいそうだなと(笑)。
──アニメでは、天音はほとんど回想シーンしか出てこなかったですからね。
田村:ただ、回想シーンも「もしかしたらないかも!」という話だったらしいので、あってよかったですよね。
演じるときは自分と似ている部分を探して
──田村さんから見て、天音はどんな女の子でしょうか?
田村:真面目なのかなって思います。あっけらかんとしている部分とか、人間的に明るい部分ももちろんあるんですけど、人間っていろんな面があるじゃないですか。とにかく真面目な子なのかなという気がしますね。
──演じるときに意識したことはありますか?
田村:元気のよさをなくさないようにしました。悩んでいるところは最終回のあたりでしか出てこないので、元気いっぱいな感じで演じていました。
そんなに魅力を出そうと思って演じているわけではないんですけど、キャラクターが悩んでいたら、自分も悩んじゃったりする、みたいな感じで、とくにポイントとかは考えたことがないですね。
──キャラクターに自己投影や感情移入したりも?
田村:それはありますね。私はまったく関係ないものを演じるというよりは、ちょっとでも自分の実体験に近いものがあったら、広げていきたいなと思うので、感情移入することは結構多いですね。ただ、全然性格違うなっていうキャラクターもいるんですけど……。
天音は、人間関係に悩んだりしているところは、「あ、わかる」みたいなのはありましたね。すごくきついトレーニングするのは流石にないですけど……(笑)。
──それは確かに(笑)。難しい単語も多いので演じるのも苦労したかと思いますが。
田村:難しい単語、多いですよね。私は漢字とカタカナが苦手なんですよ。アニメでは毎話の冒頭で、それぞれのキャラクターが世界観の説明をしていたんですけど、私は第1話で振られてたので「うわ~、どうしようこれ」と思っちゃって。
しかも、全話でいろいろな方がやっているんですけど、第1話が一番文章量が多かったんですよ。第1話は説明が全部入っているんですけど、それ以降はちょっと間引きながらの紹介だったので、私のときだけ尺が速くて……。第1話だから本当に手探りでした。家で何回も練習して現場に来たら、「あ! これイントネーション違うんだ」ってなりましたね(笑)。ただ、ゲームの段階では、アニメの言葉が略称になっていたりするので、「アニメやっててよかったな~」と思いました。
──それは大変でしたね……。ファンもたまに間違えたりするくらいですからね。
田村:なかなか単語が覚えられないですよね~。
もし、田村さんが闇堕ちしたら……?
──『アンジュ・ヴィエルジュ』の魅力は何だと思いますか?
田村:キャラクターがちゃんと生きているところだと思います。アニメでは、みんなそれぞれに悩みがあって、それにつけこまれて闇堕ちしていく感じだったので、みんな生きているんだなというところが魅力かなと思いました。
──「闇堕ち」という表現もすごかったですよね。
田村:それはアフレコのときに話題になっていました。闇堕ちって、冷静に聞いたらすごい単語だよねみたいな(笑)。それなのに、キャラクターは普通に説明してますからね。
──田村さんは闇堕ちしたらどうなると思いますか?
田村:えー! 闇堕ちしたくないですねー(笑)。でも、闇堕ちって単語の印象は悪いし、はた迷惑な存在にはなるんですけど、ひとりひとりを見ていくと、欲望に忠実に生きているだけじゃないですか。だから、楽しそうだなって、ちょっと思いました。
──確かに楽しそうではありましたね。田村さんは何か欲望とかないんですか?
田村:欲望! 欲望って何だろう? やりたいこと……あんまりないかもしれない(笑)。でも、自分ではないと思っていた部分が、闇堕ちしたら出てくるっていうことですもんね。だから知りたいような知りたくないような複雑なところですね。キャラクターも闇堕ちから解放されたら「あれは違うの! あれは違うの!」ってなっていたじゃないですか。だから、やっぱり知られたら恥ずかしいようなことだと思うので、なってみたいような、なってみたくないような複雑な気持ちです。
──女の子がいっぱい出てくるのも、もちろんいいですよね。お風呂シーンがすごく多くてびっくりしました。
田村:あれは、監督に聞いたらちゃんと理由があって、「ああ、すごく考えられた末のお風呂シーンだったんだ!」と思いました。
お風呂は、一対一で打ち解け合って話せる場だから、モブキャラクターがいないそうですよ。どうしてもアニメっていろいろなところに労力が持っていかれちゃうじゃないですか。だから、モブとかを描かずに、お風呂にいる子たちだけをかわいく描けるからいいっておっしゃってました。だからガヤもクリスマスのところくらいしかないんですよ。
それから、学園もののアニメだと、教室とかを描くのにも労力をすごく割かれるらしいんですけど、お風呂だと、教室を描かなくていいから、他の部分に力を入れられるっていうお話を聞きました。
──それはすごいですね。スタッフさんは違う理由も聞いていたようですが。
田村:え! 違う理由もあるんですか?
