「いつも通りの強さを見せつけてやれ」　TVアニメ『ハイキュー!! 烏野高校 ＶＳ 白鳥沢学園高校』牛島若利役・竹内良太さんインタビュー

　2016年10月からスタートしているTVアニメ『ハイキュー!!』の第3期『ハイキュー!! 烏野高校 ＶＳ 白鳥沢学園高校』。セカンドシーズンで青葉城西高校から劇的な勝利をあげ、県大会決勝へ進んだ彼らが、白鳥沢学園高校と熱戦をくり広げています。

　第3話まで終え、どんどんアツくなっていくゲーム。とくに、王者・白鳥沢の圧倒的な実力が目を引きますが、そんな展開をキャストはどう見ているのでしょうか？　県内トッププレーヤーと評される白鳥沢学園主将・牛島若利を演じる、竹内良太さんにインタビューしました。

初のスポーツアニメで演じた絶対王者「不安もありました」
――TVアニメでは前々から登場していた牛島ですが、改めて牛島役に決まったときのお気持ちを伺えますか？

竹内良太さん（以下、竹内）：「はじめてのスポーツものかあ……！」って思いました。僕、スポーツアニメのキャラクターを演じるのがはじめてなんですよ。しかも、牛島って絶対王者とか化け物とか呼ばれるような人じゃないですか。なので、そこまで強い高校生を演じられるのか!?っていう不安もちょっとあったりしました。

――原作はご存知だったんですか？

竹内：もともと読ませていただいていました。だからこそ、牛島の存在感を知っているので「牛島かあ……！」って（笑）。オーディションでもどうキャラクターを作るか悩みましたね。難しかったです。

――では、実際に役に決まってからはどのように役作りを？

竹内：最初のうちは、高校生っていう“年齢感”を意識して作っていたんです。でも実際にアフレコしてみて、音響監督の菊田さん（菊田浩巳さん）が、「高校生の年齢感とか意識しなくていいですよ。絶対王者という強さを意識していきましょう」って言ってくださったんです。そこでだいぶ楽になりましたね。

――当初の声より出しやすくなったというか。

竹内：ですね。おかげで芝居の“幅”が広がりました。決めつけてしまうと、どうしても幅が狭くなっちゃうので、こぢんまりしてしまう。それが解けて強さを見せやすくなったのはよかったなあと。

――しかもスポーツアニメって、息づかいをはじめ特有のお芝居が多い気がします。はじめてのスポーツものとのことですが、そのへんはどうでした？

竹内：そこも難しいなって思いましたね、すごく。相手チームと戦っているというシチュエーションではあるけれど、いわゆる“必殺技”を撃つわけではないじゃないですか。だから「うおーー!!」っていう大げさな芝居とは違うんですよね。スパイクやサーブ、ブロックといった一つひとつのプレイを“スポーツとしてリアルに魅せる”ために、自然な息芝居を求められる。

――そこがスポーツアニメの肝ですもんね。しかも牛島の場合、圧倒的な実力がある。

竹内：そこは僕にとってもテーマでしたね。牛島という人物の強力なスパイクは、どんな息芝居で表現できるのかと。とくに、牛島の作画ってやっぱり迫力があるじゃないですか。すごく勢いを感じられる。そのイメージを崩さないような息を入れたいなあってずっと考えていて。バレーの試合を観たりとか、夜な夜な公園に行ってスパイクを打つ動作をしてみたりとか。体でも感じられるようにいろいろ試しました。

――動くからこそ、感じ取れるものがあると。

竹内：そうですね。自分は昔、弓道と剣道やっていたんですけど、バレーとは息づかいも掛け声も全然違うので。体を動かして確かめるっていうのはするべきだなと。

――そんな過程を経て、ついに烏野との決勝戦がはじまりました。初回のアフレコはどうでした？

竹内：それはもう、やっと試合か！　やっとできるんだ！っていう喜びが強かったですね。ここまで白鳥沢は試合を見せることができていなかったんで、やっとメンバーみんなで試合できるっていうのは、自分としてもうれしいです。……と同時に、緊張も。第1期、第2期とやってきた烏野のいい雰囲気の中にボンッと入っていくので、それを崩しちゃいけないし、むしろそれを上回るくらいの試合展開とか熱気みたいなものを表現できればいいなあと思いながら臨みました。

――いい緊張感の中で収録されているんですね！

竹内さんが思う“烏野高校の強さ”
――地域にもよりますが、今、第3話まで放送が終わっています。ここまでの展開で竹内さんがとくに「アツい!!」と感じたシーンはありました？

竹内：……また牛島の話になっちゃうんですけどいいですか？（笑）

――もちろんですよ！　竹内さんは牛島役ですから。

竹内：ありがとうございます（笑）。第3話なんですけど、山形が走り込んでアンダーであげた球を、牛島が「高いトスひとつあれば、それでいい」ってモノローグをはさんで、スパイク決めたじゃないですか。あのシーンは「アッチいな牛島！」って思いましたね。「高いトスひとつあれば、それでいい」なんて、何千何万とスパイクを打ってこないと言えない言葉だと思うし、どんなトスでも上がれば決めるぜっていう、牛島の“絶対的な自信”を感じる。個人的にはアツいところですね。だからこそ、どうやって演じればいいんだろうって悩むんですけど（笑）。

――積み重ねあってこその言葉ですもんね。

竹内：はい。でも、牛島としてはそこで勢いづくわけではないんですよ。彼はいろんな強豪と戦ってきた人物。その経験や努力が根底にあるので、本人にとっては何気ない言葉のひとつなんです。だからあくまでも自然に。気負いは必要ないなと思いました。

