AGF2016の裏側でコスプレ文化×日本の伝統装束がコラボレーション！　池袋の町を舞台に舞い躍る！

　2016年11月5日（土）、6日（日）池袋サンシャインにて、「アニメイトガールズフェスティバル2016」（AGF2016）が開催されましたが、池袋の街を盛り上げたのはそれだけではありません。1000年前から存在した日本の伝統芸能を復活させた“大田楽”とコスプレ文化がコラボした“大田楽 いけぶくろ絵巻”がイベント初日、夜の池袋で繰り広げられたのです。

　300年の歴史を持つ狂言和泉流野村万蔵家九代目当主・野村万蔵さんが演出を担当する大田楽。日本古来の伝統と、近年注目されるコスプレ文化が融合し、舞台となった南池袋公園を熱気に包みました。今回は、その模様をお届けします。

「残酷な天使のテーゼ」が夢のコラボレーションを引き立てる！
　一行がたどり着いた南池袋公園では、今回の大田楽を楽しみにしていた大勢の人々が集まっていました。行進を終えた田楽法師たちが座につくと、夜の池袋に静かな笛の音が響き渡り、大田楽の開始を告げます。

　最初に披露されるのは【番楽（ばんがく）】と呼ばれる、喜びを表現したかのような軽快な踊りです。物静かな笛の音から一転した高揚感のあるリズムに、ついつい引き込まれてしまいます。

　地霊を鎮める【兎楽（うがく）】、笛の音と太鼓の響きの中で天狗の面と緋の装飾に身を包んだ【王舞（おうのまい）】による力強い舞、観客も巻き込んだ【獅子舞（ししまい）】の愉快かつ壮大な演舞が披露され、舞台となった南池袋公園を静謐が包み込んでいきます。

　舞台に小さな子供が現れ、鮮やかな紙を舞台に撒きます。汚れなき者の象徴である子供が舞台を清める【散華（さんげ）】という行為で、そこに白装束と翁烏帽子に身を包んだ田主（田楽法師の長）が登場し【奏上（そうじょう）】を高らかに読み上げます。これには田楽法師が訪れたことを神に報告する意味があるそうで、クライマックスに向けた準備が着々と進んでいきます。“今ここに舞い遊ばん、いざここに躍り狂はん”。

　そしてついにクライマックスがスタート！　軽快な音楽が奏でられるなか、息をつく間もないほどに次から次へと躍りや芸能が披露されます。伝統的な儀式を終わらせた後に待っている【総田楽（そうでんがく）】は、さながらあらゆる演舞が集合したエンターテインメント。迫力満点のアクロバットや中国の国家秘密になっているという噂のある【変面】などでお客さんを大いに沸かせます。

　そしてコスプレイヤーの方々もここに登場します。大勢の視線が注がれる中、それぞれキャラクターをイメージした見得を堂々と見せつけます。

　そして田楽法師の躍り手たちと共に大田楽最後の【群舞】を披露。このとき笛が奏でる曲が「残酷な天使のテーゼ」だったのは嬉しい演出です。ここでは一般のお客さんたちも参加し、楽しい宴を締め括りました。

　全てが終わると、一行はそのまま大田楽の余韻が残る南池袋公園をあとにします。再びグリーン大通りに沿ってとしまセンタースクエアに戻りました。獅子舞が締めの踊りを披露し“大田楽 いけぶくろ絵巻”は幕を下ろしました。

　「楽しかった。また来年もぜひ！」とコスプレイヤーさん、「みんなで楽しく盛り上がれて良かったです」と田楽法師の方々、双方とも満足の出来だった様子。“大田楽 いけぶくろ絵巻”は来年も計画しており、コスプレじゃない一般参加も心待ちにしているとのことなので、興味のある方は思い出づくりにいかがでしょうか。

［取材・文・写真／原直輝］

アニメイトガールズフェスティバル2016
■開催日：2016年11月5日（土）・6日（日）
■開催時間：10：00～17：00（16：30 最終入場）
※ファストチケットをお持ちの方は9：00から入場可能です
■開催場所：池袋サンシャインシティ　ほか
【Red AREA】：ワールドインポートマート4階Aホール
【Green AREA】：文化会館4階Bホール
【White AREA】：文化会館3階Cホール
【Yellow AREA】：文化会館2階Dホール

＜アクセス＞
池袋サンシャインシティ
住所：東京都豊島区東池袋3-1-1
交通：東京メトロ有楽町線　東池袋駅より徒歩3分
　　　JR、東京メトロ、西武池袋線、東武東上線 池袋駅より徒歩8分
　　　都電荒川線 東池袋四丁目停留所より徒歩4分

■主催：アニメイトガールズフェスティバル実行委員会
■お問い合わせ
アニメイトガールズフェスティバル2016事務局
TEL：03-6420-3975（平日10：00～17：00）

>>AGF公式サイト