分島花音「The strange treat!」ライブレポート!

予備知識ゼロで分島花音のライブ「The strange treat!」へ行ってきた 「The strange treat! holy night aquarium」ライブレポート!

12月になったばかりのある日、アニメイトタイムズ編集部から連絡がきた。

分島花音さんって知ってますか?」

僕は、「テレビアニメの『selector infected WIXOSS』、『selector spread WIXOSS』シリーズの主題歌を歌っている人」くらいの認識しか持ち合わせていなかった。その旨を伝えると、

「それじゃあ、今度分島さんのライブ見てみませんか? 絶対に楽しめると思います」

ということで今回は、分島花音ビギナーが初ライブを体験するというレポートをお届けする。お邪魔したのは、2016年12月14日(水)に日本橋三井ホールで開催された「The strange treat! holy night aquarium」。

いったいどんなステージなのだろうか。

ホーンセクションが入った特別編成ビッグバンド仕様

客層を見てみると、アニメファンらしき人もちらほら見えるが、音楽ファンが多そうな感じ。年齢層が幅広く、女性も多い印象だ。

定刻を少し過ぎ、SEが流れる。バックバンドの「The snowdome bigband」のメンバーが、ステージ下手(しもて)から現れた。衣装はシェフのよう。白や黒のシャツに、ソムリエエプロン。そして、メンバーが全員定位置につくと、1曲目の「The strange treat!」の演奏が始まった。

イントロが流れると、ステージには分島花音が登場。メイド服のような衣装に身を包み、デッキブラシを片手に持っている。どうやら、ステージ上はレストランという設定のようだ。

バンドメンバーは、ギター、ベース、ピアノ、ドラムに加え、8人のホームセクション。オープニングナンバーはジャジーな曲で、観客はそのビートに思い思いに身を委ねている。

最近はハード目のライブばかりに行っていたせいか、こういうジャジーなライブは新鮮で心地よい。大人な雰囲気とでも言おうか。彼女はアニソンシンガーなのかと思っていたが、どうやらそれだけではないらしい。

8回目の「The strange treat!」。サブタイトルはダジャレ!

2曲目は一転してアップテンポでポップなナンバー。「RIGHT LIGHT RISE」はアニメ「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」のエンディングテーマ。アニメソングらしいポップさはありながら、どこかダイナミックなところもある曲だ。

観客は小さなフラッグを掲げ、左右に振っている。ステージ上の分島もフラッグを振りながら歌っている。どうやら、これが分島花音のライブの定番のようだ。分島も観客もとても楽しそう。観客がライブの楽しみ方をわかっているようで、会場の雰囲気が心地よい。

MCでは、「The strange treat!」についての解説がされた。毎回異なるコンセプトで行うライブで、今回は8回目。本日はレストランという設定で、分島自身はフロアリーダーということだ。今回は、念願のホーンセクションを率いたスペシャルな編成となっている。

また、サブタイトルである「holy night aquarium」は、ホーンセクションの「吹奏楽」と「水槽」をかけたものだということ。ダ、ダジャレだったのか!

懐かしさと淫靡さを兼ね備えたチェロの音色が分島ワールドのポイント

そして再び曲が始まる。3曲目「平凡な僕」では、チェロを演奏。そういえば、分島花音はチェロを弾きながら歌うんだった!

そして4曲目は「Unbalance by Me」から5曲目「killy killy JOKER」へ。この曲は「selector infected WIXOSS」のテーマ曲。これは僕も知っている。これまでのジャジーな曲と一変し、ロック調の曲が続いた。

分島は、チェロを弾き、歌い、弓をクルクル回して観客を煽る。ファンにとっては当然の光景なのかもしれないが、初体験の僕にとってはかなり新鮮に映った。世界広しと言えども、チェロの弓で観客を煽るミュージシャンは彼女くらいのものだろう。

6曲目「odette」、7曲目「signal」、8曲目「さんすくみ」と続く。それぞれジャンルの違う曲で、彼女の音楽性の幅広さが伺える。しかし、チェロという楽器が入ることで、どんな曲も「分島色」になるように感じた。

あまりロックやポップソングに、チェロが入っているという曲を聞いたことがないが、チェロの音色はどこか懐かしさを感じるとともに、淫靡な雰囲気もある。男性の甘く低い声をイメージさせる楽器だ。それが、彼女の楽曲を独特なものにしているのかもしれない。

シンプルな5人編成は疾走感あふれるバンドサウンドを

MCの後は、ホーンセクションが退場。5人でのステージとなる。MCで発表された来年のツアーは、このメンバーで回るということ。

ホーンセクションなしのシンプルな構成では、ソリッドで疾走感のあるグルーブ。アップテンボな曲が続き、分島本人もグレッチをかき鳴らして、ニューアルバム「luminescence Q.E.D.」からの「ノットフォーセール・フォッシル」「the BEAST can’t BE STOpped」「Love your enemies」、そして3rdアルバム「ツキナミ」のタイトル曲「ツキナミ」とロック調の曲が続く。

