『きんいろモザイク Pretty Days』劇場公開記念!西明日香さん・田中真奈美さんインタビュー ――キャラの意外な一面が見られる新作エピソードに注目
2016年11月12日から、新宿バルト9他で上映スタートするアニメ『きんいろモザイク Pretty Days』。同作の公開を記念して、作品に出演する大宮忍役の西明日香さんと、アリス・カータレット役の田中真奈美さんにインタビューを行いました!
これまでテレビシリーズ1期、2期を経て、新作『Pretty Days』はどのような作品になっているのか? いま話せるギリギリまで語っていただきました。話し出したら止まらない西さん田中さんのインタビュー、前後編でお届けします!
――『きんいろモザイク Pretty Days』が劇場上映されます。以前からRhodanthe*のみなさんは、「きんモザを劇場で見たい」とおっしゃっていましたが、初めて聞いたときの感想をお聞かせください。
西明日香さん(以下、西):テレビシリーズのころから言ってましたね! 「1期、2期をやって、劇場を挟んで3期をやりたいです」って(笑)。3期は決まっていませんが、ここまで本当に夢のように進んできています。新作エピソード制作決定と聞いたときの感想は、素直に「よっしゃーっ!」と思いました。
田中真奈美さん(以下、田中):新作エピソードの情報は2016年3月のAnime Japanで発表したのですが、実は私たちもほぼ同じタイミングでスタッフさんから聞いたんです。喜びを噛みしめる余韻もなく、お客さんと同じテンションで喜びました。
――お客さんと同じタイミングで知ったのですか?
西:そうです。イベントの控室で聞いたんです。
田中:スタッフさんから「新作エピソードの制作が決まったので、ステージで発表します」と言われて、私たちは「えっ? えぇぇぇーーーー!?」って(笑)。そして情報を発表してからしばらくして、劇場上映が決まりました。やはり「言霊」というのはあるんですね!
西:おっ、まなみん(田中真奈美さん)いいこと言った。桑田佳祐さんも『愛の言霊』って歌ってたからね!
田中:え? 関係ないよね?(笑)
――『きんいろモザイク Pretty Days』の内容を、お話できる範囲内でお願いします。
西:前半と後半にキッチリわかれているわけじゃないんですけど、最初に「綾の回想」があります。そこで「小路綾」を中心としたお話があって、その綾の回想が終わったら、現実に戻ってきて「学園祭」を楽しむんです。ザックリと説明すると、こんな感じです。
――ネタバレ禁止を気遣ってくださいましてありがとうございます。
西:みなさん楽しみにしてくださっているのに、ネタバレはよくないですからね。もう少し詳しく紹介させていただくと、日本人組みの3人は中学が一緒だったので、回想はその3人が中心のお話になっています。そして中学を卒業するときに「進路を考えなきゃ」となったとき、さぁみんなはどうするのでしょうか? この回想のエピソードは、綾の「心の成長」を描いた物語になっています。
田中:うん! そうだよね。
西:そして、回想が終わったら学園祭になって、みんなで大団円を迎えるのです。
――それでは田中さんは前半、あまり出番がなかったのでしょうか?
田中:なかったところもありました。『Pretty Days』は「受験」と「学園祭」というふたつの大きなテーマが描かれています。これは大げさかもしれませんが、自分のなかでは学校生活の「陰」と「陽」だと思います。楽しいお話だけでなく、『きんモザ』ではいままであまり見せてこなかったシリアスな部分があります。
西:『きんいろモザイク』の1期と2期では、とにかく心が癒やされる作品だったのですが、この『Pretty Days』はキャラクターたちがときに悩み、ときに涙を流します。そのようなストーリー性のある作品になっています。
田中:「問題なんかなにもないよ(※)」と歌っている前のころのお話なんです。(※:『きんいろモザイク』オープニングテーマの歌詞)
西:そうだよね! 「問題なんかちょっとあるよ~♪」みたいな感じです。
一同: (笑)
――『Pretty Days』のテーマソングは、そんな歌詞じゃないですよね?(笑) では、いままで『きんいろモザイク』を見てきたファンが『Pretty Days』を見たら、どんな感想を持つと思いますか?
田中:『きんモザ』の第1話のときから、同じシーンでも見る人によって「すごくゲラゲラ笑った」とか「涙が流れました」とか、感想は人それぞれでした。今回も、見る方のタイミングによって受け取る印象は違うかと思います。
西:うんうん! 私もそう思います。
TVアニメ『きんモザ』で描かれた楽しい日々は過去の努力が実現させた!?
――では、おふたりは初めて台本を読んだとき、どのような印象を受けましたか?