スタッフ:あとは、戦闘で辛いシーンが多いので、そのほかのシーンではみんなでワイワイしているようなシーンにしよう、ということもあったようです。
田村:じゃあ、緩急がつくようにっていうことですね。
スタッフ:あと、説明のセリフのところは、視聴者に聞いてくれなくなることがあるのでって……。
田村:ああ! それも言ってた! 説明になるとみんな聞かなくなるけど、お風呂だと見てくれるんじゃないかみたいな。ちゃんと考えられた末のお風呂だったので、「ああすごい!」って思いましたけどね。
──視聴者が共感して受けた辛さをお風呂で洗い流しているような感じはしますよね。
田村:そうなんですよ。だから当たり前ですけど、かなり綿密に考えられているんだなと思いました。アフレコのときに監督とお話しする機会ってなかなかないんですよ。でも、外に出てきて、いろいろなことを教えてくださる監督だったので、本当に『アンジュ・ヴィエルジュ』が好きなんだなっていう感じが強かったですね。
最近無くしたものは? 追加されてほしい機能は?
──天音はαドライバーの能力を失ってしまいますが、田村さんは最近、何か無くして困ったものはありますか?
田村:どうでもいいことでもいいんですか?
──OKです!
田村:洗濯機ってフィルターがあるじゃないですか。で、絶対にそのフィルターの奥を掃除する棒があるはずなんですけど、なぜか家になくて……。かわりに使っていない歯ブラシとかで掃除するんですけど、埃が取れていない感じがして、「フィルターの掃除をしろ」って表示が出るんですよね。それが困ってます……(笑)。
──田村さんはかなりの洗濯好きだそうですね。
田村:洗濯、すごく好きなんですよー。まあ洗濯機がやってくれるんですけど(笑)。私はほぼ毎日洗濯しています。だからなおさら困ってます!
──本当にどうでもいい回答で安心しました(笑)。ところで、ゲームで何か追加されてほしい機能はあったりしますか?
田村:え~何だろう! わからないんですけど、ジャイロ機能ってあるじゃないですか。“傾けたら服が動く”みたいな。“フーッて息をかけたら、スカートがフワッてなる”みたいなのはできないですかね?(笑) 審査とかが厳しいんですかね?
Androidだったらアリみたいなのはないんですか? Android版だけ、息を吹きかけたら、スカートがフワッてなるみたいなことはできないですか?(笑)
──スタッフさん、困ってますよ(笑)。
田村:もはやちょっと、目的が変わってきちゃいますけどね(笑)。
──スカートがめくれて、、キャラクターから「見ちゃダメだよー」とか言われたらユーザーも結構ドキドキしてしまうかもしれませんね。
田村:そうですよね、もちろん見えない感じでね。だって、見えなければiOSもたぶん大丈夫なんじゃないですか?
──なるほど。ギリギリのラインを。
田村:でも、タッチして「ヤダー!」みたいなものもあるゲームがオッケーだったりするので、スカードがめくれるくらい別にいいんじゃないかなという気はしますけどね(笑)。
──言ってみたいセリフなどもあるんでしょうか?
田村:アニメでは、仲間の女の子とのセリフがメインだったじゃないですか。ゲームだと、ユーザーという主人公がいて、その主人公との会話になるので、ほかの女の子ともキャッキャしているセリフとかも多いといいなと思います。アルマリア(CV:原由実さん)が紗夜の血を「吸いたい吸いたい!」ってイチャイチャしますよね。そういったセリフがゲームでもあるといいなと思います。
──実装が楽しみですね! では最後に、天音の登場を楽しみにしているファンの方にメッセージをお願いします。
田村:以前から遊んでいる方って、すでに思い入れのあるキャラクターがいると思うんですよ。天音はアニメからの新参者ですけど、天音のことも好きになってほしいですね。
アップデートしてから新章になるので、遊んでいる方はもちろん、今までスマホのゲームに興味がなかった人も、アニメがあってのお話なので、ぜひぜひ遊んでください!
──ありがとうございました!
[インタビュー/石橋悠]
<ゲーム概要>
名称:アンジュ・ヴィエルジュ ~ガールズバトル~
ジャンル:学園美少女カードバトルRPG
価格:基本無料(アイテム課金あり)
サービス開始:配信中
メーカー:セガゲームス
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