――話を聞いていると、「絶対王者」と恐れられる牛島もちゃんと血が通っているんだなってあらためて感じます。

竹内：もちろん通っていますよ。白鳥沢というチーム自体も、この展開を知る前はもっと個々のプレーが多いのかなって思ったりしてたんですけど、チームとしてしっかりまとまってるんだなって思いますね。

――では、対する烏野高校についてはどう捉えていますか？

竹内：僕個人としては、チーム力がすごいなって思います。白鳥沢は個人がしっかりしているイメージなんですけど、烏野はいろんなものをみんなで補って、ひとつの喜びを共有するような感じ。深いチームの絆を感じます。第3期だからよけいに思うのかもしれないですけど、どんどんまとまってきている気がしますね。でも、牛島的にはあくまでも対戦校のひとつなんじゃないかなって思います。もちろん噂は聞いているだろうし、日向と影山が挑戦状をたたきつけてきたのでそこの期待はすごくあると思うんですけど、おそらく、おそらく、牛島としては勝って当たり前というか。やっぱり常勝高校なので。

――誤解を恐れずに言うなら、通過点のひとつというか。

竹内：なのかもしれないです。「どんな高校がきてもいつも通りのプレーをして勝つだけ」と、過度な意識はしていない気がします。

竹内さんが牛島に伝えたいこととは……？
――『ハイキュー!!』といえば、頂上を目指す各校メンバーの“ひたむきな姿勢”にも心を打たれますが、竹内さん自身がひたむきに取り組んでいることって何ですか？

竹内：ハンドメイドですね。もう、ひたむきすぎて。自分でもこんなにハマるとは思ってなかったんですけど（笑）。

――ツイッターでもよくアップしていますよね。キッカケは何だったんでしょう？

竹内：個人活動で嫁とライブをやらせていただいているんですけど、「ライブグッズとしてバッグチャームを作りたいね」という話になったのがキッカケです。確か最初に挑戦したのは、いろんな粘土を練り混ぜて冷蔵庫で冷やすと石状になるっていうキット。おもしろそうだなと思って試しに作ってみたんですけど、全然満足のいくものにならなくて。じゃあこれはどうだ？ってビーズのブレスレットとかピアスとか編み物とかいろいろやるようになって、すっかりハマっちゃって今に至る感じです。

――失敗からのスタートだったんですね。うまくできないからこそ、作れるようになりたかったというか。

竹内：本当は、バックチャームだけのつもりだったんですけど、どんどん派生しちゃいました（笑）。最近なんて、織り機を買っちゃいましたからね。

――えっ！　布を織るあれですか？

竹内：それですそれです。とうとうここまできたか！みたいな（笑）。これでテーブルシートとかマフラーとか作ってみたいですね。ほかにもいろいろ挑戦できれば。

――すごいです……！　ずばり、醍醐味は？

竹内：ハンドメイド作品を販売できるサイトがあって、主にそこに出品しているんですけど、ありがたいことに喜んでくださるかたが多いんですよ。それを見ちゃうと、うれしくて！　次の作品を作りたくなるんです。それが醍醐味であり、やりがいですね。

――それって、アニメにも通じるところがあるかもしれませんね。

竹内：あ、そうですね！　アニメも観てくれる人がいて、その人たちの声があってはじめて完成になるんだなって思うので。うん、似てるかもしれないです。

――では、そんなアニメの話に戻りまして。竹内さんが思う、『ハイキュー!!』第3期の魅力を教えてください。

竹内：……また牛島というか、白鳥沢の話になっちゃうんですけどいいですか？

――もちろんですよ！（笑）

竹内：じゃあ言葉に甘えて（笑）。魅力は、白鳥沢メンバーの個々の強さと、牛島の強力なスパイクだなって僕は思っています。アニメは絵が動きますし、音も声もついている。スパイクを打って、たたきつける迫力がより一層感じられるはずです。「高いトスひとつあれば、それでいい」と言ってしまうのも納得だなっていう、作画とお芝居になってると思うので。そういったシーンで、みなさんには白鳥沢のシンプルな強さを感じ取ってもらいたいですね。あとは、牛島のバックボーンにも注目していただきたいなと思います。

――じゃあ最後に。ここまで幾度となく話題に挙がった牛島くんに向けて、メッセージを伝えられるとしたら、なんと言いたいですか？

竹内：ふたつあるんですけど、ひとつは「一緒にごはん食べよう」ですね。牛島って、寡黙じゃないですか。だから面と向かって他愛のない話をしてみたいんですよ。

――わあ、いいですね！　聞いてみたいこととかあるんですか？

竹内：「お休みの日はなにされてるんですか？」とか、「ゲームするんですか？」「何でそんなに笑わないんですか？」とか（笑）。いろいろ聞いてみて、共通点を見つけてみたいですね。…………で、もうひとつは「いつも通りの強さを見せつけてやれ」。誰にもふりまわされず、圧倒的な強さで戦ってほしいです。

――まだはじまったばかりですもんね！　試合の行方、じっくり見守っていきます。ありがとうございました！

[取材＆文・松本まゆげ]

　

『ハイキュー!! 烏野高校 ＶＳ 白鳥沢学園高校』
【放送情報】
MBS 10月7日より毎週金曜26：10～
TBS 10月7日より毎週金曜25：55～
CBC 10月7日より毎週金曜26：50～
RKB 10月8日より毎週土曜26：40～
HBC 10月8日より毎週土曜26：28～
TBC 10月11日より毎週火曜26：05～
TUF 10月15日（土）より毎週土曜17：00～
SBS 10月18日（火）より毎週火曜26：26～
ITV 10月20日（木）より毎週木曜25：50～
IBC 10月27日（木）より毎週木曜25：28～
BS-TBS 10月8日より毎週土曜24：00～
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

●Blu-ray＆DVD　Vol.1 12月7日（水）発売

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