西:物語について語るとネタバレになってしまうので、それ以外の印象でもいいですか?
――そうですね。よろしくお願いします。
西:「セリフの量が多いっ!」って思いました(笑)。
田中:あはははは!
西:台本には「Aパート」、「Bパート」、「Cパート」ごとのセリフの数が表記されているんです。それが、綾と陽子(猪熊陽子)とシノ(大宮忍)の量がハンパなく多くて、「いったいどうしたんだ?」って思いました。
――量の多さはテレビシリーズと比較してですか?
田中:はい。明らかに多いんです。アリスとカレン(九条カレン)は2期の第7話がセリフが多くて、一度だけ100を超えたことがありました。でも今回の『Pretty Days』の綾、陽子、シノは、それの比じゃなかったんです。余裕で3桁を超えてました。
西:Aパートで100を超えて、Bパートでも同じくらい。そんなボリュームなので、台本を読む前からビックリしました。そしてページを開いて読んでみたら、綾だけじゃなくて陽子やシノも、みんな一生懸命がんばっているんです。お話の本筋は「綾の成長物語」ではありますが、陽子もシノも成長しています。
――みんなの成長が描かれているのですね。
西:1期と2期ではあまり見せてこなかった、キャラクターのマジメな部分と本気の部分が、すごく出ています。私は台本をじっくり読んだとき、キャラクターの成長が見られてすっごく嬉しかったです。
――なぜ嬉しかったのでしょうか?
西:私がテレビシリーズの1期と2期で演じた大宮忍の「みんなと笑い合える楽しい毎日」は、『Pretty Days』で描かれている努力があったからなんだ、とわかったからです。いままで知らなかった自分のキャラクターの過去を知れて、本当に嬉しかったです。
田中:私は台本を読んでから、『Pretty Days』という副題に込められた意味の受け取り方が変わりました。台本を読むまでは「プリティー」という単語は「かわいい」や「あいらしい」という意味で使われていると思っていました。いままでの『きんモザ』を見てくださった方も、おそらくそう思っているはずです。
――台本を読んだら、どのように変わりましたか?
田中:いざ台本を読んだら、私が感じた『Pretty Days』の意味は「かわいらしい日」ではなくて、「愛しき日々――」みたいな感じに受け取れました。
――「かわいい」のヒトコトでは言い表せられないような?
田中:もちろん「Pretty」には「かわいい」という意味もあるのですが、他にも「すっごく」のような意味もあるんです。よく「Pretty Cool !!」(超クール!!)や「Pretty Perfect」(超カンペキ)みたいな感じで使われます。『Pretty Days』の物語は、いろんな感情が混ざって、それを経た上で「かわいい」を超えて、すべてをひっくるめて抱きしめたくなるような意味が含まれていると感じました。
今回の『きんモザ』でもお馴染み「アドリブ」は健在!
――劇場上映ということで、アフレコ時にテレビシリーズと「違ったこと」、「変えたこと」はありますか?
西:劇場の大きいスクリーンと、すばらしい音響設備で見られるのが、とにかく楽しみなんです! 演技で変えた部分は、どうかな?
田中:演技は特に変えていません。いままでの『きんいろモザイク』です。ですが、日本人チーム(大宮忍、小路綾、猪熊陽子)は演技こそ変えていませんが、初めて見せる部分はあります。
西:変えたのではなく、「変わった」という感じでしょうか? これまで1期と2期を演じさせていただいてきて、私は大宮忍の性格はすべてわかっていたつもりだったのですが、『Pretty Days』でキャラクターの過去の生活を見て、認識を改める部分もありました。もちろん、見ていて癒される、優しくほわほわした作品はテレビシリーズそのままです。それに加えて、『Pretty Days』はストーリー性がある分、「心の葛藤」や「感情の揺れ動き」、「流す涙」など、新たな一面が描かれています。詳しくは言えませんが、悲しくて泣いているのではなく、悔しくて泣いているんです。
――シノが泣くなんて、いままでの『きんモザ』からは想像がつきませんね!
西:そうなんです。「かわいくて感動して泣いちゃう」とか「う~、ヤドカリ怖いですぅ」とか、いままではギャグ調で楽しい「泣き」はありました。ですが『Pretty Days』は違うんです。同じ経験をした人や過去に悔しい思いをした人にとっては、シノが流す涙に心が揺れ動くんじゃないかなと思います。どこかしら、みなさん共感できる部分はあると思います。
でも、深刻なほどシリアスな物語ではありませんから、『きんモザ』ファンのみなさんは心配しないでください!(笑) いままで描かれていなかった過去のシーンが見られるので、好きだったキャラクターをもっともっと好きになると思います。
――キャラクターの過去が描かれるのは、ファンにはたまらないと思います!