形式的には、分島花音というソロアーティストのライブなのだが、このセクションからは確実にバンドサウンドとなっていた。それほど彼女とバンドの一体感が感じられた。

ジャジーな曲もよいが、バンドと一緒に突っ走るようなサウンドもよい。それぞれノリは違うものの、分島花音がいればすべて彼女の音楽になってしまう感じがする。

MCでは、メンバーそれぞれがこの「The strange treat!」の思い出を語った。猫耳を付けた話、病気で倒れた話などなど。8回もやっているといろいろなことがあったようだ。歴史を感じる。

また、彼女は「音楽は娯楽。人生にどうしても必要なものではない。でも音楽がないと味気ない。サラダのドレッシングみたいなものなんです」と語っていた。彼女を見ていると、音楽をやっていることへの喜びが感じられる。とても濃厚で、奥深いドレッシングだ。

この日ならではのビッグバンドサウンドが心地よい

次の「ザ ドールハウス!」からはホーンセクションが復帰。かっこいいチェロのフレーズから始まる。スカっぽいリズムでタイトルのようにかわいらしい曲だ。どこか昭和歌謡のような雰囲気もある。

そして「It Don't Mean A Thing」「芸術家のかわいい想像たち」と、ビッグバンドにぴったりな曲が続く。これは自然と体が動いてしまう。楽しい。念願のホーンセクションということで、分島もノリノリ。その喜びは確実に観客にも伝わっているようで、客席も思い思いに踊っている。

僕はビッグバンドの音が好きだ。とてもワクワクする。関係者席ではなくフロアにいたら、歓声を上げながら踊っていたことだろう。それくらいワクワクした。

そして最後の曲「Drink Drunk Music」。イエイ! という観客とのコールアンドレスポンスもあり、大盛り上がり。コールアンドレスポンスをしている彼女はとても楽しそう。MCのときも観客の一人に直接話しかけるなど、観客と一緒にステージを楽しもうという気持ちがひしひしと伝わってきた。彼女の人柄が出ているのだろう。

アンコールは定番のデザートで 

本編終了後、アンコールが始まる。

「The strange treat!はみなさんにおなかいっぱいの音楽をお届けするというのがコンセプト。デザートがまだでしたね!」

ということで、デザートは「プリンセスチャールストン」。どうやらライブでは定番の曲らしく、観客もお待ちかねだったようだ。まるで、デザートが有名なレストランに来て、「いつもの」という感じでデザートを楽しんでいるかのようだ。

こうして、2時間弱のライブは終了。彼女も語っていたが、念願のホーンセクションということでジャジーな選曲になっていたようだ。この編成でのライブはなかなか貴重ということで、見られた観客はラッキーだったのではないだろうか。

もっといろいろな分島花音が見てみたい 

ライブの前は、「アニソン歌ってる人だ」くらいの知識しかなかったが、実際に目の前で歌い、話す彼女を見ると、そんな言葉では語り尽くせない人であることがわかった。

今回のライブだけでも、ハードなロックからポップでかわいい曲、シックでジャジーな曲にビッグバンドと、かなり幅広いラインアップだった。彼女の音楽性はかなり広そうだ。

なんだろう…彼女はカメレオンのようだ。どんなタイプの曲もすべて「分島花音」として表現してしまう。演歌や民謡も違和感なく歌いこなせるのではないだろうかあ、ちょっと聞いてみたい……。あと僕が個人的にとても心に残ったのが、話しているときの。とても聞きやすいトーンで、歌っているときとはまた違う魅力がある。電話口でずっと話していてほしいくらい、いい声だった。

今回は、ジャジーで横ノリの曲が多いセットリストだったが、5人のシンプルな編成で、ロック調の曲ももっと聞いてみたくなった。彼女は「少しでも興味を持ったら、ツアーに来てください」とMCで言っていた。今日初めて彼女を生で見た人たちは、きっとツアーにも行くのではないだろうか。それほど、興味が湧くステージだった。

>>分島花音公式Twitter
>>分島花音公式サイト

[文=三浦一紀 編集=長谷憲 写真=IDE , maco]

分島花音 LIVE TOUR 2017「BLUE BEAST BIOLOGY」の開催が決定

「BLUE BEAST BIOLOGY moonlight party ver.」

日程:2017/3/20(月・祝)
会場:東京/渋谷 WWW

日程:2017/3/25(土)
会場:京都 MOJO

「BLUE BEAST BIOLOGY Q.E.D. ver.」

日程:2017/4/29(土)
会場:福岡 DRUMBe-1

日程:2017/4/30(日)
会場:広島/セカンドクラッチ

日程:2017/5/14(日)
会場:仙台 MACANA

日程:2017/5/20(土)
会場:名古屋 SPADE BOX

日程:2017/5/21(日)
会場:大阪 / umeda AKASO

日程:2017/7/17(月・祝)
会場:東京 /TSUTAYA O-EAST

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