西:そして……そうやって日本人チームが過去の回想をした後、現実世界に戻ってくるのですが……。
――ですが?
西:そこで登場する「きんぱツインズ(アリスとカレン)」の「癒やし」のインパクト! もうね、かわいくてしょうがないんですよ。私は「過去のがんばりがあったから、この2人に出会えたのかもしれないな」と思いました。神様はちゃんと見ているんですね。努力は報われる!!
――「きんぱツインズ」でもっとも印象に残っているシーンはどこですか?
西:まなみんと奈央ちゃん(東山奈央さん)がふたりで歌うシーンがあるんですが、収録前のリハーサルの時点で、ものすっごくかわいいし、カンペキだったんです。私は「なんなんだ、この2人は!?」と思いました(笑)。
――テレビシリーズ以上にかわいかったのですか?
田中:しゃべりたいんだけど、ネタバレになっちゃうから詳しく話せないのがもどかしい!(笑)
西:1期と2期にシーンであったような、心が癒やされる「かわいい」を、まなみんと奈央ちゃんが凝縮してやってくれました。収録時のスタジオの雰囲気は、すごかったですよ。「上」の上の「上々」の、さらにその上です(笑)。待機していた私たちも、立ち上がって無言で拍手するしかなかった。アドリブも一発でオーケーでしたから、きんぱツインズのふたりがアフレコに挑む心意気も大きかったと思います。
――アドリブまでこなして、そこまでの高評価はすばらしいですね。
田中:アドリブは自分で考えて来ることもありますが、『きんモザ』は掛け合いのアドリブも多いので、現場で他の役者さんに相談させていただいて作ることも多いです。他の役者さんと一緒に作るほうが、自分の想像を超えるものが生み出されます。今回のアドリブのときも、奈央ちゃんと「コレは……生んだね(笑)」ってしゃべってました。
西:あはははは! あれは生まれたね~。
田中:いままでの『きんモザ』でも、「きん、ぱつ」とか「ふわっふわ~♪」とか、アドリブから生まれたたくさんの言葉が出てきました。それらの言葉はお客さんにも浸透してくれて、イベントなどで披露するとみなさんが喜んでくださいました。今回も、『きんいろモザイク』のから楽しいひとつの言葉が生まれたかな……と思っています! お客さんにも浸透してくれたら嬉しいです。
西:でもさ、まなみんイベントで絶対にやってくれるよね? やってほしい! 私がもっかい見たいの(笑)。
一同: (笑)
田中:そのアドリブは、「ちょっと長めにください」と言われたので1分くらいやりました。それがどこまで使われてるか、あるいはまったく使われていないか、いまはわかりません。さらに私も奈央ちゃんも絵コンテしか見てないので、キャラクターがどのように描かれているのか、とっても気になっているんです。劇場公開されたら私も3割くらいはお客さんになって見に行きます(笑)。
『きんいろモザイク Pretty Days』についてたくさん語っていただきましたが、西さんと田中さんのトークはまだまだ続きます。後半の記事はキャストのみなさんが作中に使われる絵「書き物」を担当した……というお話が! Rhodanthe*のメンバーが、果たしてナニを書いたのか?
[文・撮影/佐藤ポン]
公開情報
■『きんいろモザイク Pretty Days』
2016年11月12日(土)より新宿バルト9ほか全国の劇場にて上映!
【イントロダクション】
イギリスからやってきた高校生、アリス・カータレット! 大親友・大宮忍の家にホームステイしています。アリスに忍、凸凹コンビの小路綾と猪熊陽子、アリスを追いかけてきたもう一人のイギリス人留学生・九条カレンたち仲良し5人組は高校2年生の秋を迎えます! アリスと忍、二人一緒に玄関をくぐれば朝日に照らされてキラキラ輝く通学路。通い慣れた道を小走りに駆けていって、いつもの駅前でいつものメンバーと待ち合わせ。綾に陽子、そしてカレンが笑顔でアリスたちを迎えます。どこにでもあるようで、世界に一つしかない彼女たちだけの大切な日常――プリティ*デイズ!
二度目の学校祭が近づいてきたこの頃、忍の様子がちょっとおかしい!? 「このところ、なんだか朝が眠くて……」いつものんびりしている忍ですが、クラスの演劇で脚本&衣装のリーダーを任され、頑張りすぎているみたいです。違うクラスのアリスと陽子も、その様子は気にかけているけれど……果たして忍たちの劇は無事成功するのか、どうなる学校祭当日!?
>>『きんいろモザイク Pretty Days』公式サイト
>>『きんいろモザイク』公式Twitter(@kinmosa_anime)